最強の動機づけ

台風に見舞われた週末は9月末で41期が終わった会社の決算作業をしました。旅館が営業を休止している今は個人事業に過ぎませんが、飽和する市場環境ではパーソナルビジネスは大企業より有利な側面もあります。スティーブ・ジョブズはアイデアを殺すプロセスを敵と考え、大企業ならではの複雑なプロセスが作品から生命を奪っていくことを恐れていたと言います。個人事業の最大の魅力は自分の興味の赴くままに「自分プロジェクト」を自由に描き始められることだと思います。働くことを主体化できる自発的な目標こそがやる気の源泉です。巨大化した大企業でも国策企業以外はすべて自分プロジェクトから始まっているはずです。理屈が通らないルールに縛られる企業で働くより、自分の得意なことでビジネスを始めたほうが有利と考える人は増えている気がします。数年前から自分が接する学生の2、3割は起業を目指していて、大企業にタレントが入って来ない時代に入ったのかもしれません。人生の価値がフローになれる時間の総量で決まるなら、自分だけの面白そうという動機づけこそ最強だと思います。

封印された身体能力

自然は神が語りかける最も強力な道具と言われますが、都会の暮らしで自然に意識が向くのは災害のときだけかもしれません。台風、地震、火山と壊滅的な被害をもたらす自然災害が起こる日本では古来より自然を恐れ一種神聖なものと考えてきたと思います。人は自然に従い生きるものであって都市と言えどもその例外ではないのでしょう。自然を征服対象と捉えハリケーンや台風、地震・津波などの気象兵器を実用化しているとされる米国ですが、その反面で人が本来持つ身体能力を取り戻す再野生化(Rewilding)が注目されます。人類の歴史を250万年としてもわれわれはその99.99%を自然と同調する生活をしてきました。自然を断絶することで成立する都市が提供する快適性は生活環境や単一感覚器が感じる生理現象に限定されます。本来の快適さとは人々が週末に自然の元でのレジャーを目指すように、遺伝的に備わった直感により感じるものだと思います。人は自然と同調する生理的機能を持ちながら都市化された人工環境下に生きているために多くの身体能力を封印しているはずです。

不健康を蔓延させる社会

ヤフーは「揚げ物税」と称して社員食堂で提供する唐揚げやトンカツなどの揚げ物を100円値上げし、一方煮魚や焼き魚定食は150円値下げすると伝えられます。悪玉コレステロールの問題については様々な見解がありますが、分かりやすい健康経営施策として評価できます。将来病に伏せることを人は恐れますが、加齢による免疫や代謝、生体恒常性の衰えは一般に考えられているほど深刻ではなく、身体は殊の外丈夫にできていると思います。食べ物を選び適切に鍛え日々休息を取ればいくつになっても日常生活や習慣的なスポーツを楽しむ上では支障がないはずです。年のせいにしていることの多くは間違った習慣が招いた人災です。最近でこそ嗜好品や清涼飲料の害が知られるようになりましたが、社会への浸透には時間がかかります。昼食時に飲食店街を歩いても、スーパーに行っても身体を蝕む食品や飲料が溢れています。生活習慣病の危険性に警鐘が鳴らされ始めたのは1950年代初頭の朝鮮戦争の頃ですがソーダ税の導入などは最近の話です。自殺行為とも言える食習慣を放置し不健康を蔓延させる社会は不気味です。

不健康のスパイラル

天の邪鬼ではないのですが、感じていることと真実の世界は実は違うのではないか?と空想します。この思考習慣があると自分が現実世界と認識する知覚や常識が歪んでいて、真実はそことは別の所にあることに気づきます。糖質制限で体重を20kg落としたことを契機に、味覚が大きく変わりました。グルコーススパイクが起きにくくなったことによる影響だと思うのですが、それまで感じていた味覚のかなりの部分は糖を欲する脳の報酬回路により増幅されていたことが分かります。以来食欲を無条件に受け入れることがなくなり、無性に何かを食べたいという衝動が起きなくなりました。エネルギーの最大消費臓器である脳は簡単に依存や中毒症状を起こし、人が感じる食欲のかなりの部分を支配します。何が美味しいといった世間に溢れるグルメ情報さえ今はノイズに思えます。お腹が空いたというのは錯覚で、人は食べるほどに食べたくなり、持つほどに欲しくなります。自制の効かない感覚の麻痺が人を不健康のスパイラルに陥れると思います。

男の料理の利点?

