人口94万人の世田谷区に長年住んでいてたいした不満も感じなかったのですが、昨日粗大ゴミを申し込んでみて、以前暮らしていた人口2万人の西郷村との大きな違いを感じました。懲罰的なお金を取るところまでは許せても回収が1ヶ月先、持ち込む場合は2ヶ月先まで予約が埋まっています。西郷村の場合クリーンセンターに持ち込めば予約など不要で不燃粗大ごみの場合90円/10㎏と安価で処分してくれます。いつも軽トラックで持ち込んでいましたが、車ごと秤に乗り廃棄前と廃棄後の重量差を払う寛容な仕組みがどれほど恵まれていたかと思います。安易にモノを捨てる風潮は良くありませんが、人口過密な地域では不要物の処理さえ満足にできません。ゴミ集積所に粗大ごみが放置されるのを見かけると不愉快でしたが、その原因を作り出しているのは脆弱なごみ処理体制です。アフターコロナの世界で東京に住む必然性が薄れて行けば、都市の住みにくさがクローズアップされ始めると思います。
惨事便乗型資本主義
もともとテレビを見ることはまれでしたが、引っ越しを契機に全く見なくなりました。マスメディアを一律批判するのは間違いにしても、低俗なワイドショーやニュース番組が高齢者を中心とした情報弱者をミスリードする危険が今回ほど明らかになったことはないと思います。望遠レンズで三密を演出する手口や、PCR検査を煽った罪は重いはずです。PCR検査の感度71%に対し、CTの感度は98%と高い精度を示す研究もあり、人口あたり世界最大のCT台数を誇り、OECD加盟国平均の4倍強を保有する日本で死亡者が少ないことはその強みが生かされたのかもしれません。現代の医学が最も力を発揮するのが疫病対策ですが、医療体制が整っているはずの欧米諸国においておびただしい死者を出し、医療崩壊が世界的に進行していることを印象づけました。インフルエンザの検査に30数万円もかかる米国では医療崩壊以前に病院に行けませんから、医療保険に入れない層から爆発的に感染するリスクがあります。儲かる医療を優先すれば、ベッド数や人工呼吸器が削られパンデミックへの備えは後回しになります。利益追求のために恐怖を煽るマスコミ同様、医療分野のさらなる市場原理導入など惨事便乗型資本主義への警戒が必要だと思います。
成長はいつも辛さのあと
トランプ大統領がパールハーバーや911を超える米国への攻撃と述べたように、今世界で起きていることは多くの人にとって未知の出来事です。米国4月の失業率は戦後最悪の14.7%になりました。失業率と男性の自殺は統計的に有意な正の相関関係にあり、失業率が1%上がると日本では10万人あたり25人が自殺すると分析されます。未知の事態にこれまでの経験は役に立たずむしろ有害です。ウィルスと共生する社会では仕事のやり方を変えざるを得ませんが、ひとつのやり方しか知らなければ絶望します。娘がインターンをしている会社のZoom会議は背後で小さな子供の声がしたりいつもなごやかな雰囲気です。しかし会社は新たな産業領域を開拓して急速に成長し、目標もやり方も明確だった昭和の時代の年功序列的なやり方とは異質です。自分が知る会社組織は退屈で窮屈でつまらなく悲惨なまでに愚かな組織に成り下がったのに、そこでのし上がった経営層はそれを改めることができません。人は必要に迫られないと変化ができない生き物で、成長はいつも辛さのあとにやって来ると思います。新たなやり方を発明した企業だけが未来を手にすることができるのでしょう。
令和の維新?
戦後の世界が礼賛してきたグローバリズムの趨勢は大きく転換し始めたようです。トランプ大統領の自国中心主義どころか、イタリアでは健康維持のための散歩でさえ自宅から半径200m以内を一人で歩くことしか許されないと言います。世界は150年以上昔の鎖国の時代に逆戻りですが、政府対応の遅さは黒船来航時の徳川幕府のようです。未開国だった日本は明治維新以降2つの戦争に勝利し40年を待たずに国際舞台の主要な勢力として台頭しました。少子高齢化と国の借金で将来がないと洗脳され続けた今の日本にはあきらめムードが漂いますが、「シン・ニホン」が主張する仮説が正しいなら日本には大きな可能性があります。偏差値エリートが巣食う霞が関や利権にまみれた政界、中共政権に毒された財界、害を撒き散らすマスメディアなどこの国を貶める構造を根本から作り直すことが必要でしょう。明治維新が江戸から遠く離れた薩長から始まったように全国的な注目と称賛が広がる大阪市から令和の維新が始まるのかもしれません。
ステイホームの功罪
ステイホームが延長されたことによる社会、経済への最も大きな影響はデータやコンテンツをやり取りするデジタルシフト、サイバーシフトによる遠隔化の流れだと思います。若者を中心に広がるダイエット法「ハンドクラップダンス」を昨夜娘と少しだけやったのですが、スポーツクラブのスタジオに行っていた一定需要はYou Tube動画で満足するはずです。テレワークの普及により移動、準備、付き合い時間が減るだけではなく、一人で集中できる仕事環境と人的ストレスが減ることによる生産性向上が見込めます。企業にとっては仕事のアウトプットが明確になり同一労働同一賃金への移行が容易になります。一方でオフィス賃料の問題から契約更新をしないか賃借面積を減らす企業も増えると思います。消費者目線では支出が減り自由時間が増えるデジタルシフトの流れは、一部の業種にとっては打撃となり給与所得という形で家計に戻ってきます。しかしパラレルワークが普及すれば所得を落とさずに自由時間を増やす可能性が生まれ、個々人がより主体的に仕事に取り組むことで社会全体の生産性も高まります。デジタルシフトの流れはアナログ文化で巧妙に隠されていた形骸化した仕事を露見するのでしょう。
