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ヒッピームーブメント再び

日米で大きな選挙が終わり、週末は日本中が注目した兵庫県知事の出直し選挙が行われます。マスメディアは、ネットメディアが伝える前知事にかけられたパワハラ、おねだり疑惑が虚偽であったことを一切報じませんが、前知事の選挙演説に集まる異様な数の県民と熱気を見れば、マスメディアと利権や議会の癒着構造が真実味を帯びます。衆議院選挙で国民民主党の大きな躍進を支えたのは、SNSを通じた若年層の政治参画意識の高まりとされますが、どこかアメリカ西海岸を中心に起こったヒッピームーブメントの再来を思わせます。東洋思想への傾斜が一時的なブームで終わったのは、結局のところ西洋的な世界認識から抜けきれなかったからだと思います。しかし、国民民主党の掲げる、103万円の壁の引き上げやガソリン減税が実現するなら、若年層の政治参画を起爆剤に、社会は変わり始めるのかもしれません。

人らしく生きる

ラブラドールがお世話になっている近所の動物病院の経営が変わり、不便になりました。夜まで診療をしていていつでも行けるのが便利でしたが、今後は予約が必要になります。経営を成り立たせるためには致し方ないことですが、自分を可愛がってくれる病院に行くのが大好きなラブラドールにとっては大問題です。犬は犬好きの人を一瞬で見抜く能力を持ちますが、同様に自分の好きな場所に行くときは全身で喜びを表現します。動物病院に向かう道を通るとグイグイとリードを引っ張り、目的地に近づくと走り出します。12歳になり、散歩の時の歩くスピードが落ちましたが、ボールをもって公園に行くときは普段が嘘のように早足しです。犬派の人々が魅せられるのは、天真爛漫でいつも人と真剣に向き合うひたむきさだと思います。おそらく人間も、大好きな何かや関心を失えば、人らしく生きているとは言えないのかもしれません。

作り手の論理から自由に

気温が下がりおでんや鍋、湯豆腐の季節になりました。簡単に作れて、食事にライブ感が加わり、体が温まり、食材原価もわずかで、部屋を暖める効果もあります。おでんは具を足せば数日間楽しめ、その後はおからを入れて総菜に変わります。毎日の食事の回数が1、2回に減ったこともあり、外食や中食の機会はサラリーマン時代の10分の1にも満たないと思います。生産と消費を自ら行うメリットは、食材や調味料、油、消毒などによる健康リスクを下げることですが、産業に食を依存しなくなると作り手の論理からも自由になれる気がします。高価格な外食になるほど、調理側の芸術性が強調され、料理表現からコース料理におけるワインペアリングなど、作品としての作り手のこだわりがいつしか押し付けに変わります。食事の本質が健やかに生きるためであるなら、お金を払って不自由を選択することに合理性を見出すことができません。

銀行跡地が街を再活性化する

最寄りの下高井戸駅前にあった三井住友銀行の店舗が、1月前に新コンセプト店舗Olive LOUNGEに刷新されてから、街の表情は一変しました。京王線の高架工事により、駅前の景色は日々変わりますが、夕方にはシャッターが閉まり、閉鎖的な印象を付近に与えていた銀行が、朝7時から22時まで営業し、土日も人が集まる場所になる影響は少なくありません。Olive LOUNGEとしては渋谷店に続く2号店となり、郊外型の1号店と位置づけられ、開業日は関係者で入りきれない状況でした。1階にはスターバックスとATM、2階は三井住友銀行とカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する63席のコワーキングスペースが入居し会議室も用意されます。銀行のサービスがオンラインで完結し、金融サービスが多様化する今、支店閉鎖は世界的なトレンドですが、一等地に店舗を構えていた銀行跡地が街を再活性化する可能性を感じます。

政府効率委員会を日本に

落選した大統領が再選されるのは130年ぶりと言われますが、決着は想定外のスピードでつきました。トランプ氏に期待するのは、来年1月20日からの任期が始まる前に、イスラエルとウクライナの戦争を止めることです。共和党の勝利宣言式典は、超大国米国の復活を印象づける熱気でしたが、北朝鮮や中国とも取引ができるトランプなら、世界に平和をもたらしてくれるかもしれません。コロナ以降明るい話題のなかった世界に、良くも悪くも影響を与えることは必至で、アメリカ第一主義に対抗できる、日本の国益を第一に考える政治家が必要でしょう。もう一つの希望はイーロン・マスクをトップに設立される、政府効率委員会です。賃金が上がらず、物価が高騰するなか増税ばかりが議論される暗黒世界に、明るい光が差し込むことを願いたいものです。

