旅は一部の人のもの?

ヒマラヤから戻った妻は咳が止まらず、高山による酸素不足、冷気による気道や気管支へのダメージが原因のようです。体力消耗を伴う高所トレッキングは健康リスクを伴う旅で、同行者2名のうち一人はヘリコプターでカトマンズの病院に運ばれています。エクストリーム系の旅は達成感とともに、日常生活では味わえない経験ができますが、体調を崩す可能性の高い海外旅行に加え、身体を長時間酷使すればそのリスクは飛躍的に高まります。ポストコロナの旅行市場でマイクロツーリズムが注目されるのは、遠距離移動によるリスクを避けるメリットがあるからでしょう。一方で旅がコモディティ化すると、人々はより過激な旅を求め、厳しい環境下で自己の限界を超える身体性の拡張は魅力的な選択肢になります。旅はグランドツアーの時代からマスツーリズムの時代を経て、再び一部の人のものに戻ろうとしているようにも見えます。

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