野生に戻る爽快さ

今朝は5時半に宿を出て大白森山(1,642 m)山頂で朝食を食べました。登りが宿から2時間13分、下りは1時間28分です。朝日が深い新緑の森を照らし、生きていることの素晴らしさを感じられる朝です。向かいの山の深い森に鹿の鋭い鳴き声がこだまします。早朝の森の散歩に勝るリラクゼーションはないと思います。今日は熊探知犬のラブラドールがいないので、熊の出没情報の多い尾根は走り抜けますがそれがまた爽快です。大白森山の山頂付近はロープをつたい岩場を一気に登ります。山頂は360度の大パノラマで、眺望を期待していなかったのですが、会津方面の雪に覆われた山々を遠望できます。

体が目覚めた帰路は軽くトレイルランをしました。大白森山からのトレイルは良く整備されており走るのが爽快です。そんなに早いペースではないですから、呼吸は規則正しく、そして一歩一歩に集中していますので、ある種の瞑想状態の気持ちよさがあります。登りのトレイルで体をリラックスさせ、帰りは気の迷いや不安を全部洗い流すイメージです。多くの人がトレイルランに夢中になるのはβエンドルフィンなどいわゆる脳内麻薬によるランニングハイだと思いますが、その境地に至らなくても自分の原点であろう野生に戻るような爽快さがあります。

一人自分と向き合う

ゴールデンウィークから宿を手伝ってくれていた小学校以来の同級生が次の仕事のために今日で新甲子温泉から帰ることになりました。晴れているのに夕方からは別れにふさわしい冷たい雨が降っています。ラブラドールも東京に帰ってしまい、また一人だけの生活が始まりました。一人自分と向き合う、気兼ねない気ままな生活も好きですが、やはり一人でいて会話をしないことは精神衛生上良くないことでしょう。一人暮らしの高齢者の心の隙に入り込む詐欺商法が後を絶たないのも分かります。世界中どこにいても会話ができる便利な時代ゆえに、一人でいる時間を楽しむことができるようになったのだと思います。

今の季節、駐車場横の空き地には小さな草花が咲き誇っています。

宿の魅力としての共振

思い返せば今を遡る2カ月前の4月11日、ぼくは不安と失意の底にあったと思います。宿の改装工事が終わり、その週末に初めてのゲストを迎える時期でした。宿の将来展望が描けないなかで、理想と現実のはざまで悶々としながら僕が救いを求めたのは最初に入った鉄道会社の先輩です。10時からの面談は小一時間で終わったのですが、先輩の提案は人を集めてワークショップをすることでした。会社を出て間もなく携帯が振動して、フェイスブックにワークショップのイベントページが作られていました。ゴールデンウィーク前の平日にわざわざ福島まで来る人などいるのだろうか?というぼくの不安は外れその日の夕方には20名の定員が埋まりその後も参加希望者が続くという誤算でした。そうして開催された「甲子高原フジヤホテルの未来を一緒に考えるツアー」の第二回OFF会が昨夜開かれました。慶應義塾大学大学院の前野教授をはじめ各方面の最前線で活躍される方々の短いながら刺激に満ちエッセンスの凝縮されたプレゼンテーションが続きました。分野は違っても皆さんの見ている先にある未来は同じで、僕自身が漠然と感じていた予感は確信に変わりました。これからの宿の魅力は、集まった人たちの間に起こる共振関係だと思います。

プロたる所以

健康に気を使うようになってからなるべく外食を避けるようになりました。もちろん今でも美味しいものを食べるのは大好きです。昨日はそんな私に最適な、低GI値など健康に留意した低糖質フレンチのレストランでランチをいただきました。自分で料理をするようになってから、外食は単なる楽しみではなく観察の場になりました。料理はそれぞれに色々な表情を持っていると思います。お手軽なランチなのに繊細な料理にはプロの技を垣間見ることができます。原価などの制約条件のなかで何かを感じさせ感動させてくれる料理を出せることがプロたる所以だと思います。French Restaurant Salt Shirokane

マインドフルネスの森へ

5月の連休から本格的に営業を始めてはや1カ月。経営としては順調とは程遠い滑り出しで、こんな小さな旅館ひとつ黒字化目途を立てられない自分に歯がゆさがあります。しかしそれは組織勤めが長かった人間の典型的な勘違いで、今更ながらお金を稼ぐことの難しさを実感しています。

理想をいくら掲げたところで、食べていくことが最優先です。理想と現実の間をさまようぼくを見て、まわりの経営者は「あせらない方がよい」と助言してくれます。長期的な視点から理想を実現できないのなら起業などする意味がありません。そのときは勇気づけられるのですが、請求書と減っていく預金残高をみるとまた不安が襲ってきます。それでもぼくが踏みとどまれるのは、この事業を始めてから親交を深めるようになった多くの人の惜しみない助けがあるからです。

