あおり運転が注目されたのは容疑者のステレオタイプの高級志向です。おそらく彼が幸せでなかったように、高級であることと幸せの間には相関関係も因果関係もないと思います。高級車、高級ホテル、高級レストランに共通する出自は支配階級の生活の模倣ですから、自分の内面とは無関係に得られる幸せは野暮で継続しません。高級に理想を求める思い込みは刹那的な幸福と、それよりはるかに長い欠乏の時間を与えます。多くの人が最晩年に後悔するのは自分らしく生きなかったことです。社会が規定する高級という尺度に囚われて生きると、そこには自分らしさの入り込む余地はありません。街中で車と乗っている人を観察すると、偏見も含まれますが高級車に乗った人はどちらかと言うと憂鬱に見え幸せそうではありません。記憶に残る車は以前都心で見た、駄作だと思っているフィアットの2代目パンダです。4人の中高年の男女が小さな車内でさも愉快そうに談笑していて、開け放たれた窓から見えたカジュアルな服をたなびかせながら走り去った光景が印象的でした。高級と言おうが上質と言おうが同じことで、外部の尺度を用いた瞬間に審美眼の無さを晒すだけだと思います。
オルタナティブがない東京礼賛
英金融大手HSBCが例年行う海外駐在員の生活調査レポートHSBC 2019 Global Report(https://www.businessinsider.jp/post-198008)によると、日本は33カ国中32位とブラジル、インドネシアと並んで最下位グループにランクされます。にわかなインバウンドブームで気を良くしていた日本人にとっては意外な結果ですが、自分の感覚とかけ離れたものではありません。海外のどの都市を旅しても旅行者の目を割引くにせよ生活にゆとりを感じます。日本は短期の旅行で行くには良いけど住みにくいという声は正しい評価でしょう。外国人駐在員が暮らすのは圧倒的に東京ですから、これは世界最大の都市圏東京への評価と読み替えることができます。定着の容易さ、収入、ワークライフバランス、友達づくり、教育の項目でいずれも最低評価をされ、唯一10位以内にランクしたのは、政治的安定だけという評価は辛口に思えますが、日本人にとっても異常な通勤風景やモチベーションを維持しにくい日本の労働環境は身に覚えがあります。それでも東京が礼賛されるのは、豊かな地方というオルタナティブがない日本にとって仕方のないことかもしれません。
無知という怠慢のツケ
既得権益層に不満を持つ市民に支持されてきた市民運動家上がりの文大統領の後継者と目される、次期法相候補の不正疑惑と人柄の二面性が話題になります。経済政策の失敗で景気減速が明確になる一方、周辺諸国からも疎遠にされ韓国のプレゼンスは低下しているように見えます。政治的混乱の失地回復を狙った反日でも暗礁に乗り上げ、万策尽きた感もあります。多くの少年犯罪がそうであるように、一度振り上げた拳を下ろすことができない文大統領は自らの立場を守るために強行突破を試みると予測されます。その行き着く先は朝鮮半島の社会主義化でしょう。韓国の知識層は政治の行く末を冷静に判断するのでしょうが、反日デモに動員されるのは深い考えもなく操られるままに行動する無知な国民です。無知のツケはいずれ自分に帰ってきます。しかしより広い視点で眺めれば対米従属に洗脳され続けた日本人も無知なのかもしれません。米国が東アジア覇権を放棄すれば、日本海と朝鮮半島に対する中露の支配が強まり、日本は自ら防衛し対米自立せざるを得なくなります。無知という怠慢が多極化する世界の環境変化に生き残ることを難しくしていると思います。
高級感より健全性
