人は衝動的に食べ、その行動の結果は体型に現れます。食べたものを記録する食べ物日記を付けると、食生活を客観視でき、食事と体調の関係を知る手がかりになります。頻繁に記録する食品は納豆、味噌汁と黒ニンニクです。保温した炊飯器に10日から2週間放置するだけで作れる黒ニンニクは、甘酸っぱく発酵熟成し、匂いもなく、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールやS-アリルシステインなどの機能性成分は生ニンニクの数倍に高まります。食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれ、腸内環境を整えナチュラルキラー細胞を活性化し免疫力が向上します。食事をウォンツと捉えるなら食欲を満たし楽しむことに重点が置かれ、他方でニーズと捉えるなら体調を整えパフォーマンスを発揮することを重視します。前者がドーパミンによる幸せなら、後者はセロトニンによる幸せで、両者の比率を何対何にするかはその人の健康観を示すのでしょう。
歴史好きによる老舗経営
老舗和菓子店船橋屋の元社長が起こした逆切れ恫喝事故の波紋が広がります。家族は元より従業員や無関係な全国の船橋屋にまで被害は及び、誹謗中傷につながる記載を控えるように会社が注意喚起する事態に発展しています。表参道にある船橋屋の店舗を見ました。営業時間前でしたが、目立つデザインや今後の発展が期待できそうな立地にも元社長のやり手ぶりが伺えます。一方でインフルエンサーの元には内外から告発が集まり、社内での暴君ぶりも露呈し始めました。年収が低いと囁かれる従業員を尻目に、数千万円の高級車を乗り回す段階で経営者として疑問です。養子によって217年の暖簾を守ってきた船橋屋ですが、学生の頃から船橋屋の歴史を調べ、今も国会図書館に通い社史を研究しているという新卒入社の女性役員に交代し、歴史好きによる老舗経営が怪我の功名となることを期待したいものです。
なぜ利益が出るのか
久しぶりに外食をしました。何かが食べたかった訳ではなく、一部で話題の550円ランチを体験しました。中華料理激戦地の赤坂見附駅至近にある中華茶房8は24時間営業のチェーン店です。昼の11時過ぎの200席ある店内は閑散としており、回転率で利益を出せる状況ではないようです。ご飯、サラダ、スープ、春雨、エビせんべい、杏仁豆腐、コーヒー、ウーロン茶がブッフェ形式で提供され、お腹は満たされます。チャーハンと麻婆豆腐のセットは1,000円と言われても文句の出ないレベルです。社員の調理人を雇いスピード勝負で売上を上げる餃子の王将型ビジネスとも違い、550円のランチの横で3,980円の名物北京ダックが出るという不思議なビジネスモデルで収益化しているように見えます。高級店は原価積み上げ型ビジネスが許されるためにイノベーションは起きませんが、その値段でなぜ利益が出るのか不思議な低価格の店には革新のヒントがあり興味をひかれます。
働き方改革の本丸
総務省によると、65歳以上の働く高齢者は過去最多の909万人となり、65~69歳の就業者に限れば初めて5割を超えました。主要国の2021年の高齢者就業率は、日本の25.1%が韓国に次いで高く、米国18.0%、カナダ12.9%、英国10.3%、ドイツ7.4%に比べて際立ちます。好むと好まざるとに関わらず、長く働き続ける70歳現役時代の訪れの評価は分かれるところですが、長寿地域として知られるブルーゾーンの特徴の一つは身近に労働があることです。働くことは健康寿命と一定の相関があり、一生働く時代を前提に、義務的・受動的な働き方を、主体的・能動的に変えることが働き方改革の本丸でしょう。それなりにお金と時間を持つ、今の日本人の余生がそれほど幸せに見えないのは、仕事を失うからだと思います。生物が生存のために恒常性を保つように、遊び、仕事、家庭のバランスを生涯保つことが後半生のQOLを高める気がします。
馬とフェラーリとベントレー?