そしてもう一つは、名カウンセラーのラブラドールとのマインドフルネスな森への散歩です。カウンセラーに言葉など要りません。二人だけの森で、じっと見つめて話しを聞いてくれるだけでよいのです。

生涯現役こそが健康の源

昨日は小学校以来の同級生に89歳のお父様と宿泊していただきました。今でも現役で仕事をされるそうで、福島に来てからお会いする元気に活動される80代の方もみな現役で働いていて年齢を感じさせない若々しさです。昔はアーリーリタイアなどを夢見たときもありますが、今は生涯現役で働き続けることが幸せであり健康の源なのだと思います。

昨日は甲子峠付近の尾根はまさに真冬の寒さでしたが、標高800メートルの新甲子温泉も晴天ですが強風が吹き東京とは別世界の寒さです。昨日も今日もロビーの暖炉に火を入れています。

真冬の甲子峠

今朝は4時5分に宿を出発して那須連山の最北端とも言える大白森山(1,639 m)をラブラドールと目指しました。剣桂神社で安全祈願をしたあと4時40分には甲子温泉の大黒屋を通り、甲子山分岐を抜けて甲子峠には6時に着きました。甲子温泉からの九十九折りを抜けて稜線に出ると途端に気温が低下し真冬の寒さです。手の感覚がなくなり、尾根に出ると体を持って行かれるほどの突風で、今日は無理せず甲子峠で引き返すことにしました。さすがに東北の山です。6月でこの寒さは想定外で、手早く朝食を済ませて早々に下山しました。下山は甲子峠から甲子温泉大黒屋までが52分、そこから新甲子の宿までが30分です。甲子峠に抜けるトレイルは良く整備されておりトレラン練習に最適です。熊の出没情報の多いこの稜線で普段は全く吠えないラブラドールが野太く吠えました。熊と遭遇したのかもしれません。下山道もトレランの練習に最適です。規則正しい呼吸と一歩一歩に集中することである種の疑似瞑想体験ができそうです。「肩にザックが食い込むな」などと思った瞬間に気の迷いを戒めるように木の根や石に足をとられます。トレランのような動的瞑想がぼくにとっては最良の精神修養です。

表情を変える森

今朝は雷鳴で目を覚まし、早朝には小雨が降っていました。昨日も冷たい雨が降り、宿の前を通って小学生の団体が剣桂神社へ向かいました。生憎の雨でいやな思い出にならなければよいと思います。

6時過ぎには抜けるような青空が広がり、温泉から見る山は木々に葉が茂り夏山の風情です。ラブラドールと森に入ると、何かの花なのか甘い香りに包まれます。森は日々刻々と表情を変え五感を刺激してくれます。半袖では肌寒い涼しい風が森を抜けます。人も犬も森での暮らしが幸せなのだと思います。

森の気づかせる力

今朝の新甲子温泉は肌寒く小雨が降っています。薄暗い雨の森はまた魅力的です。2日続けて赤面山に登ったので、今日は休息日ならぬ休足日でフィトンチッドを浴びながらラブラドールとゆっくり歩きます。庭園でも散策するように時々立ち止まりながら歩くと普段見えなかった景色に気づきます。

ぼくにとっての森は内省の場です。人生では大切でないものに振り回されて大切なものを見失ってきたと思います。古代より先人たちが気づいていたように、緑豊かな源流の深い森にはそれに気づかせる力があると思います。

累積標高1,000Mの散歩

今朝は4時15分に宿を出て赤面山に登りました。日の出前の暗い森は鳥のさえずりで満たされ、高度を上げ猿の生息する森に入ると不気味な唸り声が方々からこだまします。さらに近づくとけたたましい鳴き声になります。登山道の入り口には4時50分、山頂には5時55分に到着したので、宿から山頂までは1時間40分です。ラブラドールと一緒に山頂で朝食を食べました。山頂からは水墨画のような美しい会津の山々を遠くに望むことができます。6時15分に山頂を出発して登山口には6時53分、宿には7時20分に着きましたので下山は1時間5分です。

ラブラドールは白い影のようにぴったりと寄り添いついてきます。太古の昔から犬と人間が最良の友だったというのはうなずけます。おそらくともに野山を走り回っていたのだと思います。登山口近くの沢をうまく渡れないラブは勢いよく沢に飛び込み全身アイシングです。今朝は9時から白河で打合せがありますが、宿に戻り洗濯をして温泉で体をリラックスさせても時間は十分にあります。標高800Mの新甲子温泉から標高1,701Mの赤面山へは累積標高なら1,000Mを超え毎朝の日課にしたい散歩です。

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