フィアットパンダが5年目の車検から帰ってきました。自分で買った車で、主に使っていた過去に乗った3台はいずれも10万km以上乗っていて、4台目のこのフィアットは最速で10万kmに到達しました。1.2リットルエンジンのフィアットはこれまで乗った車のなかで最小排気量、最低価格ですが、愛着や満足度では過去の車に引けを取りません。軽自動車用の駐車枠に停められるほど小さいのに5人と犬が乗れて小回りが効き4WDは走る道を選ばず、ディーゼルエンジンは10万km平均で19km/L走り、トラブルとは無縁です。排気量も車両価格もフィアットの4倍ほどするくせに小物がよく壊れ、燃費も悪く、狭い道に入り込めない不便な過去の車には見栄をはる以外の効用はありません。車が趣味だと思い込んでいた頃は、車が大きいとホテルに行った時に誇らしい気持ちになれるとか、そんな貧しい発想に疑問を持ちません。高級車こそ地位財の象徴で、人との比較に明け暮れるヒエラルキー構造の虜になる原因です。フィアットに高級感はありませんが、これ以上の馬力も広さも無用だと思わせる健全性があります。
人生が終わる緊張感
トレラン界最大のイベントであるUTMBの傍らで、昨日は身近な方の海外の山での事故が報道されました。夏の始めにはごく身近な方の山での訃報に接したばかりで、いずれも経験のあるベテランですから、山では誰しも事故とは無縁でないことを思い知らされます。一見平和に見える山はいつも死と隣合わせです。名のあるアルピニストが挑戦するような高山でなくても、よく行く八ヶ岳でも南アルプスでも、あるいはもっと身近な山でもいつも死はそこにあります。平和な日本では日常生活で死を身近に感じる機会はありません。どこか近づき難い古めかしい登山スタイルを嘲笑するように、軽装登山の若者が山に入るトレンドは一面では好ましい傾向であり、他方で目の前にある危険への感度を鈍らせないとも限りません。風光明媚な観光地を回るだけの旅行に飽き足らない人たちの新天地は、より刺激的な冒険旅行です。肉体を自然に晒し、何が起こるか分からない不確定要素が冒険旅行の魅力ですが、その代償の大きさを意識する必要があると思います。人生がいつ終わるか分からないという緊張感があるからこそ、その世界にのめり込むのかもしれません。
DNAに刻まれた本来の居場所
9月に入り増税の足音が聞こえ始めました。足りなくなれば国民から取り上げる発想は好ましくありませんが、国が消費を罰する増税は消費行動を見直すモチベーションになります。消費が礼賛される社会では人間は過剰に対して寛容になります。感覚が麻痺して物欲、食欲をコントロールできなくなり、家にはモノがあふれ、体には脂肪を蓄え、たいていのことでは満足ができなくなり心は貧しくなります。産業とメディアが結託した消費社会は消費の負の側面については考慮しません。平均的な日本人は明らかに食べ過ぎで、3、4割食事を減らせば生活習慣病の多くが改善しますが、人生であと何回食事ができるか考える人にとっては、食べないパラダイムなど到底受け入れられるものではありません。先進国に共通するのは、一人あたりGDPが何倍に成長しても生活満足度だけは変わらないことです。ミニマリズムが一部の人々の消費行動に影響を及ぼすのは、いつになっても幸福に辿り着けないヘドニックトレッドミルに気づき始めたからでしょう。人は心の奥底では何もない静かな心地よさを求めていて、それがDNAに刻まれた本来の居場所だからだと思います。
楽に生きる秘訣
30年と5ヶ月間に及ぶ会社員生活を止めたのは3年前の今日です。それ以降変わったのは稼ぐ発想から生きる発想への転換です。稼ぎたいと思っているときは損得感情に支配され人生は息苦しいものになります。会社組織も常に競争意識を煽り、競合を出し抜くことばかり考えます。人より優位に立ちたいという原初的な生存欲求が競争を加熱させ、執着の根源になります。しかし、人類が生存しているのは助け合いの結果であり、人に親切にしたときオキシトシンが分泌されるように、人体は集団にとって有益な個体を生存させようとします。人は常に利己と利他の間で揺れ動き、賢者はバランスを保ち、愚者は極端になります。利己的な損得感情に支配されると人は、身の丈にあった現実を生きずに肥大化した不安定な自己と歪んだプライドを持ちます。電車などで足を投げ出しだらしなく座るのは若者に多く、それは内面の未熟さの現れですが、今や中高年や高齢者の迷惑行為も問題視されます。未熟な自己は令和の日本が克服しなくてはならない病理であり、人生に起こるすべてを必然として損得に関係なく受け入れることが楽に生きる秘訣だと思います。
