巨大なミッシングリンク

娘の同級生が連休にヒッチハイクで東北を旅行したという話を聞いたとき、「最近の子供でもそんなことをするんだ」と思いましたが、それこそシェアリングエコノミーです。時代は巡るのか温故知新なのか世の中は方向感を失ったようです。高校生の娘は自分が10代の頃のユーミンやカーペンターズを知っていて、時間が戻った感覚を覚えます。われわれは無意識に時間には一定の方向性があると考えますが、まだ気づいていない時間の断絶があると思います。700万年に及ぶ人類系統樹の時間軸から考えると、われわれが知るたかだか2000年の歴史など一瞬の点に過ぎません。現代人だけが人類史上唯一高度文明を築いたことは奇跡で、そこには巨大なミッシングリンクがあると思います。

単調が身体を蝕む

時間に従って生きる現代の生活は単調になりがちです。月の単位で給料をもらい、月曜から金曜まで週の単位で働き、決まった時間に食事をします。しかしヒトの身体は未だに百万年単位の原始の身体と同じで、変化には数万年を要します。原始の時間は自然に依存し、日々変化していたはずですが、現代人は時間通りにいかないと強いストレスを感じます。やる気がなくても会社に行き、仕事がなければ作り出してでも機械的に働くことは生産設備が動かせない時代は合理的でした。自分の足を使わず移動し、毎食好きなものを食べる生活は狩猟採集の生活とはあまりにかけ離れていて、そのことが人間を憂鬱にし、不健康にしていると思います。

嗜好品の魔力

花粉症と胃の違和感は30年来の持病でしたが、その一つが治り始めました。それも一切お金をかけず水分を数日控えるだけです。中医学やアーユルヴェーダの舌診は知っていましたが、胃の状況が舌の潤いに現れることを実感しました。嗜好品としてお茶やコーヒーを飲む習慣が過剰な水分摂取になります。嗜好品は英語でPleasure Productsですが、日本語のSikohinが世界的に通用するほど日本人の生活に密着しています。嗜好品は味覚や臭覚を楽しみ摂取時の心身の高揚感のために摂取される食品・飲料・喫煙物とされ、心理的、薬理的なメカニズムから依存の対象になります。嗜好品の特質は、栄養やエネルギー源を期待しない、生命維持に強い効果はない、無いと寂しく感じる点にあり、生体維持の機能に関係なくただ楽しむために存在します。生活習慣病の大半が食源病と言われるように、生きるためではなく楽しむために摂取することは自傷行為につながると思います。

秘められた身体能力

超自然的なオカルトに目覚める人は何割ほどいるのでしょうか。きっかけは様々なれど覚醒する人は印象的な体験をしているはずです。初めて出たトレイルランニングの長距離レースは、吉野の金峯山寺蔵王堂から高野山金剛峯寺根本大塔までの56kmです。修験道の修行場として神聖とされる大峯奥駈道を抜けるコースは天文学的距離に思えました。弘法大師が歩いたと伝わる古道を一歩一歩ゴールに向けて歩みを進めると、半日ほどした頃マインドフルネスの言う「まさに今生きている」という感覚が訪れます。福島にいた頃、毎朝早朝に登っていた那須連山を下るとき、自分の体と思えない速さで岩の上を駆け下りて行けるのが不思議でした。トレイルランニングが自分の考え方まで変えたのは、それが太古の昔から続く肉体活動に酷似し、秘められた身体能力を呼び覚ますからだと思います。

自己愛の是非

SNSには自己愛があふれています。後先考えず恥ずかしげもなく投稿している自分もそうです。自己陶酔に眉をひそめたくなる投稿がないわけではありませんが、SNSは自己愛が許されるサンクチュアリだと思います。自由な立場で発言すれば結局全てが自己愛に端を発し、それを快く思わない人さえ個人名で発言する限り形を変えた自己陶酔という点で変わりません。イノベーションの多くが思い込みと自己陶酔から出発しているように、抑制されてきた自己愛の発露が許される時代だと思います。SNSと距離を取る人も少なからずいます。その理由は様々でしょうが、SNSの世界観に馴染めないことが理由のひとつだと思います。プロと言われる書き手による一種の言論統制へのオルタナティブとして芽生えたSNSの評価にはまだ時間がかかりそうです。

