
先週末に行った長崎県の御湯神指しベストパワーランドは、今なお増え続けるサウナ施設とは全く異なる姿をしていました。水温シングルとかサウナハットとか、短期的なトレンドなど、もはやどうでもよいと思わせるのは、おそらく産業化以前の原初の姿をとどめているからだと思います。過去にも影響を受けたサウナ施設はありましたが、根底から思い込みを覆されたのは初めてです。人類史においてサウナが生まれた理由さえ感じます。第三次サウナブームの中心は調いやロウリュですが、不治の病の人がこの場所を訪れるように、刹那的な快楽より生命の根幹に関わります。直径10mの麦飯石のドーム式石室サウナの中央に薪を焚く場所を設け、松の木を豪快に燃やすのは単なる演出ではなく、今になって量子物理学を取り入れた医療が証明をし始めた人類の叡智だと感じます。考案した創業者が2015年に亡くなられたことが残念です。
N-VANを定期点検に持ち込みました。自分で買った車は伊伊英独英米伊製で、日本車の正規ディーラーに足を踏み入れるのは学生の頃以来です。当時の自動車雑誌には、スカイライン対BMWといった記事が多く、国産車は常に欧米、特にドイツ車の後塵を拝する存在でした。そのため左ハンドルなどへの舶来信仰に支配され、信頼性が高く合理的なことを分かっていても、国産車を避けてきました。日本製に乗ることは自分のアイデンティティさえ失うという思考に支配されてきたと思います。1時間半ほど待っていると、点検・整備を終え、作業内容の写真とともに、きれいに清掃された車が戻ってきます。当たり前の風景でしょうが、世界の頂点に達した日本の車を手に入れてみると、それが軽の商用車であってもエキゾチックさを感じ、やっと車と本音で向き合えるような気がします。
長崎県諫早市にある、御湯神指しベストパワーランドに行きました。橘湾を見下ろす小高い丘にあり、細い山道を3、4km走りたどり着きます。直径10mある日本唯一のドーム式石室サウナの中央には、豪快に薪が積まれパチパチとはじける音を聞きながらのサウナはユニークです。入浴の後、麻袋をかぶり炎の近くで10分間を過ごしますが、敷いてあるむしろに火の粉が移り煙が出る過激さで、似たものを探すなら行ったことはありませんが、アメリカ・インディアンの治癒と浄化の儀式であるスウェット・ロッジでしょう。うつ伏せで寝て内臓を暖めますが、腸と肝臓の細胞を活性化することで、炎症が減少することを医師が報告しています。水風呂もありますが、使用は最後の一回のみで、3セットのサウナの合間に、椅子に座って薬草を焚く漢方燻蒸を30分受けます。原初的なサウナの形態を残しながら、サウナの最終形のような気がします。
N-VANで長崎に来ました。往路1,250kmの燃費は18.9km/Lと悪くはありませんが、わずか25Lの燃料タンクのため4回給油をしました。非力なエンジンは坂道が苦手で、横風の影響を受けやすいなど長距離走行が快適とは思えませんが、個人的にはN-VANは究極のグランドツアラーだと思います。グランドツアラーは、長距離の自動車旅行に適した室内空間と快適な装備、乗り心地の良さや圧倒的なパワーなど安楽な移動を実現できるイメージがあります。しかし、遅いトラックが車線をふさぐ日本の道路にあっては、有り余るパワーなどストレスにしかなりません。何より見晴らしの良い運転席が秀逸で、給油とトイレ以外はほとんど座りっぱなしでしたが、長崎に着いた後も全く体に不具合がなく、過去に乗った車で最良と言えます。最大の強みはフルフラットになる空間で、IKEAの600mm幅のマットレスを敷くと、仮眠ではなく家と同様の環境で寝ることができます。
