人との繋がりという豊かさ

雑司ヶ谷鬼子母神堂に行くと、境内には風情を感じる駄菓子屋の「上川口屋」があり、日本最古の店だと後で知りました。養子として10歳の頃から店に立ち始めた13代目の主人は、84歳の今も雨の日以外は無休で店に立つと言います。人情味溢れる昭和の象徴でもある駄菓子屋は近年注目されますが、飴屋として創業したのは1781年(天明元年)で、翌年には日本の近世最大の飢饉が起こります。建物は江戸期からあるものとされ、関東大震災や東京大空襲を生き残り、100種類ほどの駄菓子が並ぶ店頭の桐の箱は100年以上使っているそうです。ジブリ映画「おもひでぽろぽろ」のロケ地としても知られ、海外からも取材される駄菓子屋は、コンビニやスーパーの出現により、将来性のある商売ではありません。売っているものは、便利さや値段の安さを求めた生活が失った、お金では買えない人との繋がりという豊かさなのでしょう。

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