
読む本の多くは医師が執筆した健康本です。医師は広範な知識が要求される職業で、その強みは圧倒的な知識量です。他方で、その弱点は病人しか見たことがないことだと思います。ガンになった患者が治療を受けてその後どうなったかはよく知っていますが、ガンを放置した人がどうなったかは知りません。つまり比較試験ができないのです。健康診断を受けていた人より受けなかった人の方が長生きという医療のパラドックスも知られます。われわれの目標が健康で一生を全うすることであるなら、病人のエキスパートである医師に、その運命を委ねるのは怖い気もします。その道の権威とされる人のことをあまり信用していないのは、産業界の影響によりその主張にバイアスがかかっている可能性が高いからです。どちらかと言えば非主流の医師を信用するのは、そのこと自体、真実を語っている可能性があると感じます。
不眠大国日本?

最近興味深かった動画は毎日30分しか眠らないという実業家の堀大輔氏と、睡眠の権威とされる、有名大学教授との対談です。自身の睡眠時間は4、5時間ですが、生活に支障はなく、昼間に眠くなることもまれです。環境も日々の状況も人それぞれですから何時間眠ろうと自由なはずなのに、あてにならない疫学調査の平均値から睡眠は8時間取れとか、一生の3分の1は睡眠などという社会の呪いはやめるべきだと思います。権威とされる医師は金集めがうまいのであって、産業の御用学者の可能性があります。睡眠薬をはじめとする巨大な睡眠産業は、寝不足は病気だと喧伝し、悩まなくてよい人が悩みQOLを低下させることは罪深いでしょう。睡眠中は体温が低下し、酸素量も少なくなるので、むしろ眠る方が体に負担なはずです。睡眠時間の短い日本が長寿国なのに、不眠大国などと騒ぐメディアも同罪でしょう。
生きるために食べる

一人でいるときは常に「健康週間」です。運動とともに気にするのが食事で、自分に必要な栄養素を考えて買い物をすると普段の倍ほどの金額になります。しかし、一日一食しか食べませんので、最大に見積もっても一日2,000円以内ですから外食よりは節約できます。今は玄米菜食も糖質制限もしていませんので、肉と魚は毎日食べ、熟してオリゴ糖の出た甘いバナナはブルーベリーとギリシャヨーグルトを加えてデザートにします。低糖質高脂肪高蛋白質を基本にした食事は、揚げ物が好きだった自分でも満足できます。アボガドや納豆、豆腐のようにそのまま食べる食材以外は蒸すので、調理の手間もなく、作りながら食べ始め、そこからご飯を炊くので食事に2時間ほど使います。ゆっくり食べると血糖値の上がり方も緩やかになり、腹持ちもよくなります。快楽のためではなく、生きるために食べるバランスのとれた食事にこそ美味しさの本質を感じます。
建築家版宮崎駿




茅野市の藤森建築を見ました。茅野市は、建築家、藤森照信氏の出身地で、デビュー作と言える1991年の神長官守矢史料館をはじめ3つの茶室などが徒歩圏に集中します。自然素材を大胆に使う設計は当初より注目していましたが、どこか違和感を覚えていました。それが変わったのはラコリーナ近江八幡を見たときです。建築家版宮崎駿のような世界観は、ランドスケープと一体になって初めて機能するようで、どこに建てるかが一番重要かもしれません。その点で隈研吾が庭の建築家と呼んだジェフリー・バワに似ている気もします。地上6mの2本の木の上の茶室「高過庵」は、アメリカの『TIME』誌により「世界でもっとも危険な建物トップ10」に選ばれるなど、今やその建物が世界的に知られる建築家ですが、昨日は見る人もなくひっそりとしていました。
サウナは酷暑時代の必需品

一度東京に戻りましたが、夜中でも30度近い東京では13歳のラブラドールの散歩ができないので、長野県に舞い戻りました。急激な酷暑は世界的な課題ですが、有効な対策がないばかりか、今後も上昇する可能性は100%と言われ、都市に住めなくなる時代は遠からずやってくるのかもしれません。サウナのメリットはヒートショックプロテイン(HSP)の生成と美肌効果だと思うのですが、細胞が熱などのストレスにさらされる際に作られるたんぱく質であるHSPは細胞機能を維持し、免疫機能を向上させ疲労回復を助けます。またサウナに繰り返し入ると体が暑さに慣れる暑熱順化により、早く汗をかき、体温を効率的に下げられるようになります。同時に汗の塩分濃度が下がりミネラル分の損失を抑える効果もあり、酷暑に対する体の適応能力を高めるに、サウナが必須の時代は目前かもしれません。
第四のガン治療法

