


理想のサウナを求めるなかでたどりついた石風呂は、山口県を中心に瀬戸内一帯に、説によっては数千か所あったとされます。伝統的な北欧サウナであるスモークサウナと同じ仕組みの石風呂が、平安時代に川の近くに作られたのは木材を運ぶためですが、海の近くにも見られるのは海藻により蒸気を出すためでしょう。自然の洞窟を利用した石風呂もありますが、大半は人工的に作られたもので、かつては日本中にあった瓦を焼くためのだるま窯に類似した形状です。だるま窯の歴史は安土桃山時代の関西地方の寺に始まるとされますが、そのルーツは古墳時代にさかのぼります。縄文や弥生の人々が野焼きで土器を焼いた時代から、人々が暖を取るためにその熱源を利用するのには、それほど時間がかからなかったはずです。サウナを巡る旅は石風呂のルーツをたどる旅になり、古代の窯の歴史を探る旅路へと向かいつつあります。