2年の仮住まいの間使っていたバランスボールを新居でも使っています。座る生活が身体にもたらす害はもはや常識になりつつあります。安楽な生活を本能的に求める人間にとって椅子のない生活には高いハードルがありますが、慣れの問題だと思います。家にある唯一の椅子はピアノ用のものだけですが来客時以外に不便は感じません。海外のコワーキングスペースなどで見かけるようにキッチンのカウンターにパソコンを置いて立って仕事をする時間も長くなりましたが、むしろ集中できます。バランスボールは移動が簡単で空気を抜けば小さくなりますし、体幹トレーニングやバランス感覚を養うのにも使えいつも身体を動かすことに意識を向けることができます。仕事場での会議を歩きながら行うだけで、エクササイズ効果があることをメイヨー・クリニックの研究者が発表していますし、昨今歩く会議の生産的な効果が注目されます。バランスボールの効果はトレイルランニングの下りで体感でき、着地による腰のブレが最小になり最短距離で早く下っていけます。人間は動物なのに動かない植物のような生活をすることが不健康の理由のひとつでしょう。
お知らせ
終身雇用の時代の始まり
喉元過ぎれば熱さを忘れるのも日本人の悪い癖ですが、中国の一部ではコロナにリベンジする報復性消費の爆買が復活していると伝えられます。世界を敵にまわしGDPの7年分の巨額賠償を請求されていたら日本人なら反動消費に走る気など起こらないでしょう。緊急事態宣言の全面解禁で経済再開の道筋が見え始めた日本経済ですが、大恐慌前の不気味な静けさにも見えます。以前は複業がもてはやされましたが、今の流行は異業種間のワークシェアリングで雇用を守る民間の動きでしょう。組織の境界が曖昧なスタートアップ企業の間では従業員シェアはそれほど珍しいものではありませんが、本籍を残したまま休業を強いられる外食や宿泊産業から流通への人の移動が盛んです。多くの旧弊がポストコロナで変わると予想されますが、一つの会社の中だけで一生働く経済団体的な価値観は急速に縮小し文字通りの終身雇用の時代が始まるのかもしれません。
防げる死の回避
日本人固有の心配性故かヒステリックな自粛警察やマスク警察が話題になりました。未知のウィルスとは言えWHOも重視しないマスクに目くじらを立てスーパーの入り口に「必ずマスク」などと大書するところは周りの雰囲気に流されやすいからでしょう。政治家は国民が「緩む」と上から目線の発言をしますが、この一大事に風俗店に行ったり、賭け麻雀をしている人種に言われたくありません。世界が奇妙な成功と不思議がる日本の死亡者の少なさは、東アジアの風土病であるサーズやマーズなど同種のウィルスに日本人が感染済みとの免疫反応示しているからとされます。2月以降例年のインフルエンザが大幅に減りむしろ公衆衛生レベルでは健康になっているとの指摘もあります。東アジアの風土病を断続的に発症した日本人が免疫を獲得しているとの説が正しいのであれば、重要なことは未知のウィルスを無用に恐れることではなく、普段から健康常識を守り防げる死を回避することだと思います。
二極化する授業
遅まきながら昨日は日本工学院の最初の遠隔授業がありました。通学のないリモート授業のエネルギー消費は10分の1ぐらいで済みますし、拘束時間は半分以下になり、何より自宅でくつろいでできる授業は快適です。教室なら1割程度の学生しか発言しませんがチャットを使うと発言のハードルが下がりコメントが増え居眠りもないようです。よく使っていた黒板もなぜか無くても困りません。学校の本質的な価値は人と人の触れ合いにより生み出されますが、コラボレーションのような場の共振や人の温もりを現代の教育現場に求めるのは無理があると思います。録画で記録が残り、学生と同年代の娘から学生目線のフィードバックも受けられます。学校以外に多様な教育手段が増えた今、教員を介して対人で行う授業は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが風光明媚な木立の多い場所にある学校で散歩道を歩きながら少人数の講義や議論を行ったようにきわめて贅沢なものになっていくと思います。形骸化した授業の大半はワールドワイドの非接触空間に置き換わっていくのでしょう。在宅授業のもたらす問題点はこれから明らかになるはずですが、通学にエネルギーを奪われることなく授業のクオリティも向上すると思います。
主体的に働く時代
誰もが知る企業の経営破綻が報じられIMFが世界恐慌の再来を警告しますが、一方で戦後最大の国難にメリットを見出すこともできると思います。中共政権の脅威が世界に知れ渡り、南京大虐殺など長年日本を苦しめたフェイクニュースも色褪せ中国が今も続ける侵略政策が問題になるでしょう。普段から些細な問題で安倍政権の揚げ足を取るマスコミは、「奇妙な成功」と世界が報じる日本のウィルス封じ込めには言及しない不公正さも鮮明になりました。世界で最も成功した台湾を排除するWHOの異常さも今や世界の知るところです。普段の生活でも通勤などのルーチン移動がなくなり自由時間が生み出され、ステイホームの結果見せびらかし消費が消滅し関心がより健全な生活に向かう傾向も見られます。You Tube放送局などに注目が集まり、過剰クオリティの地上波テレビなどの旧弊を破壊して産業界は大きな転換点を迎えるでしょう。最も大きな社会的な変化は非接触社会の到来で、DXが加速される一方で大量に人を動員するビジネスには大きな転換点が訪れます。誰もが答えを知らないなかで社会経済活動が再開される今、重要なのは主体的に働くという姿勢なのでしょう。