廃虚となったホテルや旅館が目立つ会津若松市の東山温泉と芦ノ牧温泉では、150円課している入湯税を、来年10月から350円に引き上げ、廃業した旅館の撤去費などにあてると発表しました。150円を超える入湯税を課している自治体は、今年4月時点では北海道釧路市、洞爺湖町、大分県別府市など12市町で、東北の自治体では初めてとなります。旅館をしていた頃、入湯税の納付は手書き書類が面倒で止めて欲しいと思っていました。新たな入湯税を10年間続けると税収の増加は約14億円に上るようですが、廃墟対策のはずが廃墟の原因にならないか心配です。インバウンドブームの恩恵を受けない地域や施設では、数百円が命運を分けることもあり、足りなくなれば増税する感覚には危機感を覚えます。会津若松市のふるさと納税額は直近でも2億円と、知名度の割には伸ばす余地があるように感じます。
三菱UFJ銀行の行員が貸金庫から顧客の現金や貴金属十数億円盗んでいた事件に衝撃が走りました。コンプラにうるさい銀行で粗末な事件が起こるのは不可解ですが、おそらく氷山の一角だと思います。動機、機会、正当化という不正のトライアングルの機会に抜け穴があるなら、昔から行われていたと考えるのが妥当でしょう。銀行と顧客の鍵がなければ開けられないという建前にはなっていますが、これまで不正が表面化しなかった理由は、金庫の中身が表に出せない金や利用者の記憶が曖昧だからかもしれません。利用者の高齢化もあり、自己申告の保管記録では中身の特定が難しく、この錬金術に気づいた犯人は今回が最初ではない気がします。大企業のブランドは信用補完機能でしたが、野村証券の元社員による強盗殺人未遂事件といい、信用が崩壊した時代の資産防衛は切実な課題なのでしょう。
近所のバイク屋さんに置かれるRZ250とKZ1300が気になります。どちらもバイクの免許を取った頃の時代を代表するモデルです。RZは自主規制上限となる45psを発揮し、借りて乗ったときは街中で全開にするのをはばかられる加速力でした。Z1300は国内最大排気量で、同じ6気筒ならCBXが好みですが、憧れの一台です。この時代のバイクや車を見ると、手っ取り早く80年代にタイムスリップでき、ひとときの没入感に浸り、当時のエネルギーすら得られる気がします。ユーロ5プラスへの対応など、バイクをめぐる環境規制も厳しさを増しますが、馬力ばかりが肥大化して安楽で面白みを失った車に対して、爆発音がざらつく機械らしい魅力を残すことが、リターンライダーを増やしている理由だと思います。快適装備で人間をだめにしてしまった車に対して、人間の直観を要求し、比類なきスポーツ性や運動性能を求めるならバイク一択でしょう。
減税が焦点となった昨日の名古屋市長選では、市民税減税の継続と拡大を訴えた候補が当選しました。与野党相乗りで県知事の支援を受ける組織票に対して、草の根的な地方政党「減税日本」が圧勝した形です。国民民主党の躍進の原動力は手取りの拡大政策であり、兵庫県知事選の焦点も巨額の県庁舎建て替えにありました。トランプ次期政権でも減税が主要な政策で、政府効率化省(DOGE)を設置して連邦機関の75%を削減し、6兆7,500億ドルの予算から2兆ドルを減らすと言います。名古屋市は唯一減税を実現した自治体ですが、市の職員、市議会、県知事、総務省を敵に回して、民意だけで減税を勝ち取り4期戦ってきた河村前市長の偉業が分かります。兵庫県知事選の陰の主役であるN党の立花孝志氏は、来年1月の南あわじ市長選に出馬し、産業を盛り上げて稼ぐ自治体を訴えます。地方創生は稼ぐためのアイデアと行動力にかかっているのでしょう。
久しぶりに2日ほど食事を抜きました。最近は切実な空腹を覚えないために、おなかがすくまで食べないことにしました。以前は断食の危険性を指摘する意見が聞かれましたが、オートファジーの発見が世間に知られ、ファスティングや16時間断食が生活に溶け込むに従い、否定的な意見は影をひそめたように感じます。なんとなく体調が悪いという不定愁訴の原因の一つは、食べ過ぎにより体に負荷をかけることだと思います。最も安上がりな健康法は、断食をおいて他にはなく、しかも節約になります。わずか一日でも効果を実感でき、味覚が研ぎ澄まされ、何を食べても美味しいと感じ、あらゆる食べ物に感謝の気持ちが芽生え、幸福感が向上します。食べることが好きな人にとって、食事を抜くなど狂気の沙汰でしょうが、食事の回数を増やすほど限界効用が逓減し、普通の食事では満足できなくなる気がします。