昨日は卒業式を終え、トルコ経由で帰国した娘を迎えに成田空港に行き、ついでに飛行機の撮影スポットとして知られる東峰神社に寄りました。成田空港の34R滑走路(2,500m)の端からわずか60mの位置にある東峰神社から見る着陸シーンは、標準レンズでも画面から飛行機があふれるほどの迫力です。見られるのは北風運用の日に限られますが、flightrader24で着陸態勢に入った飛行機を確認して待ち構えていると、やがて金属音をあたりに響かせ、視界を遮る塀から巨大な物体が突然姿を現すさまは、航空ファンならずとも魅せられます。社会人になった頃は、なぜか今の季節になると成田空港周辺のホテルに泊まりプールを使っていました。渋滞さえ避けられるのであれば、都心から程よい距離にあり外国人クルーが滞在する成田空港周辺は、少し日本離れした半非日常のリゾート地と言えるかもしれません。
山を走るために生まれてきた
世界第2の高峰K2(8,611m)でのアルピニスト滑落の一報を受け、日本の山岳界に衝撃が走りました。最も名誉とされるピオレドール賞を日本人最多の3度受賞した平出和也氏と、2度受賞した中島健郎氏による世界最強コンビです。測量番号がそのまま山名に残ったK2は、エベレストよりも厳しい気象条件、急峻な山容により世界一登頂の難しい山とされます。K2の一般的なルートでさえ、エベレストのバリエーションルートに匹敵する難しさと言われますが、事故が起きたK2西壁は未踏ルートです。平出氏とは不思議な縁で、南アルプスで二度、北アルプスで一度出会い同宿したこともあります。妻はネパールの空港で中島氏にも会ったそうです。滑落地点をヘリコプターが確認したものの、着陸困難で地上からの救出を試みると伝えられます。山を走るために生まれてきたようなしなやかな肉体が印象的で、気さくなお二人の無事を願うばかりです。
アンチエイジングはありえない?
「老いない人生の作り方-サクセスフル・エイジング」を読みました。老いない人生は人類共通の願いですが、特効薬は脳由来の神経栄養成長因子BDNFの産生を刺激する断食と激しい運動しかないようです。アンチエイジングはありえないと断言する科学者もいますが、肥満していた30代のコースタイムの半分で八ヶ岳を周回できる四半世紀後の今の自分の方が肉体的に若いと強弁することは可能な気がします。運動も断食も自然に始めることが重要で、食欲がない日や仕事が忙しい日に食事をスキップするだけで断食は達成でき、その心地よさと次の食事の美味しさがモチベーションになります。運動は楽しくかつハードルの低いものから始めるのがよく、ハイキングからスピードハイク、トレイルランニングへとステップアップする方法が現実的だと思います。一度気持ち良さを味わうと脳が発する偽りの欲求に惑わされず習慣化が可能でしょう。
最強の健康法
今週は家人が不在なので、一人健康週間を実施しています。飽食社会を謳歌する現代人にとって、毒素を抜くためのリトリートは有益でしょう。健康に影響を及ぼす要素は人によって見解が異なりますが、睡眠、食事、運動あたりは有力候補です。睡眠に良いとされることは大概試しましたが、それでもショートスリーパーは変わらず、専ら食事と運動に注力をします。長野県に来て連日山に登り、毎朝2,000kcal程度消費していますが、一日一食600kcalも摂取すればエネルギー産生には十分で、少なくとも中高年以上の必要カロリー数値は見直す必要があると思います。このような生活を続けていると身体が引き締まるだけではなく、活力がわき気分まで前向きになります。小食と運動こそがミトコンドリアを強化する最強の健康法だと信じるのは、身体のパフォーマンスと気分の向上を体感できる上に、味覚が繊細になり食事が美味しいからです。
病は気から
日本では2,800万人が腰痛持ちとされ、85%が原因を特定できない非特異的腰痛です。この2か月ほど関節運動学的アプローチ(AKA)の施術を受けましたが、むしろ症状は悪化しました。施術後に足の可動域は広がるのですが、それゆえに腰に負担がかかるのかもしれません。好転反応と見ることもできますが、一度中断して自分で腰痛解消に取り組むことにしました。痛みがあると藁をもつかむ気持ちで治療家を訪ね、あるいは医者がつけた病名を信じ込みますが、この他人依存の思い込みが痛みを増幅している気がします。今朝は腰痛を理由にこの1、2か月避けていた山登りを再開し西岳、編笠山に登りました。血流が良くなり老廃物が洗い流され、腰の炎症が引くイメージをしていると、プラシーボ効果なのか痛みが引き、病は気からを実感します。他人に過度な期待して体を委ねるのではなく、基本に返り筋肉をつけるなど自発的な腰痛対策に取り組みたいものです。
