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甘く危険な匂い

昨日は車で福島を往復しました。夜の国道4号線を車の窓を開けて走っているときに漂う夏の夜の匂いが好きです。もちろん特定の匂いがするわけではなく、それはゴムの焼ける匂いだったりするのですが、刺激的な甘く危険な匂いです。二十歳前後の頃に、よく深夜のドライブをしていた記憶が蘇ります。宿の設備は相変わらず問題山積なのですが、以前のように悲観することもなくなり、学生時代の音楽を聞いていると、もう一度人生をやり直せそうな気がしてきます。

欲が人を不幸せにする?

今朝の那須湯元温泉は快晴でさわやかな朝です。鹿の湯の高い天井からは朝の光が差し込み、外からは蝉の声が聞こえます。高温の硫黄泉に身を沈めると思わずため息が出ます。食べるものと寝るところがあって、温泉があるなら、それ以上の欲求は、いわゆる快楽のランニングマシンだと思います。人生には必要のない執着ですが、持てばさらに欲しくなり際限なく欲求が増殖していきます。そうした欲が結局は心と体を蝕み、人を不幸せにしていると思います。

ダウンサイジングのパラダイムシフト

先週仮住まいに引越しをして、部屋の面積が小さくなり必然的に、収納や冷蔵庫、洗濯機などの家電も小さくしました。300リットル近くあった冷蔵庫は170リットルにダウンサイジングしましたが、何の不都合もありません。冷蔵庫内の食品の25%が廃棄されるという統計が示すように、大きな冷蔵庫は、広い家と同様に無駄なものを溜め込むだけです。数年前に4,500ccのガソリン車から1,200ccのディーゼルに車を小さくしたときも、当初家族には不評でしたが、何の不自由もありませんでした。経済性が4倍程度に改善されただけでなく、小さい方が運転を楽しめ、狭い路地にも入り込めます。生活を小さくするのも体を絞り込むのも結局は新しいパラダイムを受け入れられるかどうかだと思います。小さい部屋にいると最小限度に突き詰めて生活する心地よさがあります。

写真は近所の教会です。

一人になれる贅沢

今朝は雲取山に登りました。今年の2月に登ったときもトレイルランニングの友人に会いましたが、今日も別の友人と会いました。東京都最高峰最西端にある雲取山は2,017.09mの日本百名山ですが、トレイルランニング関係者にとっては往復3時間半で午前中に東京に戻れる足慣らしの山です。登山口の気温は15度でさわやかながら、森に入ると蝉時雨で初夏の風情です。晴天の週末ということもあり、朝5時前には30台ほどが停まれる鴨沢の駐車場は最後の1台を残すのみでした。登山者が多い山では自然に意識を向けることが難しく幸福度も半減してしまいます。一人になれる山が身近にある福島での生活は贅沢だと思います。

旅するように暮らす

今回引越しをしたのは元の家から直線ならわずか500mほどの距離で生活圏がかぶっている場所ですが、まるで見知らぬ街に来たかのように新鮮です。気分的な問題ですけど、これまで入らなかった店に入ってみたり、小さな発見がたくさんあり、朝夕のラブラドールとの散歩も新鮮な刺激に溢れています。毎年のように引っ越すという人の話を聞きましたが、その気持ちがよく分かります。今の借家は面積が半減していて、断捨離をするのに最適です。シェアリング経済の時代には家を持たずに旅するように暮らすライフスタイルが主流になると思います。移動の自由のないマイホームのために働く自由も奪われていた時代を後世の人はどのように見るのでしょうか。

権力を生む闇の構造

日大問題は毎週通う日本工学院のスポーツカレッジでは身近な問題です。昨日も学生とこの問題を討議しましたが、運動部にありがちな出来事や単なるリスクマネジメントの観点に留まらず、最後は日本社会の闇に焦点をあてる格好のケーススタディになります。日大アメリカンフットボール部選手一同が29日に発表した声明文では監督やコーチの指示について、「それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることもなく信じきっていました」とあります。「閉鎖的状況では人は権威者の指示に従う」ことを証明したアイヒマン・テストを持ち出すまでもなく、人事所管の常務理事である監督は絶対権力者です。表に出ない理事長も含め、その権力を生んだ構造こそが闇を深くしていると思います。