狂気こそが良い結果をもたらす
文在寅は祖国統一の英雄か、韓国を自壊させる狂人なのか考えます。ナポレオン、ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポル・ポトをみてもその違いはいつの時代も紙一重です。昨日読んだ「一流の狂気:心の病がリーダーを強くする」はさらに踏み込んでいて、精神疾患を抱えたリーダーこそが危機に際し能力を発揮するという、歴史学に精神医学を応用する主張が新鮮です。正常な精神状態の人は自分自身を過大評価し状況を楽観視するとして、ヒトラーの脅威を早い時期から警告していたチャーチルと宥和政策を取ったチェンバレンを比較します。本書が取り上げるのはキューバ危機を回避したJFKなど大半が政治家ですが、企業のリーダーでも同じことが言えると思います。スティーブ・ジョブスやリチャード・ブランソン、イーロン・マスクにしても偉業を成し遂げたリーダーは危機対応型リーダーであり、おそらく精神的に正常ではないと思います。精神疾患の躁鬱には重要な4つの要素である現実認識、レジリエンス、共感、創造力が含まれ、危機の時代にあっては狂気こそが良い結果をもたらすと言います。
過去に執着する不幸
北東アジア現代史の一ページが作られるのをわれわれは目撃していると思います。国際社会の正義を無視して約束を破り嘘をつく国、扇動されやすく凝り固まった衆愚という好ましくないイメージを広めてしまい、証券市場からの外国資本流出を促しています。歴代大統領が暗殺、自殺、投獄されるこの国の政権交代は革命と同じですから、以前の政権の約束など守るはずがありません。空海軍の充実した装備を見る限りその仮想敵国は日本以外ありませんので、レーダー照射に驚くのは平和ボケと言われても仕方がないのでしょう。文在寅の最大の功績は、理解しがたい隣人の行動様式を日本人に少しだけ学習させたことだと思います。日本に併合され、独立を自ら勝ち取れなかった劣等感を癒やすのは、日本への復讐以外になく、アメリカ統治下の日本から竹島を奪い取るぐらいでは彼らの自尊心は満たされないのでしょう。日頃は日本好きを装っていてもDNAに刻まれた悪意の遺伝情報は反日教育と政権の都合によりことあるごとに発現します。過去の恨みに執着し今を生きようとしないことは不幸だと思います。
業務手順を見直さない日本企業
競合環境の厳しい今日にあって空港にあれだけ多くのレンタカー会社があることは少し不思議に思えます。繁忙期などにより値段は異なりますが、自分が使う3社の価格帯で言うと、高い方からジャパン、タイムズ、バジェットの順になります。レンタカーに求めるものは、価格、車の状態、貸出と返却のスムーズさで、印象で言うと車の新しさはタイムズ、ジャパン、バジェットの順です。貸出と返却のスムーズさはタイムズ、バジェット、ジャパンで、ロゴなどのビジュアル・アイデンティティが徹底されていることもあり総合的なブランドバリューが最も高いのはタイムズです。ジャパンは知名度も高く空港のカウンターにも人が配置されるフルサービスなのですが、総合点ではタイムズに遠く及びません。タイムズと他の2社の違いは人的生産性の差にあり、貸出の説明はスムーズで、領収書を予め発行しているので他の2社と異なり返却したその場でシャトルバスに乗ることができます。日本のサービス業を中心とした生産性の低さは、一日に数千回数万回と繰り返される業務手順を、意外なことに見直しせずに放置していることにあると思います。