伝統ある医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンが、運動がガン治療に効果があると報告しました。これまでもエビデンス・レベルの低い観察研究としては、運動がガン治療に有効との報告はしばしばありましたが、研究結果の信頼性の高いランダム化比較試験であることに注目されます。3年間計画的に運動プログラムを実施したグループでは、再発率が28%低下、死亡リスクは37%低下したといい、これは抗がん剤の治療効果に匹敵、もしくは凌駕するものです。もはや運動は、手術、薬物療法、放射線治療、に次ぐ第四の治療法として確立される時代に入ったのかもしれません。20世紀には自然治癒力と言うとオカルト世界の話だと思われていましたが、実態は逆で、現代医療が自然治癒力の手柄を横取りしていただけのような気がします。
冬の訪れが楽しみ

北アルプス・北穂高岳直下の北穂高小屋では例年より早く、初氷を観測したと言います。山では早くも初冬の足音が聞こえますが、あまりにも都会が暑すぎるので、夏山感覚で登るこの時期は、低体温症による山岳遭難が増える時期でもあります。灼熱化する都会の暮らしにおいて、四季の移ろいを感じる機会は年々少なくなりますが、山の近くで暮らすと四季おりおりの風情を感じることができます。人が人類史の大半を自然のなかで過ごしたように、人間らしい感性を保つには、なるべく都市の人工空間を離れて、自然のそばにいる必要があると思います。自然と一体になる暮らしは、人類を長年苦しめ続けてきた寒さとの戦いでもありますが、われわれの体は氷河期を生き残るために進化しており、寒さという刺激が人体を活性化します。山が一番美しい表情を見せる冬の訪れは、これからの季節の楽しみです。
都市には住めない

日々使ってしまうAIですが、ChatGPT5が1日あたりの推論応答に使う電力は150万世帯が一日に使う電力に匹敵すると言います。これ以外の生成AIを合計すると、2030年にはAIとデータセンターが世界の電力消費の8%を使い、これは日本全体の電力使用量に相当する規模です。新たな人為的熱源が地球規模で出現することは人類の生存を脅かしかねません。もはやエアコンは快適さのための製品ではなく、人類が生き延びるための生命維持装置となり、さらに気温を上げます。地球規模の不自然な気温上昇はさらに加速する可能性があり、喜ぶのは莫大な利益を上げるエネルギー関連企業だけでしょう。先日山で会った日本に住むオランダ人は、自宅の奈良は半年しか住めず、夏を挟む半年は八ヶ岳にいると話していました。こうした生活を強いられる時代は目の前かもしれません。
サプリの前に生活習慣

ファミリー企業をグローバル化させ、10年間で売上2倍、営業利益2.5倍に押し上げた新浪剛史氏への強制捜査により、経済界には激震が走ります。リベラル寄りの発言で保守界隈の一部からは蛇蝎のごとく嫌われ、B2C企業のトップが政治的意見の分かれるイシューに堂々と発言することには批判もありました。問題のCBDビジネスへの期待なのか、裏の顔なのか、はたまた日本社会のお家芸、改革者つぶしの捜査なのかと関心は広がります。しかし、相手が大物財界人だけに、警察は起訴、有罪への確信があるから踏み込んだことは間違いありません。サプリ全てを否定するつもりはありませんが、大半の人はサプリを飲む前に、食事や運動など改善すべき生活習慣があり、安易にサプリに依存する不健全さが改まるなら、一連の動きは歓迎すべきと感じます。
自分の体を信じる

健康トレンドにはすぐ飛びつくのですが、一方で疑い深いところがあって、まずは自分の体が発する直観と照らし合わせてから判断します。例えば高年齢における「小太り長寿説」は疫学データの平均値の罠による完全な嘘であり、心地よい俗説に惑わされてはいけないと思います。BMIという指標自体がおおざっぱな上に、標準的BMIには病気による痩せが含まれ死亡率を上げているはずです。同様に乱暴な議論が「〇時間寝ろ」という強迫めいた主張です。これなども睡眠関連デバイスをはじめとした産業界と結託した、御用学者によるデマだと思っています。睡眠時間は人それぞれで、量より質が大切なことは子供でも分かります。糖質中心の現代栄養学といい、歴史を振り返れば、時の権威者による大半の主張が的外れな誤りだったことに、科学界は謙虚になるべきであり、消費者はもっと自分の体の声を信じるべきだと思うのです。