文化2年(1805年)創業 の老舗くず餅製造、船橋屋の社長が信号無視で起こした自動車事故がYahoo!ニュースのアクセスランキング1位になりました。逆切れして暴言を吐き、相手の車のドアを蹴る動画は410万再生され、SNSには「元祖クズ」といったコメントが並びます。くず餅乳酸菌のサプリメントや化粧水を開発し、老舗和菓子屋を健康提案のベンチャー企業に変えた敏腕経営者は「カンブリア宮殿」をはじめ、メディア露出が多く、5人の新卒採用に1万6,000人の学生がエントリーしたことでも知られます。事故の動画が投稿されたのは9月9日ですが、会社が事故を公表したのは27日で、SEO業者を雇い、検索エンジンのキーワード予測機能から事故関連投稿を消す工作をしたことも批判を浴びました。車が4,000万ほどする赤いベントレーコンチネンタルだったことも印象的で、馬とフェラーリは買うな、と経営者の一部で囁かれるジンクスにベントレーも加わるのかもしれません。
ロジカルな先祖返り
1985年7月に開業した観音崎京急ホテルが今月末で37年の歴史を閉じます。2005年に開業した温浴施設SPASSOとともにリニューアルされ、来年初夏には共立メンテナンスの運営により再開業します。ドーミーインやラビスタ、旅館群を展開する共立リゾートは、「高級大衆」という日本人の本音に近いコンセプトで実需を吸収してきたイメージがあります。経済成長期の70年代的な雰囲気を、よりロジカルに実現した先祖返りが半世紀前と違うのは、日本経済の見通しが明るくないことです。文化という名のまやかしで値札を正当化し、引き際が見えなくなった80年代はもう来ません。微細な差に意味を持たせるアフォーダブル・ラグジュアリーが無駄遣いに見えるのは、われわれが本物だと思うものは脳が処理する電気信号に過ぎず、贅沢をするほど余計な執着だけが増え、人間らしさの本質から遠ざかるような気がするからです。
サウナ戦国時代
昨今のサウナブームは、温泉信仰の篤かった日本人の旅行観を変え、宿泊業界の勢力図を塗り替える可能性があると思います。インターネットが個人経営の宿泊施設をメジャーな世界に押し上げたのに匹敵する影響を与えそうな勢いです。他方で、グランピングブームは曲がり角に来ているのかもしれません。所詮テントは不便で冬は寒く、よほど自然環境の素晴らしい場所以外はアメニティレベルを上げ、元の豪華主義に戻るという自己矛盾に陥ります。投資額の少ないサウナは自律神経バランスを整え脳疲労さえ癒す力を持ち、エビデンスを見なくても血行がよくなり肌に潤いと弾力が戻る効果を体感できます。徒手空拳の若者が始めたリビルド・サウナが、全国のサウナランキングの上位に入る現象は、インターネットの黎明期を思い出させます。甲子高原のように冬の気候の厳しい土地でこそ魅力を増す、自然を活かしたサウナから目が離せません。
制約のない自由こそ幸せの源泉
福島から新潟、富山、岐阜、長野を1,300kmほどフィアットで走りました。運転は運を転がすと書きますが、場所を変えると気分転換になり、自己肯定感やモチベーションを高め、探求心さえ満たし、あらゆる幸福ホルモンが分泌すると思います。無機質な高速を使わず、景色の変化を楽しみながら流れの早い国道を走った全体の燃費はリッター22km以上とフィアットのディーゼルは本領を発揮します。高速はお金と引き換えに時間を手に入れますが、他方で見落とすものもあります。オートマチックのフェラーリより、ギアが吸い込まれるように入る快感を伴うマニュアルのフィアットの方が運転して楽しいと思いますが、この意見が支持されない理由は車両価格という数字で幸福を量ろうとする風潮があるからでしょう。ウッドチップや薪を積み、荒れた山道でも気兼ねなしに走れるフィアットの制約と執着のない自由こそ幸せの源泉だと感じます。
最後の一口まで美味しい
一日の終わりに三行日記を書き始めました。ポジティブな気持ちになったその日の事柄3つを書くだけですが、自分にとって何が楽しいかが分かり、その時間を増やせば生活満足度を高めることができます。山に行く時が最も幸せですが、それ以外では、明け方風呂に入る時、その日の天候(晴れても雨でも)を感じた時、食事が美味しかった時です。昨日はラブラドールとの散歩の途中に、今年豊作の山栗を拾い栗おこわにしました。食事で幸せになるのは一般的には外食ですが、自分で採取した食材を食べるときに感じる幸せは自然への感謝であり、セロトニンやオキシトシンのような静的な幸せです。ドーパミン的幸せは最初の一口をピークに美味しさが色あせて行くのに対し、感謝を伴う食事は最後の一口まで美味しく食べられると感じます。
見えない8割の何か
週末にかけて新潟、富山、岐阜で勝ち組と目される観光施設を回りました。どこも思ったほどの客の入りはなく、閉鎖されている所もあり、勝ち組のない時代に入った印象です。現地で感じる風情や施設のヴォリューム感を含めた空気が真実を語り、世間に流れる情報は盛られ事実とは異なる印象です。YouTubeやグーグルマップで確認して行った気になりますが、8割の真実は現場に立って初めて感じ取る見えない何かに支配されていると思います。福島と富山で泊まりましたが、枕が変わると十分な休養が取れません。旅の宿は所詮我が家に近づくのがせいぜいで、超えることなどできませんが人は嬉々として大金を払います。アウェイであることは外食も同じで、消化が悪く、十分に味わうこともできません。宿も食事も自宅が一番と言う意見は少数派ですが、産業を守る為に形成された世論が変わり始めているようにも思えます。