断食は死語

日本工学院八王子で仕事をする昨日と今日は夕食を軽くとる一日一食にしています。これでも24時間断食になり手ごろな方法です。健康維持のための食事というと食べることが注目されますが、同様に重要なのが食べないことです。食べることに執着すると断食は苦行ですが、食べる自由、食べない自由だと思うと日常生活に潤いを与えてくれます。断食で飢餓状態になると体内の不要なたんぱく質を分解して栄養に変え、オートファジーが働き細胞が浄化され、機能の悪くなったミトコンドリアや老廃物を除去します。さらにインスリンが分泌されない時間を作ることでインスリン抵抗性も改善します。また脳の成長ホルモンであるBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促進し、脳幹細胞を活性化して、新しいニューロンを作り出すことで脳の機能を高めることが知られています。より重要なことは体に負荷をかけることでサーチュインなど長寿遺伝子が目覚めることです。断食には副作用もあり、断食後は不要物と一緒に落ちた白筋を鍛える運動で筋肉を取り戻す必要があります。注目するのは1日おきに食事をする間欠的断食(Intermittent Fasting)で、最近の研究ではこの食べ方が寿命を伸ばすというデータがあります。食べる執着から解放され、食べたいときに食べられる清々しい自由があります。そろそろ断食という言葉も死語になると思います。

突然牙を剥く登山道

新潟県の五頭連山で不明の親子と見られる2人の遺体が発見された昨日のニュースには心が痛みます。冷え込む山中でどれほど心細かったことかと思います。ぼくも昨年の今頃、甲子山から須立山に抜ける裏那須の稜線で戻る道を見失った経験があります。通る人はほとんどいないものの地図に書かれた登山ルートです。雪積期の登山道は気づかぬうちにどんどん山の奥へと登山者を招き入れます。ぼくの場合、登山道からはずれたと気がついたときには、すでに回りを背丈ほどの笹に取り囲まれていて出口が分からなくなりました。以来初めてのルートを登るときには非常食を残すようにしています。無雪期なら何の危険もないルートが、雪が残る季節には突然牙を剥く恐ろしさを甲子に来てから理解しました。

最強の椅子?

今朝の新甲子温泉は強い日差しで初夏を思わせます。週末の引越しで苦労したのは施設にいる両親の家を片付けたことです。室内のみならず戸外に物置6つを増設して溜め込んだモノを、限られた時間で処分するには限界があり、中身も見ずに機械的に捨てる作業になります。非生産的なことに時間と労力を奪われることは苦痛ですが、現代の経済は無駄の再生産による非生産性ゆえに回っている側面があります。使わないものを溜め込ませて、捨てるときにもお金を取る経済の魔の手から逃れるには必要なものを見極めるしかありません。

現代の物質偏重社会同様に、食生活においてもお金を払って不要な栄養素を脂肪として体に溜め込み、減らすときはライザップのお世話になります。新居では空間の有効活用と体幹強化のために椅子を処分して、机の下に収納できるバランスボールにしました。安くて楽しくて、しかも体を鍛えられるバランスボールは最強の椅子?です。

夢の断捨離生活

新居に来てみて、あまりのモノの多さに愕然とします。もったいない、いつか使う、捨てたら後悔する、といった固定観念やモノへの執着が心を蝕んでいきます。前回の引越しから25年間も開けられることなくそのままゴミ箱に行ったものも少なくありません。生きていく上で必要なものなど、本当は世の中にないはずなのに、モノへの執着やこだわりが次の執着を増殖させます。断捨離の先生である我が家のラブラドールの持ち物といえば、食器とドッグベッドだけです。

微細な差で商品を売る以外に経済を成長させることができない国では、知らない間に持ち物が増えていきます。断捨離を実行しようとすると、「無理」「できない」「非現実的」などの固定観念に毒された否定語が頭に浮かびます。他方で、メルカリなどモノが売りやすくなったことやシェアリング経済の進展は、夢の断捨離生活に近づく強い味方になります。

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