日頃の調理は妻に依存していますが、昨日のように時々料理をします。リタイアが近づき料理に目覚める男性は少なくありませんが、全く料理をしなかった自分は旅館を買って初めて調理を始めました。時間を見つけては白河の図書館で料理本を読み漁りました。ポイントは大量調理できること、入手が容易な野菜を使って原価が落とせること、冬場氷点下になる厨房にいられる時間を考え短時間で調理できること、食中毒の発生リスクがないことです。飲食店で働いた経験はおろか料理経験さえない自分の強みは仕事にしていた業務改善です。仕込みから盛り付けまでの調理プロセスを秒単位の最短で結ぶ厨房配置と調理したまま料理提供できる4台のマルチクッカー、90人分が調理できるパエリア鍋に落ち着きました。昔からプロの料理人に女性が少ないことが不思議でしたが、何十人分の料理に計量カップは使いませんので、男性の強みは目分量ができることだと思います。料理をする人には当たり前でしょうが、調理時間を短縮する上で有効なのが複数の料理を最後だけ分岐させる方法です。昨日作ったサバカレーと豚汁は途中までの調理プロセスが同じなので一度の調理時間で二品を作れます。旅館を買っていなければ今でも皿洗い専門だったはずです。

高偏差値時代の終わり

元祖予備校講師タレントの「金ピカ先生」こと佐藤忠志氏が先月末68歳で亡くなったと報道されました。予備校文化全盛の1980年代には絶大な人気を得て年間2億円以上を稼ぎ8億円の豪邸を建てた時代の寵児の最期は、生活保護を受け電気もガスも止められた部屋での孤独死です。生活に困窮してからも甲斐甲斐しく世話をしていた妻さえ去り、生きる屍となった死ぬ1ヶ月前に取材をした週間現代に対し、「早く死ねたらいいのに」と絶望のなかで語ったといいます。放蕩の限りを尽くした末の自業自得と切り捨てることができないのは、知的レベルが高いはずの人でも自分を良く見せたい衝動には勝てず簡単な収支計算ができなくなる不幸です。年収が多くても蓄えのない人などいくらでもいますし、高額宝くじに当たった人は破産するケースが多いとされます。プライドと見栄はいつも成功者に復讐をします。人生の敗者と見られることを恐れ、身の程知らずの消費という外部の世界に人は逃げ込みます。今あるものに感謝をせず、快楽と世間体に翻弄される人生が行き着く先は破滅です。高偏差値の大学に合格すれば、明るい未来が約束されると信じていた時代の終わりを象徴するかのようです。

経済成長はGHQのおかげ?

現場の対応は大変だったのでしょうけれども、消費増税から静かに一週間が過ぎました。10%がまやかしに過ぎないことは公然の秘密です。2018年に121兆円だった社会保障費は自分が後期高齢者になる2040年には190兆円へと57%増加します。今享受できるベネフィットがそのままということはありえず、負担が増加するのは明白です。戦後の日本は自由と民主主義を守りながら格差の少ない社会を築いてきました。「世界で最も成功した共産主義国」と揶揄されるいわゆる日本型社会主義は利権構造や会社主義を生んだ側面もありますが、いくつかの幸運にも助けられ世界に誇れる国を作り上げました。第二の敗戦とも言える失われた30年から反転するための、第二の日本型モデルが必要だと思います。企業ではビジネスモデルや経営戦略、中期経営計画が当たり前なのに、国レベルのまともな戦略を見たことがありません。以前ニュージーランドの保健省で話を聞いたとき、その理論整然とした国家戦略に感銘を受けたことがあります。戦後日本の経済成長をもたらした国家デザインはGHQという絶対的権力者がいたからできた偶然だったのでしょうか。

