年初の羽田空港でのJAL機の事故でペット2匹が取り残されたことが影響したのか、昨日からスターフライヤーでは、国内線全路線で小型の犬や猫を客室に持ち込めるようになりました。片道5万円という値段はかなり微妙で、手荷物扱いのペットは緊急時の持ち出しが禁止されるなどの制約もあります。ロンドンに行ったとき驚いたのは、公園を散歩している犬がみなノーリードなことです。そして遠く離れても遠隔コマンドで飼い主の左に寄り添うヒールポジションを取ります。犬との関係が成熟しているヨーロッパでは、犬と公共交通機関に乗ることもできますし、料金も無料か少額だったと思います。日本ではそこまで成熟した関係がないためか、犬の糞や尿に関するトラブルも絶えません。全て欧米が良いとは思いませんが、ロンドンで見かけた犬との生活がとても幸せそうだったことは確かです。
人が殺到しないことが不思議
週末は山梨百名山の篠井山(1,394.4m)、大栃山(1,415m)に登りました。登山口から往復2時間ほどと、しっかり体を動かしたい人には物足りないのですが、どちらも富士山の美しい山頂です。今の季節は空気が澄みわたり、天気が良く、落葉樹の葉の落ちた森は明るく、人も少なく、雪のついたトレイルは歩きやすく、寒さがミトコンドリアを活性化してくれる最高の季節です。森林浴を兼ねた有酸素運動は身体にやさしく、登りと下りは異なる筋肉を鍛えられ、バランス感覚も養えます。朝一番なら、鹿や小動物に会えることも大きな魅力です。運動をすれば無駄のない筋肉質の身体になり、新陳代謝が改善され体重は増えにくく、精神衛生面での健康も期待できます。ランニングは苦手ですが、重力を借りた下山時のランニングは楽しく、時折ゾーンに入り自己肯定感まで得られ、しかもお金がかからないレジャーに人が殺到しないことが不思議な気がします。
海外に行かずとも
昨日は静岡県に住む古くからの友人宅に伺いました。住宅街にあるにも関わらず、のどかな田圃が正面に広がり、プライベートシェフをしている友人の作るメキシコ料理を食べていると場所の感覚が消えていきます。昨今人気のオフグリッドキャビンのような隔絶された自然環境に存在するプライベートヴィラの場合、それらしいスタッフがいればメキシコに行かなくてもメキシコそのままの世界観にトリップすることができそうです。柑橘類や葉物野菜、ハーブは自家農園で収穫する贅沢な自給自足と相まって、何とも豊かな時間が過ぎていきます。都市そのものを目的に行く観光は別として、ホテルツーリズムのように宿泊施設が旅の目的の場合、海外に行かずとも国内に同様の施設を作れば、移動時間を解消でき、時差ぼけや機内での感染症リスク、海外での治安リスクがなくなり一定の需要が見込める気がします。
永遠の旅行者
世界227カ国・地域のうち日本の旅券は194カ国・地域にビザなしで入国できる「世界最強」に復帰したと報道されます。国を転々としながらどの国の居住者にもならず、合法的に納税義務から解放される永遠の旅行者PT(Perpetual Traveler)というライフスタイルに昔は憧れました。そのためにリスキーな投資にも手を出し、いい思いもひどい目にも会いました。今振り返ると、学びの機会にこそなれども、欲に執着した未熟な行動だったと思います。輝きを放つように見えたのは、刷り込まれたステレオタイプの誘惑であり、それは自分の本音の喜びではなかったと思います。欲を満たすという進化とともに組み込まれた本能を利用して、お金で買える誘惑は脳のプログラムを書き換え、その行き着く先は自滅です。他方で、すべての誘惑を排除する禁欲生活も執着の一種であり、適度な禁欲生活における少量の快楽というバランスが、幸せな生き方のような気がします。
再びウィンタースポーツ全盛?