遅過ぎた思考スピードの経営
何世紀にもわたり都市化は世界中の一貫したトレンドでした。距離により生じるコストを減らすために人口密度は上がり、一極集中の都心で働き、買い、遊ぶ生活は実用的であり経済的で、あらゆる欲求を満たして来ました。ペストの流行やスペイン風邪のあとも都市化の流れは変わりませんでしたが、今回のコロナ渦はその例外になるかもしれません。この数十年のICTの進化によって距離のコストは減少し、リモートで働き、ネットで買い、ネットで学び医療を受け、ネットで楽しむ時代になれば、大都市とその近郊に住むデメリットは容認しがたくなります。ICTが距離の壁を克服したことにより対人接触を避けられない都市の魅力は色あせていきます。ビル・ゲイツが書いた「思考スピードの経営」を読んだのはもう20年以上昔です。無駄なハンドリングコストが社会から無くなりバラ色の未来がすぐにでもやって来るような錯覚を当時は覚えましたが、四半世紀以上が過ぎた今、世界はやっと時代遅れのコンセプトに向かって動こうとしているのでしょう。
人類史におけるバブル経済
狭小の仮住まい用に買った170Lの冷蔵庫を新居でもそのまま使っています。世間的には一人住まいのための大きさですが足りないと思うか十分だと思うかは工夫次第だと思います。冷蔵庫が小さければ収納物を把握でき、2割以上が廃棄されるという食品ロスを防ぐことができます。以前使っていた倍の大きさの冷蔵庫の中からはおそらく10年以上前からそこにあるであろう大きなタッパーに入った梅干しなどが出て来ました。何より過剰に買うことがなくなり食べすぎを防ぎます。農業が発明され富の備蓄ができるようになって以来、世界は過剰を求めるようになり、大量消費社会を生みました。過剰こそが今日の経済を支えていますが、過剰には2つのタイプがあります。必要を超えた過剰と必要のない過剰でこの両者は相互に作用します。典型的なのは過食で必要を超えて食べ、無用な病気を自ら作り出し食品、飲食、医療、製薬と幅広い業界に貢献します。農業文明以来の1万年の歴史と産業革命以降の産業化の歴史は人類史におけるバブル経済なのかもしれません。
疫病が促す世代交代
世界は進歩と反動というサイクルで営まれ、世間では70年周期説から1,600年周期説まで、経済や社会、文明が一定のサイクルで動くと信じられています。日本を覆うこの四半世紀の閉塞感は反動期であり、利権拡大など自分ファーストになり過ぎた社会が行き着くところまで行ったのだと思います。戦後の日本が焦土の中から世界を代表する経営者を生んだように、ドラスティックな世代交代が必要な時期だと思います。会社の大人たちが今更リモートワークなどと騒いでいるのを横目に若者は以前からICTをごく普通に活かしていると思います。娘を見ていると様々なアプリやWEB上のコンテンツ、ディスタンスラーニングに加えグループラインを使って友達と教え合ったり、競い合ったりしながら勉強をしています。学生時代いかに勉強しなかったかを自慢するおじさん世代とは違い、今は学校以外での学習機会が充実しています。明治維新も敗戦も大胆な世代交代を促しましたが、今の日本を支配するのは高度経済成長期にリスクもとらずに出世した人たちです。役割を終えた生物には速やかな世代交代を促すプログラムが組み込まれていますが、今回の疫病と経済の低迷がその役割を果たすのかもしれません。
希少こそが豊かさ
2週間前に転居した家は玄関と駐車場が1階で、大半の居室が地下にあります。ドライアエリアから外を望むだけの地下住戸に良いイメージはありませんでしたが、住んでみるとメリットも多く、暗さは気になりません。メリットは涼しいことで、室内にいても1階から地下に降りるだけで温度変化を感じます。冬は暖かいとされ湿気も問題になりません。道路や近隣住戸からの視線が完全に遮断されますので、隔絶された落ち着きがありカーテンやブラインドの類いも不要です。地下というと格差社会韓国の現実を描いた映画「パラサイト 半地下の家族」を思い出します。1968年の北朝鮮ゲリラ部隊による青瓦台襲撃以降、有事に備えて住宅に地下層の設置を義務化したとされます。住宅不足が深刻化すると、半地下の住宅使用と賃貸が許され貧困層が住むようになったといいます。世界的にも地下に良いイメージはありませんが、住宅としてむしろ積極的に活用すべきだと思います。デメリットは日中の暗さですが、人間は相対的な生き物で希少になるほどありがたみや豊かさを感じます。住めば都で置かれた状況をどのように解釈するか次第だと思います。
ニュートロンジャックの再来
ドワンゴが全社員1,000人をコロナ後も原則在宅勤務にすると報道されます。勤務に支障がなく生産性が上がり、人的ストレスと通勤ストレスから開放され、業務と成果が明確になり、オフィスの固定費まで下がるならやらない理由はありません。打ち合わせや営業のための一定のスペースは残すにしても首都圏一極集中の一角が崩れれば職住一体化の流れは後戻りしないと思います。自明の結論でありながらなかなか進まなかったことが疫病により倍速で動き始め、働き方改革が思わぬ方向から進むかもしれません。やらなくても良かった仕事が可視化されてしまえば社内失業者が顕在化し、大恐慌が襲えば企業はなりふり構わぬリストラをする必要が生じます。付加価値のない仕事に従事する社員を大量に雇用しながら企業が利益を出せるからくりが常々疑問でしたが、これらが巨大なシステムに置き換わる可能性があります。雇用を守らないジャック・ウェルチが、建物を壊さず人間のみを殺す中性子爆弾になぞらえ「ニュートロンジャック」と呼ばれた時代が再来するのかもしれません。