近所に60m四方ほどの公園がありその3分の1程度の面積を1億数千万円かけて改修するという看板が出ています。公園には防災時の機能もありますので何とも言えませんが民間の感覚では過剰投資に見えます。国土交通省の公園利用実態調査によると公園の利用者数はこの40年ほどで半分以下に減っていて公園のあり方を見直す時期に来ていると思います。全米で2,000ヵ所以上の公園を作った非営利組織KaBOOM!のように住民が公園を作る動きもあります。子供の頃からある公園ですが、安全性を考慮してかブランコの大きさは昔より一回り小さくなり、気がつけばシーソーもなくなっていました。シーソーから落ちた記憶もありますが、シーソーに乗ったときの上下動やバランス感覚は脳を刺激するはずです。昔はよく相撲をしましたが最近は見かけない気がします。子供が忙しいことや責任回避をする社会風潮により、子供が遊びながら危険を学ぶ場がなくなり身体感覚を劣化させていくことは問題だと思います。
退廃と堕落の空気
美しいメキシコの村で休暇中のMBAを持つビジネスマンが地元の漁師にアドバイスをする小話が好きです。午前中だけ漁をしてあとは昼寝をしたり友人と遊ぶ生活を聞いたビジネスマンは釣りの時間を増やし加工工場を作り最後は株式上場することを勧めます。その後はどうなるかと尋ねる漁師に、引退して故郷に戻り昼寝をしたり友人と遊びのんびり暮せば良い、と言う落ちです。金と名声しか人生を測る尺度がない現代を生きるわれわれに、この話は切実な問題提起をします。惑星限界を迎えてなお享楽に耽ける生活にしか楽しみを見い出せない姿は、食べるために吐く古代ローマの生活と同じです。搾り取った富を散財する事に情熱をかけた史上空前の快楽都市ローマはその極みとともに退廃と堕落の終焉を迎えます。非文明的な暮らしや人体の再野生化といった話に人々が拒絶反応を示すのは、無批判に是としている欲以外に信じるものがなくその幻想を追うからだと思います。若者が社会起業家や途上国支援に憧れるのは退廃と堕落の空気を敏感に嗅ぎ分けるからでしょう。
限界費用ゼロ社会に入った日本
花や植物は生活に潤いと生命力を与えてくれます。一年前に300円で買ったシクラメンは水やり以外の世話をせず、旅行中は1週間以上放置しても健気に次々と花を咲かせます。野の花に魅せられるのはそこに本質を感じるからだと思います。儀礼的な贈答品に使われる胡蝶蘭などは一種の通貨に見えてしまい美しさを感じることができません。人生100年時代の到来を前提に書かれた「ライフシフト」が主張する「自分の人生を生きよ」というメッセージは心に響きます。一世帯あたりの消費支出が減り続ける日本は、知恵を使えばお金をかけずに生きられる限界費用ゼロ社会に入ったとも考えられます。人生の時間を切り売りする金の呪縛から徐々に解き放たれることで、社会が決めた人生を生きるのではなく、自分の人生を生きられるのだと思います。お金を中心に動く世界では高級な車に乗り上質なレストランで食事をするような生活への欲求を煽り浪費させます。金や地位や名声などの表層が幸せの本質ではないことに気づくと人生の恐怖心や不安は自ずと消えていくと思います。
予防接種の嘘
寒くなり始めるとインフルエンザの流行が懸念され予防接種を呼びかける声を聞きます。会社によっては半強制的に予防接種を受けさせるようですが、自分は10年以上行っていません。発症することはありませんし、逆に予防接種をしていて感染した人の話を聞きます。インフルエンザワクチンの効果に疑問を呈する声は専門家のなかにもあります。記憶に新しいところでは子宮頸がんワクチンによる薬害が深刻な被害をもたらしました。ワクチン接種を法律で義務化したテキサス州では知事が製薬会社から多額の献金をもらい、ワクチンが逆に子宮頸がん発生リスクを44.6%も増加させていたとのアメリカ食品医薬品局の内部文書が暴露されたこともあります。