住む場所で寿命が変わる
酷暑の東京から肌寒い長野県に来ました。8年ほど前から、東京、福島、長野をノマド的に移動していますが、多拠点居住はポストコロナのライフスタイルになりつつあります。空き家があふれる日本において、別荘は高嶺の花でも贅沢品でもなく、むしろ合理的な選択です。運転が好きなので移動は苦になりませんし、車が小さいと移動コストも知れています。東日本大震災と原発災害は、一か所に住むことの脆弱さを示す機会になり、住居を固定しないことはリスク回避になります。長野県の寿命が男女ともトップで、高齢者医療費は全国最低、在宅死亡率が日本一なのは、専門医が少なく統合医療医など予防医療に力を入れること、自然が近くにあり日常的な運動量が多く、ビタミンDを含むキノコを食べる習慣からガン発症が低いことが要因とされます。住む場所で寿命が変わるなら、多拠点居住をしない理由はありません。
場の共振
コロナ禍に普及したオンラインセミナーによって、リアルのセミナーに行く機会は激減しました。昨日もオンラインセミナーを聞き始めたのですが、講演者の話すスピードが遅く、途中で聞くのを止めました。普段からYouTubeを1.5倍速で聞くことに慣れると、リアルで話すスピードが間延びして聞く気が失せてしまいます。ポストコロナに最適化したはずのオンラインセミナーも、テレビ同様の運命を辿るのかもしれません。アーカイブ化されていつでも再生可能なYouTubeと違い、特定の時間にネット接続する必要のあるオンラインセミナーは不便です。一方で音楽がストリーミング化されても人々がライブに出かけるのは、場の共有に価値があるからで、講演者に会いたいときはリアルセミナーに行くように、選挙の街頭演説にもリアルに会えるメリットがあります。オフィスをリモート化すべきかは賛否がありますが、場の共振を生み出せるかにかかっていると思います。
アート領域の言論
成田悠輔氏の「22世紀の民主主義」を読みました。2年前の出版であり、無意識データ民主主義というアイデアに目新しさはありません。人類とは距離を置くような成田氏の普段の言動から期待すると、拍子抜けするほど主張は普通です。炎上とNGの境界発言を連発する成田氏一流の即興性や、切れ味の良さを期待するには、書籍は不適切なメディアかもしれません。高齢者の集団切腹発言など、会場を凍り付かせて空間をハックするアート領域の言論は、コンプラやポリコレに忖度したやらせが横行するバラエティ番組の寵児に押し上げました。きわどい発言をしながら人気が衰えないのは、東大主席、MITのPh.D.、スタンフォードやイエール大学の教員という肩書ばかりではなく、父親が失踪し一家が自己破産する悲惨な家庭環境、何より人間社会の内面を理解し、ジャンルを超えて言語化する表現力にあると感じます。
日本人の堅実な習性
妻と娘がポルトガルを旅行していて、陽光降り注ぐ美しい写真を見ると羨ましくもあります。時間とお金と健康リスクを考えると、海外旅行は割に合わないと嘯きながら、多額の債務を抱える会社を持つ身としては、呑気に海外旅行など行く気も起きません。他方で、経済的自立と早期退職を実現したFIREムーブメントの成功者とされる人たちでも、派手に散財して人生を謳歌している人は少数に見えます。日本人は多額の遺産を残して死ぬことが知られますが、おそらくその堅実な国民性ゆえに、資金の残高が減っていくなかで散財を楽しめないのだと思います。退屈で孤独な人生後半を回避して、現役時代のように無邪気に消費を楽しむためには、生涯働き続けて収入を途絶えさせないことのような気がします。
サウナの真実
娘の卒業式に出るために妻が渡欧すると、食事のバリエーションが乏しくなります。サラダに納豆、味噌汁、焼き魚といった手間のないものに限定され、世間で言う粗食ですが、味気ないと思うか有難いと思うかは心がけ次第です。一方で昔から日本人が伝統的に食べて来た食事であり、体調は良好です。普段が慎ましい生活であれば何を食べても美味しく、何事にも感動でき感受性が高まると思います。食べ過ぎのグルメより、空腹における粗食の方がより満足度は高い気がします。大衆消費社会におけるあらゆる消費シーンは、優越感と劣等感をあおる不毛なゲームであり、身体感覚は退化しているのかもしれません。サウナにおける調い(トトノイ)も、入り過ぎれば体が順応してしまい調うことがなくなります。最近、人気サウナ施設に行ってもどこも空いているのは、熱狂的なサウナーがこの不都合な真実に気づき、冷静になり始めたからのような気がします。