昨日は中学校の同窓会に行きました。数十年ぶりの再会でも、握手を交わし背中を叩き合うと、長い月日が一瞬で解凍され、昨日の延長のように会話が弾むことが同窓会の醍醐味でしょう。連絡をしてほしくない人もいるでしょうから出席者は偏ったグループですが、それでも様々な生きざまを垣間見ることができます。この年代ともなると、お腹に脂肪を蓄え、どこかやつれた感じになるのは致し方ありませんが、見た目が昔と変わらない人は現役のペースで仕事をしている印象があります。人はなるべく働く必要性から逃れようとしますが、働くこと自体が生命力を生み出す効用を、FIREを目指す人々は見落としていると思います。貨幣の歴史とともに人の仕事は専門職を極める流れが生まれました。本来は誰かのために価値を生み出し対価をもらうはずの専門職が、いつしか高度な分業に変わり、われわれは仕事に意義を見出せなくなったのかもしれません。
旅は一部の人のもの?
ヒマラヤから戻った妻は咳が止まらず、高山による酸素不足、冷気による気道や気管支へのダメージが原因のようです。体力消耗を伴う高所トレッキングは健康リスクを伴う旅で、同行者2名のうち一人はヘリコプターでカトマンズの病院に運ばれています。エクストリーム系の旅は達成感とともに、日常生活では味わえない経験ができますが、体調を崩す可能性の高い海外旅行に加え、身体を長時間酷使すればそのリスクは飛躍的に高まります。ポストコロナの旅行市場でマイクロツーリズムが注目されるのは、遠距離移動によるリスクを避けるメリットがあるからでしょう。一方で旅がコモディティ化すると、人々はより過激な旅を求め、厳しい環境下で自己の限界を超える身体性の拡張は魅力的な選択肢になります。旅はグランドツアーの時代からマスツーリズムの時代を経て、再び一部の人のものに戻ろうとしているようにも見えます。
それでもサウナに行く理由
白河に開発予定のサウナで使うコールマンのインフィニティチェアを試しに買いました。トトノイ椅子とも呼ばれる外気浴には必須のアイテムを自宅のドライエリアに置くと、即席サウナが完成します。といっても普通の浴室ですが、浴槽からシャワーまでと、ドライエリアの外気浴スペースまではそれぞれ一歩ですから、日中30度を超える今時分の水シャワーの水温でも外気浴の気持ち良さは格別です。夜風に吹かれてYouTubeのヒーリング音楽を聴いていると現実感が消えて行き、ここがどこなのか分からなくなります。どの家庭でもできる温冷浴で、実は簡単にトトノウことができることは、事業者にとって知られたくない不都合な真実です。今の季節でさえこれほど気持ちが良いので、水温が一桁になる真冬の東京ならその辺のサウナと効果は同等だと思います。それでもサウナに行く理由を考える日々が続きます。
節約こそが健康の秘訣
毎朝飲んでいたコーヒーと日中飲んでいた紅茶を止めるだけで眠りが改善されました。睡眠深度が深くなったようで寝起きの爽快感が違い、日中のブレインフォグが改善されて集中力が高まりました。カフェイン、アルコール、ニコチンなどの嗜好品は脳を覚醒させてレム睡眠が長くなり、眠りが浅くなります。若返りを促進すると言われる成長ホルモンは睡眠が深いときに分泌され、眠りが浅いと体の回復が妨げられます。成長ホルモンは効率よく傷ついたところを修復するだけではなく、タンパク同化作用で内蔵脂肪を燃焼させて筋肉を維持し、機能低下した脳のリペアを行い、海馬が活性化することでいやな記憶を消して美化してくれます。さらにメラニンが吸収されて肌が白くなり睡眠は最高の美容液とも言われます。睡眠は最もお金のかからないリカバリー法ですが、惰性で摂っていた嗜好品を減らす節約こそが健康の秘訣なのでしょう。
内省と自己探求
東京株式市場では東証株価指数が1990年8月以来33年ぶりにバブル後最高値を更新しました。妻が証券会社に勤務するため取引に制限を受けることが幸いして、ほとんど株はやりませんが、ハイリスクな株取引をする人の脳はギャンブル依存症と同じだと思います。ドーパミンなどにより脳内報酬系が刺激されて得る快感を求めて繰り返される依存症は立ち直るのが難しく、かつて106億円を溶かして、特別背任で懲役4年の実刑判決を受けた元大王製紙会長の井川意高氏が、韓国のカジノで目撃されたと報じられます。もっとも氏の場合は、大王製紙株を売却することで手元のキャッシュは増えたとされますので、この程度の痛みでは足りなかったのかもしれません。痛い経験をしても問題行動を繰り返す人は、自己を客観的に見る自己認識が欠如しており、内省と自己探求といった、自分自身について考える時間が必要なのでしょう。