一人になれる場所

昨日はラブラドールと陣馬山に登りました。普段高尾山に来るときは始発電車で、歩き始めるのは6時過ぎです。自分と静かに向き合いたいので人に会いたくありませんが、ルートを選んでもハイカーと会わないことはできません。小仏峠に車を停め陣馬山まで3時間で往復します。山の中で迎える朝は格別で、目覚める前の高尾山は神秘的な一面を見せます。体を鍛えるためでも達成感を得るためでもなく、自分を整えるために歩き、筋肉をほぐす程度に走ります。途中で出会ったのは陣馬山山頂の一人だけです。その彼は独り占めできると思っていた山頂に先客がいて、犬まで一緒だったことに気分を害したのか、挨拶をしても素っ気ありません。皆一人になれる場所を探しているのかもしれません。10時には帰宅して仕事を始められます。

健康になるのは難しい?

多くの人が健康を求め、市場には健康情報や商品が溢れながら、飽食やストレスに苛まれる現代は健康になることが難しい時代です。多くの人が健康になれなくて悩んでいる一方で多数の「健康嫌い」が存在し、その理由は同じです。多くの健康本は「~せねばならない」か「~してはならない」のどちらかで、いずれにしても人をネガティブな気分にさせます。そして多くの健康常識は他の常識と矛盾しますので、何かを信じても裏切られることが少なくありません。常に新説が登場する健康常識は、10年前の常識にさえ安心することができません。5年前に「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」が日本で出版されたときその目新しい視点に共感しましたが、重要なことは人体のデフォルト状態を知ることだと思います。

現代人を救うケトン体

昨日の朝は陣馬山まで無補給で往復しました。行楽客の来ない南高尾から北高尾に抜ける40kmは累積標高2,400m超で約2,000kcalを消費します。人間が体内に蓄積できる糖質量だけではフルマラソンを走り切ることもできませんので、就寝中の基礎代謝で使い果たした糖質に変わり脂肪酸から生成されたケトン体がエネルギー源になります。ケトン体濃度を上げるために前日の夕食以降食物を摂取しないので、運動に必要なエネルギーは糖質からケトン体に変わり脂肪が消費されます。糖質制限によりケトン体濃度が上がると、体に蓄えた脂肪が1gあたり9kcal(糖質は4kcal)のエネルギーに転換されますので、無限に近いエネルギーを手にすることになります。良いことにがん細胞は正常細胞と違いケトン体をエネルギーにすることができませんので、糖質制限によるケトン体利用はがん細胞を死滅させる可能性でも注目されます。

目から鱗の胃の不調

外科中心に発達した現代の医学は対症療法に終始し、慢性疾患に対しては原因不明の不定愁訴などと曖昧な診断をします。人間の体は正常な状態に戻ろうとするホメオスタシス(恒常性)があり、本来は持病など存在せず全ての不調には原因があります。20年来胃の不調に悩まされ何度も受診し胃カメラの検査も受けましたが医師は誰も本当の原因を教えてくれませんでした。胃に未消化物の違和感がありよく断食をしましたが、そのときに限って一層調子が悪くなります。それもそのはずで普段より多く水分を摂るからです。喉の乾きに関係なく習慣的に水分補給をし、運動で汗をかいてもそれ以上の水分補給をしていたことになります。摂取する水分量を意識するだけで20年来の胃の不調が改善するなど目から鱗です。

オフィスではなく運動

週末の阿蘇ARTや彩の国などの100km、100mileトレイルレースに友人が出場しているのに刺激され、昨日は高尾山にリハビリに行きました。人体は運動をする状態がデフォルトで、運動をしないのは病的な状態ですから、そこから抜け出すにはリハビリが必要です。硬直した筋肉をほぐすように下りだけ走って南高尾から城山まで20kmほど体を動かしました。森に響く鳥の声を聞きながら早朝の森を歩くと様々なアイデアが降って来ます。ワーカーに必要なのはオフィスではなく運動だと思います。運動が脳を活性化し勉強や仕事に効果的なことに関する多数のエビデンスがあります。それでも運動を仕事に取り入れないのは即効性が感じられないからです。血糖値上昇をもたらすエナジードリンクが支持されるのもそのためです。運動強度を上げないとホルモン分泌など脳の活性化を体感することは難しく、学校教育などを通じての習慣化が必要だと思います。

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