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サウナ入り過ぎ症候群

静岡と名古屋で古民家サウナを見ましたが、サウナブームの凋落を感じます。どちらも有名ながら午前中の来客は3、4人です。名古屋でサウナーの定宿と言えばウェルビーですが、栄も今池も空いていました。あまりに調いを求めた結果、ロウリュや水風呂のギミックを競うスペックが重視され、最初に感じたサウナの快感を覚えなくなったのだと思います。肉体の限界に挑戦するような高温や、極端に低い水温を求める、サウナ入り過ぎ症候群とも言うべき不感症を招いたのかもしれません。この対処法はシンプルにサウナ絶ちをすることです。一方でサウナには様々な効能があり、健康効果は疫学的に証明され始めています。肌は明らかにきれいになるので、女性はもっと入るべきだと思いますが、本家北欧のように、大自然のなかで感じる本能的な気持ち良さがトレンドの本流になる予感がします。

いよいよ黄色信号?

全国的に知られる名古屋のKIWAMISAUNAに行きました。開業後一年半が過ぎても視察?が絶えないのか、駐車場の3台はいずれも県外ナンバーです。他の施設を徹底的に調査しただけにサウナ室も水風呂も抜かりはありません。とくに一段目が膝、二段目が腰、三段目が肩、最後が水深2mの水風呂は意匠的にも新鮮です。元は傘屋だった古民家の中庭の外気浴は、雰囲気は良いのですが問題は真横を通る高速や幹線道路を走る車のロードノイズです。雨が降っていた昨日は、音が多少は消されますが調う環境とは言えません。また15分400円というタクシーメーターのように上がる料金システムも、気になってリラックスできません。午前中の客は自分以外に4人だけで、これらが前述の視察だとすると、サウナブームにも黄色信号が灯り始めたのかもしれません。築75年の古民家は10年間空き家で、取り壊し寸前に活用されましたが、このニーズだけは当面続きそうです。

競争優位では不十分

昨日は静岡市のsauna MYSAに行きました。古民家サウナを謳う施設ですが、古材を使った築25年の料亭を買い取り、温室のようなテントサウナと作業小屋のようなサウナに薪ストーブを入れ、どちらも10人以上を収容します。2時間2,500円は微妙な価格設定ですが、静岡の名店しきじがお墨付きをを与えた体感17℃の水風呂も気持ち良く、一度は行ってもいいかなという印象です。付近は静岡茶発祥の地で、山々に囲まれたのどかな風景が広がり、ここでもハイライトは外気浴です。2ヵ所の広い駐車場はかつての賑わいを思わせますが、午前中の来客は自分以外に2名だけで、損益分岐点に届かない様子です。サウナ室も水風呂も外気浴も過不足ないですし、静岡市街からも近く、料金も妥当なことを考えると、サウナ業界が淘汰の時代に入ったことを思わせます。生き残る事業は競争優位だけでは不十分で、市場を支配できる卓越性が必要なのかもしれません。

至福から遠ざかるサウナ

現在のサウナブームは、1964年の東京オリンピックにフィンランドチームが持ち込んだサウナを発祥とする第一次ブーム、スーパー銭湯ブームに次ぐサードウェイブとされます。しかし、昨今のブームの加熱ぶりに違和感を感じていたのですが、南会津で2日間テントサウナをしてその理由が分かりました。高温になることで人気のMORZHではなく、せいぜい65℃のサヴォッタ製のテントサウナに入ると、サウナは主役ではなくなります。サウナストーンで調理をするなど、自然と一体化したピクニックの一部となることがとても新鮮でした。高温サウナを有難がり、我慢を強いる背景にはトトノイ(調い)偏重思考があると思います。高温サウナは危険を伴い、過去には火傷による死亡事故もありますが、極端にトトノイを求めた結果、体のセンサーが鈍感になり、水風呂の冷たさを競うなど刺激が先鋭化し、至福からは遠ざかっている気がします。

自然を楽しむ原点

南会津でサヴォッタのテントサウナをしました。ロシア製のMORZHが簡単に100℃超に達するのに対し、75℃以下での使用を前提にします。断熱材がなく足元から冷えた空気が入り、今の季節でさえ75℃に到達させるには薪をふんだんに燃やす必要があります。しかし60℃を超える頃には湿度60%でも汗が吹き出し、昨今の熱さ至上主義の風潮などどうでもよくなります。鳥の鳴き声、川のせせらぎ、薪のはじける音を聞きながら木々の緑を眺めると、スペックにこだわるよりもその原点に戻るべきだと思います。フィンランドのサウナ、スウェーデンのバストゥ、ロシアのバーニャは似て非なるものですが、その成り立ちは冷えた体を温めることだと思います。極端な高温や極寒の水風呂が賞賛される日本のサウナブームは長続きしない気がします。我慢不要の60℃のサウナで汗を流し、体感15℃の川につかり青空を眺めると、サウナは自然を楽しむ原点に戻るべきだと感じます。

