
先週末丹沢に行ったときは山が雪を被り冬の装いでしたが、今週は一転して初夏の陽気です。花粉症の季節をスキップできるなら個人的には歓迎ですが、熱帯地域の暑さと雪国並みの寒さの二極化は、四季を慈しむことで情緒を形成してきた日本人にとっては問題です。今の日本で四季を感じる方法は、移動することだけかもしれません。植物に脳が無いように、脳は生物が移動するために発達してきました。600万年前に人類が猿から分離したとされる頃から、人類の脳容量が3倍に拡大してきたことは、移動と無関係ではないでしょう。人類が農耕・定住生活を始めたのは人類史全体からみればわずかな期間ですが、近年、脳が縮小していることはその裏付けのような気がします。人は安住する穏やかな暮らしを望みますが、食べ物を求めて歩き続けてきた人類を、退化させることなのかもしれません。
お知らせ
交流の場としての石風呂

英国サウナ協会によると、英国では公共サウナ施設の数が2023年から2024年にかけて3倍に急増していると言います。その背景にはパンデミック後のウェルネスブームや、メンタルヘルス問題の深刻化があるようです。他方で日本との違いは、ポップアップ型の公共サウナが増え、イギリス伝統のパブ文化と融合し「酒を飲まない健康的な社交場」として注目されていることです。中世から続く共同体の場として、パブと教会が人々の交流の中心になって来たのに対して、日本では学校や企業組織がその役割を担ったと思います。日本では都心の高級貸切サウナが作られたのに対して、英国では空き地や空き家や馬小屋を使った、非営利企業による交流の場として作られたことです。歴史的には神社や寺が共同体の交流の場だったのでしょうが、地域の人々が集まる石風呂を見ていると、日本でもその可能性を感じます。
最高のモルモット

Netflixの「DON’T DIE:”永遠に生きる”を極めし男」を見ました。決済代行システムを1,000億円以上でPayPalに売却し、アンチエイジングに数百万ドルを投じたブライアン・ジョンソンの日常に迫るドキュメンタリーです。早死にへの道を歩むかつての乱れた生活は一変し、計画開始時に1.03だった老化速度は0.64になり、人が12カ月歳を取るところが7.7カ月の計算で、2年間に5.1歳若返ったと言います。体をベストな状態に保つために毎日100以上の日課をこなし、130錠のサプリメントを飲む生活は、専属の長寿コンサルタントにとっては、最も金のかかる最高のモルモットです。既知のあらゆる限界を超えて寿命を延ばすために、自らの肉体と財産を賭ける姿は、死なないというカルト宗教に見えます。データに支配されたその肉体が健康に見えないのは、人体が科学の及ばない野生の産物だからかもしれません。
サウナで花粉症が治る?


例年この時期は花粉症がひどく避粉地で転地療養をしますが、今年は気温が低かったためか未だに症状が軽く、南国に行く必要を感じません。初夏の陽気だった昨日は、見頃を迎えたミツマタ桃源郷のある厚木市の荻野高取山(522 m)に登りましたが、この季節に山に行き花粉症の症状があまり出ないのは異例なことです。鼻うがいはしていますが、花粉症の症状がここまで軽微な年はなく、治ったと思いたいところです。この一年間で変わったことと言えば、サウナに入る回数が増えたことと、ストレッチに通ったことで、両者に共通するのは血流が良くなることです。血行障害が改善すると花粉症が治ると主張する識者もいて、その可能性もあります。サウナが幅広い生活習慣病に効果があることは知られますが、花粉症が治るなら、昨年沖縄で2週間サウナに入り続けて顔のシミが消えて以来の快挙です。
民間感覚

国民民主党が高速道路の料金を一律500円にする案を参院予算委員会で提案しました。悪夢の民主党時代で唯一の良かったのは高速無料化をマニフェストに掲げ、1,000円高速時代を開いたことです。「休日1,000円」実施後5か月間における日帰り旅行の回数は、前年同期と比べて1.3倍、宿泊旅行は1.2倍に増え、間接効果を含めた経済効果は年間8,000億円と試算されています。長年増税が必要だと国民を信じ込ませてきましたが、足りなくなれば奪い、奪えば浪費する仕組みに国民は気づき始め、財務省解体や減税人気は上昇気運にあります。すぐに財源と言う議論が始まりますが、世間を見ればムダだらけで、道路では不要不急の草刈りが渋滞を引き起こし、ほとんどやっていない工事で車線がふさがれ、道路利権の一部は政治家や官僚に還元されているはずです。結局米国のように、足りなくなれば売上を上げ、コストを下げる民間感覚が必要なのでしょう。
世界は欺かれてきた?

