最新情報

Information

カウンターカルチャーへの憧憬

連日報道される日産問題について日仏自動車戦争の国策捜査との指摘もありますが、重要な論点とは思いません。問題は資本主義システムの踏襲が際限ない人間の欲と企業の成長を目指す結果繰り返される弊害です。企業のゴーイングコンサーンそのものが害になりうることが意識され始めたのは2008年のリーマン・ショックだと思います。今の日本が失われた30年であり、2050年には先進国から転落するとの予測もありますが、急激な経済成長とそれを重視する風潮が人間疎外や人間性の喪失を招いたことを考えると気持ちは複雑です。ぼくのまわりには二つのタイプの人間がいます。片方は既存の社会や経済の構造を是とするエスタブリッシュメント的思考の人で、もう一方は新しい価値観や行動規範に覚醒したカウンターカルチャー的思考の人です。今の自分が後者に染まるのはキャリアの大半を保守的な企業で過ごしたことの反動かもしれません。お金を稼ぐことより、普段の生活のなかに夕焼けの空を見上げる穏やかな時間があることの方が今の自分にとっては重要です。

脳を鍛える知的アスリート

日本工学院で授業を始めてちょっとした衝撃を受けたのは、考えることが嫌いと言う学生が意外に多いことです。自分がいつから考えることが好きになったのかはわかりませんが、そう昔のことではありません。思考習慣はこれからの時代を生きていく上で運動習慣と同様に重要です。外部記憶装置であるインターネットに常時アクセスできる時代には知識量はさして重要ではなく、重要なのはその情報を起点に自分なりの思考プロセスで再構成する独自の能力だと思います。学生には毎回レポートを出してもらいますが、自分と同じニュースソースの記述も目立ちます。学生のコピペはだいたい見抜けますが、同時に自分のネタもばれていることになります。学生にはスポーツ同様に脳を鍛えることが快感になる知的アスリートをめざしてほしいです。

企業も経営者もいらない社会

この四半世紀でもっとも影響力のあった経営者をあげるならカルロス・ゴーンは外せない存在でしょう。権力を掌握した人間が晩節を汚す愚行の歴史は繰り返されます。カルロス・ゴーンほどの実績がないサラリーマン経営者のさもしい行いも少なくありません。もうひとつの問題であるポストカリスマによる経営の混乱も歴史の証明するところです。現代の企業において一番不要なのは経営者かもしれません。ブロックチェーン技術とAIが普及する社会では、経営者はおろかゴーイングコンサーンとしての企業もいらなくなります。機能体としての組織は国防、警察、消防、救急などの行政組織と、社会インフラを支える重厚長大産業の一部だけで十分だと思います。組織運営における最大の脅威は、全体不合理な行いをする人間のエゴと、トップに気を使いすぎる過剰忖度のカルチャーです。組織の呪縛から解放されることで人間は本来の自分と自由を取り戻せると思います。

デフォルト健康法

トレイルランナーのバイブルである「Born To Run」を読んで以来、メキシコ秘境の走る民族が使う古タイヤ製のサンダルはいつも気になる存在です。昨夜はそのワラーチを作るワークショップに参加しました。タラウマラ族が昼夜を問わず走り続けるシンプルなサンダルが、現代人が履くスポーツシューズの走りよりも理にかなっているとする最新科学の分析は痛快です。現代人が人体のデフォルトや生体リズムを無視した生活をする背景には野生動物としての生存脳の影響があると思います。脳が操る欲求を利用した商業主義の蔓延が、目の前の魅力的な食べ物や一見優雅で安楽な暮らしを選択させます。国民皆保険の弊害として健康を人任せにしてきた日本人には健康知識がまだまだ不足していると思います。

壮大な集金装置

気候変化のためか風邪を引きました。体がだるく悪寒がして恐らく熱もありましたが、食事を摂らずに生姜湯を飲んで安静にしていれば数日で治ります。人間の体は自然の一部ですから自然の摂理を受け入れていれば元に戻ります。多くの日本人は医者に行き妄信的に石油製品を体に取り込みますが、自然から離れるほど人体の制御は難しくなります。アレルギーの多くも自然を敵視するような人工的な環境が生んだものです。典型は都市生活がもたらす享楽的な生活による生活習慣病の蔓延です。現代の消費社会は、人の幸せとは関係なく誰かが意図して作り出した壮大な集金装置だと思うのです。