迷信になったカーボローディング

週末は八ヶ岳の編笠山、西岳に登りました。海辺でぼんやり過ご時間も魅力的ですが、マリンスポーツをしない自分は受動的になり、良好な刺激を受けられるのは山にいるときです。3時間半ほどで周回できるこのルートは高度を上げるに従い森の植生が変わり、山頂直下は多量の岩塊が現れる変化に富み、登りながら様々なアイデアが湧きます。西岳からの下りは走る瞑想に適したトレイルで、坐禅のように警策で肩や背中を打たれなくても集中力を欠けば石に躓いたり、木の根に滑ったり、足を挫きますので、純粋に楽しめる上に集中力を養えます。糖質制限をしていれば糖新生と脂肪酸ケトン体システムを使ってエネルギーが作られますので、補給は途中の清水だけです。脂肪をエネルギーに変えやすい体になれば、持久力が向上しより速く長く動き続けられ、自身の人体実験の結論は糖質を摂らなければ低血糖によるハンガーノックにもなりません。長距離のランニングで胃腸を壊す人は多いのですが、その主犯も糖質だと思います。走ることで交感神経が優位になり胃腸の消化吸収機能が極端に低下し、消化が悪い炭水化物が残ることで胃酸が過剰分泌されるのがそのメカニズムです。米文化の日本で糖質制限には抵抗があり、欧米では迷信になったカーボローディングが未だに信じられています。

フィクションなのか現実なのか

昨日は夕刊紙の見出しのような「関西電力 反原発町長暗殺指令」を読みました。一連の問題の震源地である原発銀座高浜町の今井町長(当時)の原発警備犬による暗殺を関電若狭支社の副支社長(同)が警備の委託先に命じたとする疑惑を扱った本です。犬を凶器にする荒唐無稽な発想は、有象無象が原発マネーに群がる現実が露呈した今は真実味を増します。話題の森山助役も同和利権の実力者、原発利権の中心人物として描かれ、関係者の多くが実名で書かれます。関電に忠義を尽くせば豊かな生活や金を得ることができる原発の町には言いしれぬ寒々しさを覚えます。反社会勢力を使い裏の仕事を仕切る幹部は、かつては多くの大企業にいたのでしょうが、原発という聖域には今も闇社会が広がっているのかもしれません。表の顔を持ったエスタブリッシュメントが実は裏社会を仕切るという陰謀説は世界中で注目が集まるようになりましたが、本を読み進めるとこれはフィクションなのか現実世界の話なのかさえ曖昧になります。

多様でありながらシンプル

昨日は逗子、鎌倉に行きました。山に行く機会が多く海に行くのは年に二、三度ぐらいですが、砂浜でアーシングをしながらただ打ち寄せる波と雲を眺めているだけで心が落ち着きます。由比ガ浜付近はすっかり欧米人の生息地帯になり、ラブラドールを連れているためか外国人観光客2組に道を尋ねられ浜辺でも声をかけられます。波が高い昨日は、海辺に佇むだけで自然の息吹を感じられます。自然の懐に入るだけでも気分は良くなりますが、運動を媒介に自然と関わるとより高い満足をもたらします。マリンスポーツをする東京で働く人にとって、湘南暮らしはひとつの理想形でしょう。自然が近くにあると夜明け前や夕日の美しさなど、都会には乏しい時間や季節の移り変わりを感じることができます。自然に近い暮らしほどコルチゾールやα-アミラーゼ酵素の分泌量低下などストレスレベルが下がり、精神的に安定することを多くのデータが示しています。見落とされていることは、自然と触れ合っていると感じるだけでも効果があることです。オフィスを出て屋外で仕事をするだけでもメンタルヘルスの改善につながります。都会で感じる美しさはどこか異物感を覚えますが、自然には多様でありながら調和が取れているシンプルな美しさがあります。

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