商売の基本は脅し


会社の決算作業のためにカードの利用残高を見ると、申し込んだ覚えのないMCAFEE *INTEL SECURITYから12,980円が引き落とされています。カード会社のサイトにアクセスすると、「利用した覚えのない引き落としを調べる」というリンクがあります。そこには230ほどの企業やサービスの一覧があり、問い合わせの多いものがリスト化されているのだと思いますが、MCAFEEもその中にありました。マカフィーのサポートセンターに電話をしてキャンセルしたのですが、カードの引き落としは日常的にチェックが必要です。電話を切りメールを見ると、マカフィーのサポートからキャンセル処理のメールが届き、続けて「モニタリングの結果お客様の情報がダークウェブ上で見つかりました」という不吉なメールも届きます。個人情報を保護するという売り込みも、早期発見のための体の検査を売り込むのも、商売の基本は脅しということを思い出します。

未来への渇望


「#万博ヤバい」がXでトレンド入りする事態となっているようです。ヤバいには賞賛のニュアンスもありますがそうではなさそうです。人混みが嫌いな上に並ぶなどもっての外ですから行きたいとは思いませんが、理由はそれだけではありません。70年の日本万国博覧会の記憶はおぼろげにありますが、奇跡の戦後復興を成し遂げ、世界第二位の経済大国に上り詰めた当時の日本には、「坂の上の雲」的な未来への渇望が国に満ちていたと思います。それは国際博覧会史上、初めて黒字となったことにも現れます。一方でメディアを通して見る今回の展示内容は、既視感のある内容ばかりで、未来を感じさせないからです。IRのために誘致したと思われる不純な動機も含めて、挙国一致の国家プロジェクトだった前回を知る昭和世代としては、今般の東京オリンピック同様に盛り上がる気になれないのです。

芸術とは権威


週末はサウナフェスで会津磐梯高原の諸橋近代美術館に行きました。ゼビオを創業した諸橋廷蔵氏のコレクションを展示する施設で、サルバドール・ダリの絵画、彫刻、版画作品など約330点を収蔵します。美術館に縁遠いのは、芸術作品を見ても何も感じないからです。自分に限らず大半の人は1分以上絵画に向き合うことはなく、何となく知的な趣味という自己満足なのかもしれません。見覚えのあるピカソやダリの絵画の実物に触れる、確認行為を超えるものではなく、インスピレーションも沸いてこなければ、インスパイアもされません。普段は大金を稼ぐヴァイオリニストが、地下鉄の通路で演奏していると誰も立ち止まらないのと同じで、芸術とは権威なしには機能しない気がします。人間が創造した作品に自分が啓示を受けるのは、建築や庭、自動車やバイクなどであって、美術館ではなさそうです。

一極集中を逆転する


白河の古民家の庭の桜が見ごろを迎えました。三春の滝桜の子孫と言われ、前の所有者が30年ほど前に植えたものです。日本三大桜に数えられる三春滝桜は、推定樹齢1,000年以上のエドヒガン系ベニシダレザクラです。シダレはDNAの関係で病気に強く巨樹になるとされます。普段は気にすることがありませんが、この季節になると桜の存在感は圧倒的です。気温のためか今年は花粉症の症状が軽く、日本らしい春を満喫できます。白河に限らず、地方都市のすばらしさは、家の近くに自然を感じる場所が多く、遠出の必要がないことです。かつての田舎暮らしは脱サラかリタイア後と決まっていましたが、リモートワークが浸透した昨今は、都会と田舎はトレードオフの関係ではなくなりました。物価の安さや住宅環境、自然環境の良さなど、ストレスの少ない田舎暮らしの魔力は、東京一極集中の流れを逆転するのかもしれません。

起死回生に必要なのは本気


昨夜は猪苗代町の中ノ沢温泉に泊まりました。単一の湧出口からの湧出量は毎分13,400Lの日本一と言われる隠れた名湯の泉質はPh2.1の強酸性です。肌の弱い自分は玉川温泉や草津温泉なら痛くて入れませんが、ここはぎりぎり入れます。いかにも東北の秘湯といった風情の濁り湯は、芯から暖まり汗がしばらく引きません。塩素が入る循環の温泉ならサウナの方が良いと思いますが、源泉かけ流しは最強です。それでも温泉街はさびれ、泊まった宿の宿泊客は他に一組だけです。環境適応できない施設は淘汰される運命にありますが、昔ながらのやり方を生真面目に繰り返す姿勢を見ると、いたたまれません。やるべきことは明確であり、ステップを踏めば多額の投資も回避でき、起死回生に必要なのは本気で取り組む姿勢だと思います。ファンドや大手チェーンが買収しない施設の再生手法を模索する日々です。