産学による医薬品データ不正事件は後を絶ちません。血友病患者の4割をHIV感染させた薬害エイズ事件で中心的役割を果たした大手医薬品メーカーのミドリ十字の創立時の幹部は元731部隊です。戦争のための細菌兵器と医療が混然一体となった医産複合体は病人を増やすことで肥大化しました。中世ヨーロッパ以降近代まで信じられていた人体の血液を抜く治療法の瀉血と同じように、ワクチンには医学的根拠がないことがいずれ証明されるはずです。国を超えた大きな嘘に人々は気づきません。予防接種は後々様々な後遺症を発症させることで医療市場を潤わせることになるのでしょう。
感動が伝わる力
興味のなかったラグビーにこれほど魅かれるとは思いませんでした。ラグビーロスを癒やすために生では見ていない前回RWC2015の映像を見ました。W杯史上一度しか勝ったことのない日本の勝利倍率は、過去二度優勝している南アフリカの1に対して80とブライトンの奇跡を予期した人はいませんでした。ゲーム終了間際ワントライで逆転できる32対29と僅差に詰め寄った日本は13人のモールで押し込みインゴールしたものの79分25秒TMOでゲームが中断され結局トライとは認められません。80分を過ぎてゴール手前5メートルから日本ボールのスクラムと波状攻撃により、実況のアナウンサーが「行け!!」と絶叫するなか史上最大の番狂わせとして世界の耳目を集めたトライが決まります。歴史的勝利を収めた日本は予選プールで3回勝ちながら決勝トーナメントに進めなかった初めてのチームになりました。人々の心をここまで揺さぶるものはスポーツをおいて他にはないと思います。日本のスポーツ界に足りなかったのは感動が人々に伝わる力なのでしょう。
見直すべき人生のタイムライン
日本老年学会と日本老年医学会は高齢者の定義を65歳から75歳以上に見直すべきとの提言をしています。年金受給や定年を遅らせたい意図もあるのかもしれませんが、身体状況や活動能力は10~20年前と比べて5~10歳の若返りが見られるとされます。自分の印象では地方に行くと元気なお年寄りに会う機会が多く、那須湯本温泉の鹿の湯で会う80代の男性は現役で働いていて車も運転しますし、新潟の民宿では94歳の元気な女性が食事を作り送迎のマイクロバスを運転する75歳の男性は若者と呼ばれていました。都会の80代が働くと例外的とみなされますが、田舎に行くと仕事と言わなくても体を動かす役割があります。世界の多くの国が65歳以上を高齢者と定義しますが、人間はラベリングにより評価を固定し判断基準にしますから感覚的には80歳ぐらいからで良いと思います。老いという言葉がネガティブに受け取られる日本では「年だから体が悪くなって当たり前」と想起します。人体は良好な環境であれば120歳程度まで生きられるとされますので、100年時代が身近になった今人生のタイムラインを抜本的に見直すべきだと思います。
平穏だけでは生きられない
最高値を記録するニューヨーク株式市場を見ているといつか来た道を思い出します。バブル経済崩壊のときは誰もが異常を感じながらゲームから降りようとはしない熱狂がありました。来年のオリンピック・パラリンピックが決まった2013年当時から2019年経済ピークアウト説が囁かれていて経済の変調を示すニュースも聞こえ始めました。しかし、未来への不安や過去の失敗にとらわれていると人間は行動を起こせなくなります。人が後悔をするのは失敗そのものではなく、ベストを尽くさなかったことだと思います。人体が複雑なのは平穏無事な生活を願いながら、そのような生活をしているとドーパミンが減少しやがて喜びに対しても無感動になります。未知なるものへの恐怖心があってこそ達成感や幸福感は生まれるはずです。以前は楽ができる生活を目標にしていましたが、定年退職などでその目標が達成されてしまうと無気力な状態に陥り、ドーパミンが作れないパーキンソン病になることもあります。人類の歴史がそうさせるのか人間は平穏なだけでは生きられない生物なのだと思います。