明日から日の出時刻が早くなります。先月中旬から遅くなり始めた日没時刻とともに、早くも夏に向かう不思議な感覚ですが、少なかった雪はこれから本格的に降り始めます。寒い冬が昔は好きではありませんでしたが、雪に閉ざされる山は、荘厳な美しさを見せる魅惑の季節を迎えます。世界では冬季オリンピックを開催できる北半球の地域が年々減少するなか、日本の豪雪地帯や雪国の希少価値はむしろ高まると思います。オーストラリアからホームステイをしていた留学生も、福島の旅館に来たときに初めて雪を見たと言っていました。日本に近い中国や東南アジアでは、日本で斜陽化するウィンタースポーツは、むしろプレミアムなレジャーとして注目されます。昔は夜行バスでシーズン中に何度もスキーに行ったものですが、再びウィンタースポーツ全盛時代がやってくるのかもしれません。
美味しく食べるという可能性
この季節に常備する野菜は大根とサツマイモです。ブランド化が進むサツマイモですが不揃いのものは安く、どちらも物価の優等生です。大根はおでんの具材になり、サツマイモは焼き芋にしますが、身近な絶品で調理の手間もかかりません。美味しいものが簡単に手に入るため、外食に行きたいというモチベーションは上がりません。コロナ禍による外食産業の苦境が伝えられますが、ステイホームにより自炊をする人が増えると、美味しいモノを食べたいという普遍的な欲求は、美味しく食べるという可能性を見過ごしていただけと気づくかもしれません。自炊はお金と時間の節約になり、料理を楽しめ、好みの味付けにでき、食材等に起因する健康リスクを下げ、落ち着いた環境で食事ができる利点があります。節約の文脈で語られる自炊ですが、最大のメリットは必要な栄養素を意識して摂れることでしょう。
お年寄りは強い
日本を襲った悲惨な災害や事故の中にも、明るい話題がありました。石川県珠洲市で6日夜に倒壊家屋の下敷きになっていた2人が救助され、40代の女性は残念ながら心肺停止状態でしたが、90代の女性は救助時に手が温かく、脈があり、会話ができたと言います。生存率が下がる72時間をはるかに超え、最も寒い季節のなか124時間が経過していたことは驚異です。われわれはお年寄りを弱い存在だと考えますが、むしろ更年期以降は生き延びる力が強化されるのかもしれません。更年期は加齢に伴い体が変化する自然なプロセスですが、一般にはホルモン分泌の低下や代謝への悪影響など負の側面で語られます。しかし、もう一つの変化はエネルギー産生プロセスが解糖系からミトコンドリア系に変わることで、より効率的にエネルギーを生み出すことができるようになります。この特性を活かすか殺すかによって、第二の人生のQOLは大きく変わると思います。
無神経なぐらいに鷹揚
昨日は妻の実家に行き夏ミカンなどの柑橘類をもらいました。腰を痛めたばかりなので、高所にある夏ミカンを取ることをあきらめると、91歳の父は平気で高い脚立に上がります。無謀とも言える挑戦的な性格も、この年齢で一人普通に暮らせる元気の秘訣かもしれません。健康オタクが忌み嫌う食パンを朝から食べ、賞味期限にも無頓着です。タバコも長年吸っていましたし、起きる時間は昼前です。人類史上最長寿とされるジャンヌ・カルマンの生活も決して健康的なものではありませんでした。日本の百寿者にショートスリーパーが多いなど、本当の健康長寿の秘訣はわれわれが有難がる科学的な常識ではないのかもしれません。むしろ健康長寿の秘訣を探ろうとするほど、本質から遠ざかるような気さえします。本当の健康とは無暗に追いかけるものではなく、「○〇せねばならぬ」的な執着をせず、無神経なぐらいに鷹揚でいることなのでしょう。
健康的不眠症
中途覚醒、早期覚醒は立派な不眠症ですが、それでも自分を不眠症だと思わないのは、あえて寝ようとしないからです。一方で同じ時間に床に入りますが、毎晩2分以内には寝落ちしますので入眠障害とは無縁です。世間で言われる不眠症の多くは睡眠に対する囚われ、すなわち自分は眠れないという思い込みが原因でしょう。ショートスリーパーと不眠症の違いは、眠らないことをどう捉えるかの差しかありません。不眠の原因はストレスや睡眠環境、カフェイン、病気などがありますが、病気以外は比較的簡単に取り除くことができ、それでも眠れないのであれば、頭をフルに使い、クタクタになるまで身体を動かすことが有効かもしれません。世間では7時間以上眠らなくてならぬ的な強迫観念が横行しますが、赤ちゃんと高齢者では眠る時間が違うのは当然で、流布される健康常識よりも自分の身体の声を聞くべきだと思います。
仕事の内発的な可能性
年初の相次ぐ災害と事故により自粛ムードが広がっているようです。SNSのキラーコンテンツである旅行や食事などの投稿もあまり見かけない気がします。消費マインドの冷え込みは経済にマイナスですが、年初に普段の生活の有難さを見直し、死を意識することは良いことかもしれません。人生に必要なものは、お金と時間と生きがいだと思います。大半の経験はお金と時間で手に入れることができますが、問題はそれが所詮他人軸の娯楽であり、思ったほどには楽しくないことです。過ぎてしまえば刹那的な消費の虚しさを正当化し、納得させている自分に気づきます。お金で買う楽しみは否定すべきものでもありませんし、魅力も感じますが、内発的なものではありません。消費であれ、仕事であれ、それが生きがいとつながることなしには充足感は得られない気がします。生涯働くべきだと思うのはそこに内発的な可能性を感じるからです。