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アパホテルの進化系

気温が下がるとサウナに行きたくなり、池袋のかるまるに泊まりました。外気浴は気温が下がるほど気持ち良く、調いやすくなります。かるまるに行く目的は、薪ストーブのサウナ室で施術を受けるウィスキングですが、フロントで予約をしようとすると、無期限で休止をしていると言います。施術を行う人が退職したとのことで、確か4人ほどの施術スタッフが在籍していたはずですが、看板プログラムが行えないのは痛手でしょう。競合施設に引き抜かれたのかもしれませんが、こうした事業ではベテランが抜けるリスクを常に抱えます。他方で省力化したビジネスでは、新しい競合施設ができるたびに競争力が低下して顧客離反が起こります。それでもかるまるの入込が順調なのは、寝室が極端に狭い代わりにアパホテルの7割の料金で、大浴場とリラクゼーションスペースが圧倒的に充実しているからでしょう。

石こそが時代を超える

昨日は横須賀市と逗子市にまたがる、鷹取山(139m)に登りました。登ったと言っても実態は小高い丘で、大田道灌がたびたび鷹狩りをした場所と言われます。湘南妙義の別名が示すように、切り立った岩壁はかつてクライミングの名所として知られました。ハイライトは岩に彫られた巨大な磨崖仏で、高さ8m、幅4.5mの巨大な弥勒菩薩尊像は、1960年に凝灰岩の石切り場に地元の彫刻家が、1年をかけて制作した作品です。日本では縄文の昔から強いエネルギーを持つ巨大な岩への信仰が強く、磐座は神が降り立つ場所として祭祀が行われてきたとされます。住宅街からわずかな時間で登れる場所で、古代から続く信仰のエネルギーに触れることができる、貴重な場所だと思います。ピラミッドがそうであるように、石こそが時代を超えて遠い未来へとメッセージを残す手段であることは、現代においても変わらないのでしょう。

宗教の教えは経典にあらず

昨日は近所の築地本願寺和田堀廟所に墓参しました。本堂では毎朝7時から法事が行われ、静寂な本堂にリズミカルな読経が響きます。週末の朝聞く読経に癒され、経本を見ながら声を出すことも健康に良さそうです。読経をしていると、仏教二千数百年の歴史において、その教えを連綿とつないできたのは、経典ではない気がします。漢字が読めない現代人に限らず、一般庶民がその意味するところを文字から理解することは困難です。「唯可信斯高僧説」は親鸞が選定したインド2人、中国3人、日本2人の七高僧について、「ただこの高僧の説を信ずべし」という意味ですが、時代が変われば人を媒介とした解釈が必要になると思います。しかしその意味するところは、七高僧の教えを鵜呑みにすることではなく、高僧と同じように、教えを自分の内面に受け入れることが重要なのでしょう。

灯火管制のトラウマ

気温が下がると自ずと睡眠時間が伸びます。日本人が短眠とされる理由のひとつは、夏の厳しい暑さがあると思います。日本において睡眠を阻害するもう一つの理由は、家が明る過ぎることで、その悪影響はスマホやパソコンのブルーライト同様かもしれません。自宅は地下にあるのですが、照明器具が最小限なために、家人には不評で親戚が来ても暗いと言います。しかし、欧米と比較すると戦後の日本の住宅は明る過ぎて、工場のような蛍光灯が好まれた結果、風情も失われたと思います。おそらく戦前の人々は、最小限の明かりを頼りに太陽とともに生活リズムを刻み、陰影を楽しむような自然に近い暮らしをしていたと想像します。戦時中の灯火管制のトラウマなのか、戦後の住宅は明るさばかりを求めるようになりましたが、人体の摂理であるサーカディアンリズムに沿った暮らしに戻すべきだと思います。

日常と切り離された移動

昨日は大月短大に出講する日で、80kmの運転は、遠すぎず近すぎず気晴らしに最適です。人は本質的に移動が好きな生物だと思います。同じ場所に毎日通う通勤とは異なり、日常と切り離された移動は、感覚が研ぎ澄まされ、見えなかったものが見え、感じられるようになる気がします。旅の効用を説く人は、インスピレーションを得るには移動が必要であり、世界的な偉業は旅から生まれたと主張します。新しい景色は脳に刺激を与え、移動が内省の時間となり、自己との対話が深まり、インスピレーションが湧きやすくなるのかもしれません。移動はマニュアル車に限ると考えるのは、両手でハンドルとシフトノブを、左足でクラッチ、右足でアクセルとブレーキを操作することで脳が集中力を高め、軽い運動になり、スムーズに走らせることで自己効力感も高まるからです。今いる場所から離れることでしか未来は開けないのでしょう。