かつての記憶を取り戻す


近所のバイク店に美しいKH400やRZ250が置かれていて、その店に足が向くのは見るだけで若返る気がするからです。最後の2サイクルと言われたRZには思い出が深く、校則で禁じられたバイク通学をしていた高校時代、学校前の直線道路で友人のRZを運転した記憶が蘇ります。後に業界自主規制上限の45psまで引き上げられたエンジン出力は、異次元の加速力で当時の若者を魅了しました。仮に終のバイクを考えるなら、スロットルを開けるとややタイムラグがあって2スト特有の爆発的加速Gが始まる、高校時代の記憶が蘇えるRZは最右翼かもしれません。人生の最後に乗るべきバイクとは、人生の最初に乗ったバイクであり、ホンダがモンキーやダックスを復刻するのはその現れかもしれません。終の車を考えると、自分と同い年の911でしょうが、この車は年々肥満を続け、憧れていたかつての記憶を取り戻せない気がします。

AIに仕事を駆逐される


今月から娘が新社会人となりましたが、新人でもリモートワークが許されるそうです。終身雇用が色濃く残る80年代に就職した世代には会社を辞めるという選択肢はなく、社畜となることで悲劇も生まれました。自分の場合は職業人生活の多くが裁量労働で、90年代からリモートワークをしていますが、誘惑の多い自宅で仕事をすることは今でも苦手です。コロナ禍を契機に働き方は大きく変わり、主体的に仕事に取り組める人にとっては無限の可能性を秘める反面、言われた通りに働く人は、かつてはグローバル競争の荒波にさらされ、今後はAIに仕事を駆逐される二極化を迎えているように見えます。AIと住み分けられるキャリアとして自分が第二の人生で目指すのは、宿の現場仕事をしながら、実務的なコンサルティングができるアドバンスト・エッセンシャルワーカーです。

移動の主体性


3月29日の夜、中国でシャオミ製の自動運転車が高速道路上のガードレールに衝突し、ドアが開かずに火災により乗員3人が死亡しました。障害物を検知し、目的地まで自動走行できる機能が解除された1秒後に事故が起きたと言います。翌30日には山東省青島市の高層マンションの部屋が爆発炎上する事故が発生し、こちらは違法に電圧のリミッターが外された2台の電動スクーターのリチウムイオンバッテリーが原因ですが、その爆発映像の凄まじさは衝撃的でした。日本では4月に入りMT車の免許を最初から取得することができなくなり、AT限定免許を取得後、限定解除として改めてMT車の免許を取得することになります。便利さは常に人間の能力を奪ってきましたが、AT車やEV車の行き着く先は自動運転であり、人類が行き延びた根源的活動とも言える移動の主体性を奪われる社会が、バラ色の未来には見えません。

潜在意識に刷り込まれた人生


人手不足が深刻化する中、自治体が教員確保に苦心していると言います。高知県の今年度採用の小学校教諭合格者の7割が辞退し、全国の採用倍率は2.2倍と過去最低を記録しました。自分が教育実習に行っていた頃は今より狭き門で、当時は学園ドラマ全盛期ということもあり、教員はやりがいのある仕事に見えました。実社会を知らない学生時代に描く夢などあてにならないと思っていましたが、結果として当時なりたかった教員とホテルの仕事を、今になって実現していることは不思議な気がします。人は潜在意識に刷り込まれた人生を、結局はトレースしているだけなのかもしれません。強く願えばその夢が実現するのと同様に、外部から刷り込まれた嘘も、何度も聞くうちに実現します。いずれ年を取ると体は衰え動かなくなる、という呪いが日本人の健康寿命を無用に縮めていると思います。

Googleマップが脳の地図を消す


週末の朝、昔はよく通ったレストランに行こうと車を走らせ始めると、以前ならすぐに店までのルートが脳の地図上に浮かび上がりましたが、脳はフリーズします。昔は地図さえあれば、目的地まで自分の脳の力だけで案内できましたが、Googleマップを使うようになって、脳の機能は劣化しているのがわかります。ナビ依存により空間認知能力が退化し、地図を覚えて運転していた時には活性化されていた海馬が仕事を放棄します。われわれの脳は縮み続けており、便利さの代償をいずれ人類は支払う時が来るはずです。脳も筋肉と同様に、使わない部分が衰える廃用性萎縮が起こります。前頭葉や海馬は機能低下が起こりやすく、体を動かすように脳を使う必要があります。記憶を強化するために、スーパーでの買い物の後、買った商品を思い出すなどしますが、AI時代は脳を鍛える必要性が高まると思います。

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