
冬至を迎えこの日を境に日照時間が長くなり、陰から陽に変わり運気が上昇する時期とも言われます。冬は寒いだけで良いイメージがありませんでしたが、福島県で生活をするようになって以来、その雪に埋もれる美しさに、好きな季節になりました。内に閉じこもる冬の季節こそ、自身を成長させる時だと思います。日照時間が短く、活動量が低下しますが、その静かで長い夜こそ内省や、体系的な知識を深く吸収するのに最適です。寒い冬は睡眠の質を上げるのにも適し、腸内環境を整える食事や入浴に時間をかけることができます。活動的な夏に向けて根を深く張るための、地味で、静かで規則的な生活を楽しむ、まさにマインドフルネスな季節が冬なのでしょう。そして、冬になると旅行に行きたくなります。魚の美味しい季節であり、観光地から人の姿が消え、日本海の荒波のような自然の厳しさを体感できるこの季節が増々好きになります。
本当の文化

ファッションに無頓着で普段着の多くはユニクロです。先日買ったパフテックは、東レと共同開発した中綿技術により、軽い・暖かい・洗える、という三拍子を高いレベルで実現し、世界最強クラスのコスパと言えます。寒い日本の冬を快適に過ごす上で、ユニクロの貢献は小さくないと思います。同様に食事にも無頓着で、栄養とエネルギー摂取が本来の役割であり、食そのものを楽しむのは1割程度でよいと思います。機能性ばかりを追求すれば人生は単調で味気ないものになり、他方で毎日をハレの日にすれば買い物依存になり、食原病のリスクを高めます。機能を追求した先に現れる美しさや美味しさこそが、本当の文化だと思います。人々がサグラダファミリアに魅かれるのは、重力そのものに形を描かせたカテナリー曲線により、ガウディが完璧なアーチ構造を作ったからで、機能と美は融合できると思います。
最強のモーニングルーチン

年明けにキリマンジャロに登ると言う妻のトレーニングに同行して、朝のジョギングを始めました。途中の坂道ダッシュは適当に流しますが、朝一番の運動とサウナの組み合わせは最強のモーニングルーチンだと思います。ランニングをすることで血流が促され、脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌により、記憶力や集中力を高め、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌が脳を覚醒させます。自宅にサウナはないのですが、熱い風呂と水シャワー、外気浴によって自律神経を強制リセットします。ランニングで高まった交感神経を、入浴後の外気浴で深く落ち着かせることで、マインドフルネスの状態で一日を始めることができます。重要なことは、朝の早い時間に最も頭を使うクリエイティブな仕事や重要な意思決定を行うことで、さらに重要なことはこの習慣を継続することだと思います。
有難くかつ不可解


病院が嫌いで何年も医者にかかっていませんが、例外は定期的なクリーニングで訪れる近所の歯科です。先生の腕は悪くないと思うのですが、なぜかいつも空いていて、すぐに診てもらえることは大きなメリットです。さらに歯科医に多いクロスセルによる押し売りをしないことも気に入っているところです。しかし、ここに行く最大のモチベーションは、建物が35歳の坂茂の出世作という点です。細長い長方形の敷地を2等分し、南側半分を外部空間として、地盤の関係からRC造ながら床を木造とすることで軽量化します。執着とも言える正方形・グリッドによる空間分割は、建築に合理性を求める自分好みです。全面ガラスによる開放的な室内のプライバシーを守りながら、風や木漏れ日を通すアイビー・スクリーンが設けられ、森のなかのような居心地です。外国からも見学者が訪れるこの名建築に、人が来ないことは有難くかつ不可解です。
シグマが求められる時代

昨日は南会津のビジネスホテルに泊まりました。無料朝食につられて、ついつい食堂に行くと、サラリーマンの生態を間近に見ることができます。尊大な態度の上司と卑屈な部下という懐かしい姿は、かつては日本企業の強みでした。社会的地位の階層に基づく性格分類では、外向的なリーダータイプの「アルファ」と、協調性のあるサポータータイプの「ベータ」があり、これが動物行動学における群れを形成してきました。コマンド&コントロール型の堅苦しい企業風土によって、日本の製造業は世界の市場を席捲しました。自動車で言えば、アメリカ車やドイツ車といった「正解」に向かうスピードが要求される時代には強みでした。正解を失った今の時代に求められるのは、階層の外にいる一匹狼タイプの「シグマ」のスキルを、企業がいかに早く吸収できるかが問われていると思います。
粗製乱造が招いた悲劇