腰痛を治すのはストレッチ

腰痛治療のためにドクターストレッチに通うようになって1か月が経ち、その間5回の施術を受けました。施術後は関節の可動域が広がり、しなやかに動く印象で快方に向かっている感じがします。その効果はゆるやかで、そう言えば最近はあまり腰が痛くないと気づく程度です。これまでにAKA-博田法など異なる主張をするクリニック3か所、整体、カイロプラクティック、鍼灸、スポーツマッサージなどを試しましたが、着実な改善効果を実感できるのがストレッチです。全体の85%とされる非特異的腰痛の主因は、固まった筋肉による神経圧迫とする説が、個人的には最も納得できます。トレーナーが変わっても前回の施術内容などのゲストヒストリーが蓄積され、オーダーメイドの施術が受けられることも安心です。腰痛を治すのはストレッチ、が世間の常識になるのはそう遠い先の話ではないと思います。

リピートの決め手

1839年創業の老舗茶農家、吉田茶園内に先月開業したSAUNA NAYAに行きました。築80年の納屋をサウナにしたもので、茶室をイメージしたサウナ室の扉はにじり口のように小さく、8平米ほどの室内は10人が座れて室温は80℃に保たれます。チェーンの毎日サウナなどにも導入される、長野県のケンズメタルワークの薪ストーブはガラス面が大きく、美しい炎を見ることができます。出荷に適さない茶葉を焙煎して抽出したほうじ茶ロウリュはアロマオイルよりリラックスできる印象です。ハイライトは栃木市の老舗味噌業者から譲られた高さ約2mの樽の水風呂です。通年16℃とされる地下水は体感20℃位ありますが、水深があるために浮遊感を味わえます。隣接する東北本線が頻繁に通るので気は散りますが、高木の森を眺める外気浴にも癒されます。体がサウナに順応して年々調いにくくなるなかで、リピートの決め手になるトリガーが何かを常に考えさせられます。

政治は妥協の芸術

政治は妥協の芸術と言われますが、大半の公約を覆す石破氏は、政治への信頼が失墜した今、ふさわしくないリーダーに見えます。総裁選で石破氏に投票した議員リストが出回る一方、旧安倍派を非公認にする二重処分に自民党内では激震が走りました。自民が下野した民主党政権誕生の時は、非自民勢力をまとめる小沢氏がいましたが、今の野党にはそのような存在も時間もありません。立憲民主党の野田党首と、体形も年も、ヘビースモーカーであることも、財務省フレンドリーな政策も同じ石破政権と、野党との間には選択肢がなく、岩盤保守層がどれだけ政権を見限るのかに注目が集まります。反主流を歩んできたトップが国を導き、党内の勢力図が大きく変わり対立が深刻化したあと、何が起きるのかという政界の社会実験から目が離せません。

昭和的な旅

娘はK-POPの推し旅で台湾に行きました。この半年でシンガポール、インドネシア、韓国、台湾に行き、国内旅行より海外のライブに行く回数の方が多く、LCCの存在は旅行市場を変容させたと思います。若者が旅行をしない理由の一つは運賃の高さで、国内市場を寡占化してきたJRは、国際線の航空運賃が法外に高かった時代の戦略を、見直す必要があるのかもしれません。マスマーケティングの代表例といえる、「そうだ 京都、行こう。」的なアプローチは早晩通用しなくなりそうです。推し活に代表されるニッチでマニアックなマーケットは、旅へのモチベーションが高く、国際線に乗ることへのハードルが下がります。JRの豪華列車人気にどこか違和感を覚えるのは、若い世代の先鋭化した旅のニーズに対して、昭和的な旅の発想から進歩していないように見えるからです。

写真修正の波紋

YouTube界隈では、発足したばかりの石破政権をネタにするエンタメ化が盛んで、「だらし内閣」という流行語を生んだ組閣後の官邸写真が拡散しました。政治への関心が高まるのは良い傾向ですが、官邸が写真を修整したのは問題だと思います。ルッキズム以前の問題として国の信頼に関わり、首相官邸による公式写真の加工は独裁国家が使うフェイク写真と同じです。今年3月キャサリン英皇太子妃が子ども3人と一緒に写った家族写真が加工されていたことが発覚し、主要な通信社がこの写真を一斉に削除しました。プライベートとして撮られた写真ながら、王室がXに投稿した画像は歴史的な記録であり、完全な信頼を得る必要があります。価値観に基づく人為的修正は事実を伝えるジャーナリズムにおいては許されず、効果的に嘘をつける写真を偽れば誰も信じなくなるのでしょう。

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