SNSと幸せロンダリング
今に始まった話ではありませんが、学ぶ意欲の足りない学生が多いことは日本の教育界と産業界の泣き所でしょう。一方社会人大学院は少子化時代に新たな消費者を掘り起こし教育市場を拡張しました。ただし定員枠が広がれば修士や博士の価値が下がるのは必然で大学院の大衆化と深刻な質の低下を懸念する声もあります。学歴コンプレックスを消すための大学院進学などを学歴ロンダリングと呼びますが、SNS以降の流行りは幸せロンダリングだと思います。SNSは負の部分をカットして浄化し幸せそうなシーンだけを都合よく編集できます。幸せな人は世の中に何%ぐらいいるのか時々考えます。何不自由ない境遇なのに満たされない人もいますし、幸せそうに見えても他人が伺い知らない苦悩は誰にでもあるものです。金を自由に使える人に限ってヘドニックトレッドミルに毒され消費に幸せを見つけようとします。執着に取り憑かれた人は何物にも尺度をあて自分より不幸な人を見つけないと精神の安定を保てません。確かなことは幸せが内発的なことです。収入の多寡や友人の数、持っている車や勤めている企業の知名度は一定の影響があるにせよ決定的な理由ではなく、自分が置かれた境遇をどのように捉えるかにかかっていると思います。
長寿村と対象的な都市
長寿村に関心がありますが、昨日読んだ「ピオッピ式最高の長生き術」を含め世界の長寿村研究には共通事項を見出すことができます。ピオッピ(Pioppi)は地中海ダイエットを研究するアメリカ人生物学者が住んでいた人口200人に満たない村です。高脂肪低炭水化物の地中海式ダイエット発祥の地として知られ、隣村のアッチャロリ(Acciaroli)や山間部の村セッサ・チレント(Sessa Cilento)も世界屈指の百寿者が多い地域として知られます。共通するのはカタクチイワシやオリーブオイルなどの高脂肪、グリセミック指数が低い食事、地域が家族のようにつながり、歴史的に貧しい地域による粗食、傾斜地による高い強度の歩行と肉体労働、シエスタときれいな空気です。粗食で少食、たまに断食、肉体労働と十分な休息、豊かな人間関係があり生涯現役なのは長寿地域の共通項目と言えそうですが、これらは現代の都市とはまるで対照的な生活です。世界有数の長寿国日本に明るいイメージがないのは、長寿者と寝たきりのイメージが重なるからです。食べ過ぎで運動不足、人間関係は断絶し老後はやることがなく寿命だけが長いのは、糖質中心の食事による食べ過ぎ、安楽な生活の奨励、定年により仕事を失うことが原因だと思います。
ライトユーザーを広げたRWC
44日間に渡るラグビーワールドカップは日本にとって前代未聞のスポーツイベントでした。圧倒的なスピード感と格闘技を思わせる激しいぶつかり合いこそスポーツが持つ醍醐味でしょう。世界ランキング8位の日本ラグビーが世界レベルで戦えることを日本中に印象づけました。前回W杯1次リーグで日本に敗れ、今大会では唯一日本が負けた因縁のライバル南アフリカが優勝したことも最後まで盛り上がった理由です。白人ナショナリズムの象徴であったスプリングボックス127年の歴史で初めての黒人キャプテン、シヤ・コリシの物語は人々を鼓舞するものでした。非白人居住区の貧困家庭に生まれ、両親に代わり祖母が育て才能を見抜いた小学校時代の校長がブーツを買い与えたと言います。故国の英雄マンデラは「スポーツには世界を変える力がある」と言いました。スポーツほど人々の感情を揺さぶり情熱的にするものはありません。プロ野球やJリーグに新興企業の経営が移植されスポーツに投資が集まるようになったのは比較的最近の話です。観光にしてもスポーツにしても、にわかラグビーファンのようなライトユーザーとインバウンドの裾野を広げる経営技術が問われていると思います。