今まで見た映画で最も衝撃を受けたのは「ピラミッド5000年の嘘」です。37年間に渡る調査と研究を、6年間を費やして検証し、4年間の撮影を行った科学ドキュメンタリーが描く仮説は、まさに荒唐無稽と言えるものですが、この映画に対する明確な反証はなされていません。現代の技術が作りえない巨大建造物が、ありえない精度で作られたことに驚きますが、それが世界規模で規則性を持つ構造物群だとすれば、人類の歴史や科学技術の常識を書き換える必要があります。昨年5月にはニューズウィーク誌などが、地下に大型遺跡が存在する可能性を伝えていましたが、3月15日にはイタリア・ピサ大学などの研究チームが、ピラミッドの内部構造やその地下の3D画像を再構築することに成功したと言います。垂直に並ぶ8つの中空の円筒構造は地中648メートルの深さまで伸びるという発表が事実なら、世界は何世紀にも渡り欺かれてきたことになります。
患者が減ることを恐れる

医者に行くことはほとんどありませんが例外は歯科医で、半年に一度程度歯のクリーニングに行きます。先日も歯石を取りに行ったのですが、この1、2年電動歯ブラシで磨いているためか以前のようにガリガリと歯石を取ることもなく簡単に終わります。昔は良く虫歯治療に通いましたが、食事の回数を減らして以降、この10年ほど虫歯ができることはありません。口のなかは通常pH7の中性に保たれますが、食事などで糖質を摂取すると酸性に傾き、歯のエナメル質はpH5.5で溶け始め虫歯になります。しかし唾液により口内環境が中性に戻ると再石灰化により虫歯はできません。つまり唾液により歯が中性に戻る前に次の糖質が入ることが虫歯の原因で、食間をあけるだけで虫歯は防げます。歯の磨き方を教えても虫歯の原因を教えないのは、患者が減ることを恐れるからでしょう。
図書館とChatGPT

ランドスケープと建築を見に行った木更津市の地中図書館ですが、同様に蔵書も魅力的でした。書店や図書館の魅力は、予期せぬ良書とのセレンディピティ的な邂逅にあると思います。キュレーターの世界観を追体験することにより、図書館から新たな旅が始まる気がします。施設の性格上蔵書の貸し出しはしていませんが、読みかけた味覚に関する本をさらに深めたいと思いました。家に戻りChatGPTに、類書との主張の論点整理を聞いてみると、卒論かそれ以上の論文が書ける程度の文章を生成します。分野によるのかもしれませんが、少なくとも教育において論文課題を出すことは、無意味な時代に入ったことを実感します。これは喜ぶべきことで、「美味しいとは何か」というテーマに関して、味覚の主観性と美味しさの共有、言葉が味を決める、といった気づきを得ることができました。図書館とChatGPTは、本の世界を拡張する福音をもたらすのかもしれません。
生きるためのサウナ


月曜日に行った、木更津市のクルックフィールズの敷地の高台には、7棟の宿泊施設cocoonがあります。目当てだった地中図書館同様に、34㎡と50㎡のコテージ周辺のランドスケープも魅力的で、そのハイライトはサウナ小屋です。奇をてらわず、上品に作った大人のサウナという雰囲気で、水風呂がシングルとか、ストーブがどこそこ、といった妙なこだわりが子供っぽく見えます。年末に長崎県の石窯サウナに入って以来、サウナの入り方が変わりました。古代の横穴式住居にでも迷い込んだような石室の中央では松の木が豪快に燃やされ、その迫力に圧倒されました。それ以上に衝撃を受けたのは、重い不治の病の人が利用することです。生きるためのサウナ、というキーワードが浮かんで以来、あれほどこだわっていた水風呂にほとんど入らなくなりました。サウナの魅力は調いと深部体温を上げることにあり、長期トレンドは後者だと思います。
リアルな本への回帰





農、食、アートと自然の共生体験施設KURKKU FIELDS内に、一昨年開業した地中図書館に行きました。30年ほど前に米国西海岸ビッグサーの海岸の土手に、半地下状に埋設された客室を持つリゾートホテルに泊まって以来、そんなホテルを作りたいという夢があります。巨大なすり鉢状の土地の中腹に埋もれる図書館は、ティアドロップ型の中庭を本棚の回廊が囲み、洞窟のようにも見えます。魅力的な個室の天井からは自然光が注ぎ、コンセントもあるので調べものなどに最適です。蔵書も好みの本が多く、もし宿泊したならこの図書館から離れないでしょう。今の季節でも魅力的なランドスケープは、草木が生い茂る季節なら生命力をもらえそうです。電子書籍が普及するにつれ、リアルな本への回帰はより魅力を増し、こうした図書館は今後も増えていく気がします。