なるべく買わずに暮らす
3週間ほど一日一食の生活をすると、それ以上に食べたいと思わなくなります。食べれば食べるほど食欲が増し、減らせば食欲が正常に戻ります。習慣的に買っていた菓子類を買わなくなり、甘いものが欲しいときは焼き芋を焼くかバナナを食べます。食習慣の多くは産業界によって操られたもので、簡単に作れるドレッシングはもう何年も買っていません。よく飲んでいた紅茶をレモン汁の入ったお湯に変えると、眠りが深くなり利尿作用もないので夜中にトイレに起きなくなります。食欲が正常に戻ると物欲も減退するようで、アマゾンの購入履歴を見ると昨年や一昨年より買い物の回数が減っています。食べるにせよ、買うにせよ、操作された中毒症状に気づけば浪費は消え、健康になり、なるべく買わずに暮らすことで満たされ、生活に清々しさを感じます。
虚飾を削ぎ落した悟りの旅
ChatGPTに続き、マイクロソフトやグーグルのAIが出揃い、2023年はAI元年として記憶されるはずです。ホワイトカラーの9割は不要といった過激な主張も聞かれ、それがあながち誇張に聞こえない不気味さがあります。一方で、蒸気機関を始めとした人類の発明の多くは、人の能力を超える機械を生み出す歴史であり、AIもそのひとつに過ぎないと言えます。デジタル化により漢字が書けなくなり、記憶力が低下したように、人間の知識や思考力、発想力が奪われるのは必至でしょう。人類に残された領域は体験を通じて得た知恵や理解、思想信条とひらめきだけかもしれません。人は学ぶために旅をするようになり、それはモノ消費からコト消費と呼ばれる静的なものではなく、魂を揺さぶるような動的な体験だと思います。宗教の修行のように、肉体の限界に挑む冒険旅行はその最有力で、虚飾を削ぎ落した悟りの旅がAI時代のトレンドになる気がします。
信じられる何か
かつてジモティーのトップも務めた起業家・投資家であり、昨年10月に突如出家した小野龍光氏のインタビュー動画を見ました。ビジネスの世界で成功しながら得度したのは、自分自身を生きていない人生が苦しかったからと言います。誰しも人生に疑問を持つ時がありますが、信じられる何かに従い行動をする人は少数派です。心を喜ばせる生き方をするには、物質世界に埋没していく刹那的な煩悩の魔力に対抗する信念が必要です。仏門に入らずとも、第二の人生とは自身の内部に焦点をあてる悟りの世界に向かうことだと思います。人が細胞分裂により成長するように、第一の人生は外部世界への拡張ですが、更年期を境に肉体は変化します。生活習慣病は、身体の変化に生活を合わせないことによる異変と言えますが、物欲や執着など、自分から外付けのブランドを外して行くことで最後に残るものが人間の本質であり、その人の魅力なのでしょう。
唯一の現実など存在しない
試験運用中のGoogle AI「Bard」を試してみました。最新の情報に基づき回答を生成し、複数の回答案を提示するなど利便性は向上していますが、少し試した範囲でも誤情報に基づく回答が見られます。情報の正確性が担保されない点はChatGPTと同じですが、情報がなまじっか更新されているだけに、真に受ける人は増えるはずです。洗練されて気の利いた回答をするが途中で生成を止めてしまうChatGPTに対して、Google AIはありきたりの回答をし、校正を依頼すると意訳をします。人間に求められるスキルはAIが生成するもっともらしい嘘を見抜く力になるのかもしれません。マスメディアによる切り取り報道や印象操作も含めて、外部からもたらされる情報には疑いの目を持つ必要がありそうです。一方で私たちは、各自のフィルターのかかった伝達装置により外部世界を認識しており、元々唯一の現実など存在しないのでしょう。
高額支出に値する観光
昨日は、東京ビッグサイトで開催中の国際ウェルネスツーリズムEXPOに行きました。セミナーで印象に残ったのは、海洋哺乳類との交流を通じて健康を促進するドルフィンセラピーでは、健康なイルカのみが人を癒せるという話です。同様に、私たちを癒してくれる森林などの自然も、健全な状態に維持されなければ共倒れになります。世界のリゾート地では、コロナ禍により旅行者が激減し、自然が回復するという皮肉な現象が起き、オーバーツーリズムの弊害が叫ばれるようになりました。入場制限や有料化の対策が取られる地域もありますが、重要なことは高額支出に値する観光へと転換することだと思います。健康を損ない、執着を増幅させる贅沢にお金を払い、再びお金を払って体を癒すという産業主導の付加価値ではなく、最も大切な健康への投資としてのウェルネスツーリズムは、一つの方向性を示しているように見えます。