劇薬が未来を切り開く

トランプを支持する保守派政治コメンテーターのタッカー・カールソンは、「幸せな国ならトランプは支持されない」と言います。メディアはトランプが分断を引き起こしたと喧伝しますが、おそらくその因果は逆で、経済格差という分断の結果がトランプを生んだと思います。政治の基本的な役割は平和をもたらすことですが、乱暴なアフガニスタンからの撤退に始まり、バイデンの失言がウクライナ戦争の一つのきっかけとなったことなど考えると、過去4年の政権で評価できることが思いつきません。世界を混乱させる独裁的な中露に対抗できるのは、プロレスビジネスの世界にいたマッチョなトランプしかいないように見えます。映画はしばしば未来を予言しますが、バック・トゥ・ザ・フューチャーの脚本家が、悪役ビフのモデルに早くもトランプを選んでいたことは示唆的です。劇薬がアメリカの未来を切り開くのかもしれません。

人生後半の戦略

ハーバード大教授ブルックス,アーサーC.が書いた「人生後半の戦略書」を読みました。仕事に成功した人が抱える、不可避なキャリアの落ち込みへの対処法です。IQには、柔軟な思考による解決力を指す流動性知能と、学んだ知識の蓄えを活用する結晶性知能があります。前者はキャリア20年目をピークに下降しますが、後者は人生の後半を通して上昇する傾向があり、職業人生をリセットする必要性を説きます。身につまされるのはGM幹部から自分の自動車会社を作ったジョン・デロリアンの逸話で、きっかけは前社長を訪問した時、抜け殻のような悲しみと孤独感を漂わせた男に、自分の未来を見たことです。しかし、自分の名を冠した自動車会社も、3度の再婚も破滅し、最後は麻薬取引で逮捕されます。結晶性知能を生かしやすい職業は教師とされ、能力の変化を受け入れ、世俗的な成功に固執することなく、培った知恵を社会に還元すべきなのでしょう。

喜びを感じる繊細さ

晴天の三連休は絶好の行楽日和ですが、朝ラブラドールと近所の公園で遊び、図書館で大量の本を借り、地下にある自宅のドライエリアのインフィニティチェアで、コーヒーを飲みながら青空を見上げ読書をすると至福感に浸れます。身近な暮らしの中に、ありがたみと喜びを感じる繊細ささえ持ち合わせていれば、人はお金に依存しなくても幸福になれると思います。幸せな気分をもたらす主要な神経伝達物質は、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンがあり、幸せの三要素は健康、愛情、お金とされます。市場経済に幸福を委ねてしまえば、即効性がある反面すぐに消えてしまうドーパミン系の幸せだけが正当化されます。その結果健康や人間関係は犠牲にされがちですが、一通りの消費と失望を経験することでしか、人はお金依存のウェイトを下げることができないのかもしれません。

結束の象徴

昨日は親戚の集まりに行きました。祖父の兄弟に始まり、そこから5世代とその配偶者となる対象者はネズミ算的に増えます。家によって兄弟や親戚との距離感や付き合い方は異なり、毎年旅行に行くなど親しく付き合う家もあれば、何十年も親戚と音信不通になる家もあります。それでも結束しようとする一定の力が働くのは、今も親戚が住職を務める、500年前の1525年に開かれた寺の存在が大きいと思います。昨今、選択的夫婦別氏制度が議論されますが、寺に残る系図で14代にわたり同じ姓を継承してきたことは、結束の象徴であり、家に対する考え方の根本にあります。政治的な争点になる皇位継承問題で、男系男子を維持すべきと思うのは、それが自然発生的なものであれ、先人からの知恵であり、その正統性を失えば結束力が奪われ国が乱れると感じるからです。

時代の試練に耐える

週刊誌報道などで話題になった隈研吾氏設計の馬頭広重美術館に行きました。そのシンプルなプロポーションのためか、遠目には波板で作られた工場建築のようにも見え、世界的建築家のオーラは感じません。屋根を中心に腐敗が進む地元産の八講杉ルーバーは、塗料選定のミスとされ痛々しさが分かります。12億の建物に24年で3億の追加投資は、公共建築として疑問の声が出るのも当然かもしれません。かつて山下達郎は、自らの音楽について、時代の試練に耐える普遍性、つまり風化しない音楽、と語っていましたが、まさに風化した印象です。その責任は設計者だけではなく、トロフィーワイフ的な動機で依頼をした施主にもあるはずです。同じく隈研吾設計の那須歴史探訪館も見ましたが、こちらは改修予算の目途がついたようで、屋根の飾り木材を外した状態でしたが、隈研吾設計という誇らしげな張り紙が雰囲気を壊している気がします。

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