サウナの火災はたまに聞きますが、赤坂の高級プライベートサウナでの死亡事故には衝撃を受けました。発火の可能性があるのはストーブとタオル、スマホですが、火が出た経緯に注目が集まります。ドアハンドルが内外ともにはずれ脱出できず、フロントの非常通報装置の受信盤の電源が切られていたことからして、業務上過失致死が問われると思います。工作物に瑕疵がある上に安全配慮義務違反が重なります。通常のサウナでは、押すだけで出られるパニックドアにするのが常識ですが、別の部屋でもドアハンドルのガタつきがあるとされ、インフルエンサーも行く有名店にしてはあまりにもお粗末です。プライベートサウナのリスクが最も悲惨な形で起きたのは、ブームによる粗製乱造が招いた悲劇であり、利用者の命を預かる事業であることを改めて自覚すべきでしょう。
進歩がわれわれを救えない

13歳という年齢もあり、このままでは年を越すのは難しいと思っていたラブラドールが、にわかに回復しました。3日間の入院とその後のドクターショッピングで手痛い出費を強いられましたが、治ったのは自らが持つ自然治癒力のおかげだと思います。2週間ほど何も食べなくなり、下痢を繰り返したことで体内の浄化が進んだように見えます。体が治るのは医学の力だとわれわれは信じますが、多くの場合体を元に戻すのは、生物が本来備えるホメオスタシスの力かもしれません。外科的な症状や感染症など、現代医学がその能力を発揮する分野は少なくありませんが、他方で医学が進歩してもガンの脅威など慢性疾患は広がる一方です。人々が現代医学を妄信した結果、生物が内部環境を保ち続ける生体恒常化作用を軽んじたことこそ、科学の進歩がわれわれを救えない原因のような気がします。
連続起業家だけが生き残る

ロボット掃除機の代名詞「ルンバ」を手がける米iRobotがチャプター11の適用を申請しました。強力なサイクロン技術で一世風靡したダイソン、「感動のトースター」で日本の家電市場に革命を起こしたバルミューダなど、時代を作った企業の黄昏は避けられない宿命に見えます。成功することで開発投資は株主配当に回され、イノベーションのジレンマが起こります。ダイソンのEVやバルミューダのスマホのように、致命的な戦略ミスがあったにせよ、ジェネリック化により先行者利益を失うまでの時間は限られています。そもそも革新的な製品で市場を独占し、高価格帯で利益を上げるプレミアム戦略は、まぐれあたりの要素が強く再現性がない気がします。連続起業家のように頂点で手を引き、戦場を変えて次のビッグウェーブを待つことが有効な戦略かもしれません。
驚異と脅威

2025年は人類が本格的にAIを活用し始めた年として記憶されると思います。大半の企業がAIで武装を行うなか、先月リリースされたGoogleの最新AI、「Gemini 3.0 Pro」と「Nano Banana Pro 」が見せた進化は異次元クラスで、しかも無料開放です。大半のホワイトカラーは絶滅する運命にあり、生き残るのはAIをフル活用するブルーカラーや、アドバンスト・エッセンシャルワーカーとも言われます。驚異と同時に脅威を感じ、馬車が自動車に変わるとき人々が拒絶した状況に似ているかもしれません。人間に残される仕事は身体性を伴うものになり、アナログな世界で感じる感覚器官の鋭敏さが求められる気がします。他方でスマホの普及はわれわれをデジタル世界に縛り付け、人々は自らをアバターにしているように見えます。言い換えると、AIを使う主体的な理由のある人だけが報われる世界の到来なのだと思います。
文化大革命再び

隣の独裁国家と日本がもめています。デカップリングを望む日本人は、隣国による日本制裁を応援していますが、騒げば騒ぐほど墓穴を掘り、打つ手の全てが悪手となり、逆包囲網が敷かれます。その典型が国内問題のはずだった台湾有事が、世界の関心を集め国際問題に格上げされたことです。シンガポールの開発独裁ように、優秀なリーダーが率いる限り独裁は、平均点しか取れない民主主義より劇的な成果を上げますが、権力を手にすれば私利私欲に走るのが人の常です。露中に共通するのは拡張主義で、その強欲がやがて自滅につながることは歴史が証明してきました。中国政府の実質負債は、地方と中央で4,000兆円に達し、日本のバブルとはけた違いの多重債務にハードランディングは不可避に見えます。威圧に依存した国家はもろく、われわれは文化大革命を再び目撃しようとしているのかもしれません。