ハーバード大教授ブルックス,アーサーC.が書いた「人生後半の戦略書」を読みました。仕事に成功した人が抱える、不可避なキャリアの落ち込みへの対処法です。IQには、柔軟な思考による解決力を指す流動性知能と、学んだ知識の蓄えを活用する結晶性知能があります。前者はキャリア20年目をピークに下降しますが、後者は人生の後半を通して上昇する傾向があり、職業人生をリセットする必要性を説きます。身につまされるのはGM幹部から自分の自動車会社を作ったジョン・デロリアンの逸話で、きっかけは前社長を訪問した時、抜け殻のような悲しみと孤独感を漂わせた男に、自分の未来を見たことです。しかし、自分の名を冠した自動車会社も、3度の再婚も破滅し、最後は麻薬取引で逮捕されます。結晶性知能を生かしやすい職業は教師とされ、能力の変化を受け入れ、世俗的な成功に固執することなく、培った知恵を社会に還元すべきなのでしょう。