大量消費や大量所有がわれわれを苦しめる
新居に引っ越し3日経ち、ダンボールの山がなくなってきました。今の家は70㎡超ですが、35㎡の仮住まいのどこにこれほどの荷物が収納されていたのかと思う量です。35㎡に3人とラブラドールが2年暮らし、昨年末はホームステイまで受け入れていたことが今となっては信じられません。以前の家ではよくモノが無くなりましたが、あまりに過密になり溢れたモノで肝心なものが消える現象がよく起きました。ステイホームの今、世間では断捨離ブームのようですが、モノを捨てるにはきっかけと勢いが必要だと思います。廃棄や売却でダンボール箱が消えていくと清々しい気持ちになり、さらにモノを減らしたくなります。サラリーマンを辞めてスーツや靴の類いがなくなった今は、プリンターとデジタル化していないアルバム、寝具を除けばスーツケース一つに納まる量まで減らすことができました。過食も同じですが、現代人は今よりはるかに少ない物質で生きていけるはずです。経済を循環させなくてはならない一方で、大量消費や大量所有が結局はわれわれを苦しめているのだと思います。
国に頼らず
景気が良いときは慢心が生まれ今のように悪い時はあきらめが広がります。緊急事態宣言の延長は賛否ありますが、根拠よりも何となく不安といった空気で決まったように見えます。日本より人口あたり死亡率が数桁違う諸外国が規制解除に動くなか、もう2、3週間前に患者数がピークアウトしているのに、事業者にとっては生死を分ける状況で十分な説明がなされた印象はありません。宣言の延長と保証はセットだと思いますが、問題は政府に国民が依存し大きな政府になることです。大きな政府の行き着く先は政権に施しを受ける共産主義です。アメリカでさえ社会保障に手厚い民主党支持人口が多く、依存する人が増えれば国は衰退します。街にはUber Eatsがあふれ、飲食店は自分の店以外の商品も販売しています。どんな環境に置かれても国に頼らず生きていく気概が国民に強いほど、健全な社会が導かれるのでしょう。
不作為ほど魅力的な選択肢はない
引っ越しから2日経っても家の中にはモノが溢れています。捨てられない習性は人が執着と依存から抜け出せないことと同じ理由だと思います。モノが増えるほど執着も増え、モノはモノを引き寄せ気がつけば身の回りはいらないモノばかりになっています。世間の本が勧める断捨離法は使用頻度とワクワクです。捨てるか迷ったものを1年ほど箱に入れ、その間に箱を開かなければそのまま捨てる方法と、対象物を見たときにワクワクしなければ捨てるというシンプルな方法です。収納庫や倉庫は捨てることを先送りする誘惑にしかなりません。企業における意思決定の先送りも似た構造で、不作為ほど魅力的な選択肢はありません。人は不作為に慣れると身体が錆付き現実に向き合わずに何でも先送りしようとします。ゆでガエル現象はその典型で、改革を先送りするうちに世界的な疫病により一気に沸点に近づいているように見えます。
食べ物を捨てる?
昨日は人生6度目の引っ越しをしました。引っ越しのメリットは持ち物が減ることですが、それでも引っ越し直後はおびただしいモノに囲まれます。自分の持ち物で最も体積を占めるのは捨てられない書籍とアルバムでダンボール7箱になります。洋服は2箱、OA機器が1箱、会社の決算や登記関係資料が1箱、あとは布団と靴が数足ぐらいで最も利用頻度の低いものが大きな比重を占め、人は過去の思い出を捨てられないものかもしれません。昔なら収納場所を確保しようとしたのですが、今の家は収納場所を減らして常にモノを目に晒すことで捨てるように作られています。欲望と執着と憎悪を捨てることでしか平常心は得られず、人間は本来キャンプに行く程度の荷物で生きられるはずです。以前読んだ本に、「食べ物をおなかに捨てるぐらいなら本当に捨てたほうが良い」と書かれていて最も深刻なモノへの執着は過食かもしれません。
トレードオフの岐路に立つ世界
大気汚染が深刻な都市ランキングワースト1位のインド北部から200km離れたヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見えたと報道されます。世界中で大気汚染が改善されることは素晴らしいことですが、一方で経済が衰退すれば元も子もなく、感染終息と経済のトレードオフという難しい岐路に世界は立っていると思います。エヌエヌ生命保険の調査では5月末までしか資金が持たない中小企業が45%、6月末までは60%に及ぶとされ、壊滅的な被害を受けた外食、宿泊、航空産業などは深刻です。一ヶ月ほど前に発表された東京都の実効再生産数の1.7は想定の2.5より低く、患者数の移動平均線は2週間前にピークアウトしています。日本政府による渡航制限の遅れが人命を奪うなら、緊急事態宣言の延長も経済的な死者を出します。自粛を徹底しないとより深刻な第二波が来るという脅しが全てに優先する今の政府を見ていると、コンプライアンスは全てに優先すると叫び企業から活力を奪ってしまった経営者の姿とだぶります。緊急事態宣言を続けるなら病院経営をも破壊し経済的な理由から医療崩壊が起こると思います。