労苦ではなく作品

キャリア論の授業では働くことの意味を議論します。労働者を効率よく働かせる思想に染まる経営学には、「仕事の報酬は仕事」といった理想論は通用しません。働くことを生きるために必要な労働(Labor)、すなわち労苦と捉えます。政府の働き方改革の中心議題が時短になるのも同じ発想です。本来の働く意味は生きるため以上の仕事(Work)、すなわち作品だと思うのですが、何かと息苦しい日本の働く環境ではそうした認識は根付きません。多くのサラリーマンがリタイアで労苦から解放される日を夢見る日本の働き方は不幸です。長年の労苦に耐え人生の主体性を取り戻す頃には生きる気力さえ失っています。金のために働くという比較の尺度が一度作られると、仕事を損得で判断するようになり、そこには自己の成長や生きがい、楽しみを見出すことはできません。自分に正直になり、仕事を主体化することこそ幸せの鍵であり、授業で伝えたいのはそれだけです。

運まかせの成功体験

授業でもその光と影を取り上げてきたRAIZAPが、今月14日の決算説明会前後からの連日ストップ安の株価下落で先行きが見えなくなりました。利益には3つのタイプがあると思います。目的としての利益、結果としての利益、手段としての利益です。創業者は当初結果としての利益を考えますが、事業拡大の過程で手段としての利益が必要になり、やがて会社が大きくなると理想を捨て目的としての利益を追う罠にはまりがちです。RAIZAPは典型的なケースだと思います。かつてM&Aをした会社の製品のヒットで窮地を救われた創業者の、買って、再生して、シナジーを出すという、運まかせの成功体験が成功法則になっていると思います。頼みの綱は成長領域とされるボディメイク事業ですが、寄り添いで継続でき結果が出るというRAIZAPの主張は、糖質制限でリバウンドなしにあっけなく痩せられる事実を知るぼくに言わせれば虚構です。

比較からの解放

日本工学院に行く週2日は朝食、昼食を抜くので自然と24時間断食になります。食事の回数を減らすと食事はより豊かなものになり、自分の内面と向き合う瞑想になります。朝食に糖質を摂らなくなって以来無闇に空腹を感じることがなくなり、仕事をする日の断食は時間節約になり好都合で、意識の上でも快適です。体には心地よい静寂が戻り五感が鋭くなります。消化のための重労働から解放された体は代謝に集中でき健康増進になります。疑いもせずに三食を食べてきましたが、食べないことには食べること同様の喜びがあります。食欲を満たす食事の喜びよりも、空腹でも早朝の朝もやのトレイルを歩き静かな時間を持つことの方が魅力的です。最低限で満たされるミニマリズム的な思考を脳が覚えると、比較のストレスからも解放されます。

スタイリッシュでスパルタン

週末に訪れた本栖湖はアニメ「ゆるキャン」の舞台であり、この季節もキャンプをする人で賑わいます。静寂に包まれる日の出前の湖岸に立つと、毎朝甲子山に登っていた新甲子温泉での生活を思い出します。ブームが去った感のあるグランピングに欠けている魅力はわくわくするような身体感覚を伴う刺激だと思います。一部のトレンドセッターによると次の流行はLuxpedition(Luxury Expedition)だと言います。その感覚は内外のロングトレイルを走りながら旅をする自分のまわりの人たちの消費行動とも符号します。単に美しい写真を撮るだけや美味しいものを食べるだけの旅行に欠けているのは自分と向き合う身体感覚だと思います。体を酷使してロングトレイルを走破する達成感と、キャンプ地での上質な時間を持つ、スタイリッシュでスパルタンな冒険旅行は今の自分にとって何より魅力的です。

命がけの通勤

昨日は日本工学院の蒲田校に行くのに通勤電車に乗りました。駅に到着したときはすでに内部の乗客の圧力でドアが開きませんので乗れるのは数人です。一本見送り乗った車内もちょっとした地獄絵で将棋倒し並の圧力とスリルを味わえます。ドアの近くにいた後ろの人は身の危険を感じて必死に押し戻そうとするのですがどうすることもできない強烈なGに身を任せるしかありません。鉄道会社の対応にも限界がありますが、さらなる再開発でオフィス供給が増えれば、東京でもっともエキサイティングなアトラクションになるに違いありません。20年前からリモートワークができるのに、都心のオフィスに命がけで通勤させるなんて正気とは思えません。

Translate »