内面の感度を高める

麻薬系の車で友人が南会津に来てくれました。最初の車を買うときの候補の一台であり、乗るのは数十年ぶりです。スズキの660ccエンジンが搭載されたときは驚きましたが、3気筒ターボのK6A型エンジンは85psを絞り出し、極限の軽量ボディを加速させるのに十分です。倍の重さのN-VANでさえ660ccエンジンで過不足ないのに、その1.6倍の馬力を得ればスポーツカーを名乗る資格は十分です。年を取ったら回春剤としてスポーツカーが必要だと昔は思いましたが、今は自分をそぎ落としていくべきと心境が変わり、余剰資金があれば事業に回すので自分の車として買うことはないと思います。車に限らず大半の商品は、麻薬系の常習性で人を虜にします。外食ばかりしていると濃い味付けでないと満足できなくなるように、さらなる刺激を欲するようになります。良い人生とは外部からの刺激を強めることではなく、内面の感度を高めることのような気がします。

園芸が生産性を高める

森林浴に代表される自然との関わりが、身体的、心理的な癒しをもたらすことは広く知られます。木々の緑が見える病室と無機的な景色の部屋では、前者が病後の回復が有意に早いことも指摘されます。自然の力をさらに高める方法は、庭仕事などの身体活動や食事療法を加えることだと思います。金曜日に行った南会津の土地は農地ですが、森には栗の巨木や柿の木、ミョウガやタラ、山椒の木々が自生し、さながら食べられる庭(Edible garden)です。園芸は、紀元前2000年のメソポタミアにおいて人間の五感を癒し、園芸療法が注目されるはるか昔から休息、回復、療養の場として人々の健康を守ってきたと考えられます。様々な現代病が急激に増加した原因は、自然の恩恵から遠ざかる都市生活に起因していると思います。リモートワークが生産性を劇的に高めるとすれば、それは自然の元で過ごす時間を増やすことで健康状態が回復するからでしょう。

最も美しい庭

草刈りが趣味になったのは、エンジン式から電動草刈り機に変えてからです。排ガス臭が無くなり、騒音も無視できる程度に低減されると、草刈り本来の楽しさを享受できます。草刈り機は特殊な環境を除き電動化すべきだと思います。草刈りはガーデニングの一種で、日光を浴び、多くの場所で森林浴を楽しめ、先日行った南会津のような傾斜地では草刈り機を持ち上げる必要があり全身運動になります。草刈りが心身の健康に良い影響を与える素晴らしい趣味と言えるのは、ジャングル状態だった敷地が徐々に整い庭に変わっていく、一種の達成感があるからでしょう。最も美しい庭とは、植物が人間の干渉を受けずに、その土地にふさわしい種が繁殖し生き続ける、自生による自然環境だと思います。人為的に何も加えず、人間が最小限の介入により日当たりや風通しを改善するだけで、周囲の環境に溶け込む美しい庭になる気がします。

そのうち行けばいいか

尾瀬御池ロッジに泊まりました。尾瀬への関東側からの玄関口は群馬県片品村で、そこが唯一のルートと誤解している人もいますが、福島県檜枝岐村からのアクセスはハイカーが少なく快適です。尾瀬の福島側の入り口に位置する尾瀬御池ロッジは、軽い朝食がついて一人の宿泊で7,500円とリーズナブルな価格設定です。湿原とブナ林に囲まれたこの施設は、山小屋と呼ぶ水準をはるかに超え、オペレーターを変えれば上高地帝国ホテルと並ぶ屈指の山岳リゾートにできそうです。東北地方以北で最高峰の燧ヶ岳(ひうちがたけ2,356m)の登山口まで車で直接行ける唯一のルートであることも魅力で、草刈り作業が残っていたので登りませんでしたが、3、4時間で往復できる近さです。福島県に行く頻度が増え、いつでも行けると思うと不思議なもので、そのうち行けばいいかと欲望が小さくなります。

究極の機能性

昨日は南会津で草刈りをして、その合間に先日買ったサヴォッタ(Finn-Savotta)社のテントサウナを試してみました。YouTube動画が買ってはいけないテントサウナの上位に入れるブランドだけに、一人で組み立てるのは骨が折れます。付属のビニールロープはほぼ応急用で、倒れる危険性があるので火をつけるのは止めました。いかにも軍用といった趣の無骨なテントは森のなかの風景に溶け込みます。一人で簡単に組み立てられる一般のテントとは異なり、ひとつひとつの作業を確実にやり、まともなテントロープと自在金具などのアジャスターがないときれいに立てることができません。サヴォッタを買ってはいけない理由は、テント生地に断熱材が入らず、設置が面倒だからですが、これらの欠点が放置されるのは、軍用品メーカーが考える究極の機能性が、戦場で直せるシンプルな構造だからだと思います。

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