
今朝の新甲子温泉は快晴です。紅葉に色づく旭岳をはっきりと望むことができます。午前中は紅葉シーズンを前に地区の草刈や清掃をしました。源流の森にはらはらと落ち葉が舞いなんとも落ち着いた風情です。
週末にハセツネやOSJ KOUMI100など国内のビッグレースが終わり、落ち葉を踏みしめる静かな山歩きが心地よい季節になりました。トレイルをスポーツのフィールドと考えるトレイルランナーにとっても風景を楽しみながらのんびり歩く山歩きは魅力的です。時々ハイカーから山を走って何が楽しいのかと聞かれます。
いろいろな説明ができると思いますが、多くの人がオーバートレーニングになるほど魅せられるのは脳の快感を得られるからだと思います。いわゆる脳内麻薬は運動負荷を上げないと分泌されませんので、通常の山歩きではそうした気分になることはありません。山道を駆け下りる瞬間は直感的な快感がありますし、今やっている運動に集中できマインドフルネスになれます。辛さを通じて自分の内面に向き合ったり新しい自分を発見したり、自分を鼓舞したり、普段の平穏な生活にない変化を与えてくれます。とりわけ昨今の100マイルレースに見られるように自分の限界に挑戦することは、人生における大きなチャレンジになります。山の景色を楽しんだり、運動をして気分がよくなったという楽しみを超えた、より精神的な快適さであり、山を修行の場ととらえる現代の修験道なのだと思います。

今朝の新甲子温泉は暖かな晴天で、夜明け前は月と星がきれいに見えました。昨日はトレイルレースのハセツネが開催されました。一年前のレースでは水がなくなり苦しんだのですが、レースを終わってみると美化されて楽しい思い出になります。それゆえ人は望んでまた苦しいレースに出るのだと思います。こうした辛いのにいやな思い出にならないメカニズムは、おそらく脳内麻薬の作用だと思います。人間の限界が近づくと分泌される神経伝達物質により鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られるからでしょう。苦難に立ち向かう高揚感はどこか麻薬的な魅力があります。加えて、ストレスに対するチャレンジを繰り返していると、脳はストレスの反応を有益なものだと予測するようになり、寿命を左右するテロメアを慢性的ストレスから守るそうです。
昨日の夕方は那須湯元温泉の鹿の湯に行きました。ここでは山と温泉が唯一の娯楽ですが、さしてお金もかかりません。17時頃には高温浴槽の回りを固めていたレジェンドが帰りますので、夕方以降の鹿の湯は浴槽を独り占めできます。レジェンドのなかでも最古参と思われる84歳の男性と話しました。昭和50年代から那須に家を持ち、年間200日は那須でゴルフや温泉、残りは東京で仕事をしているそうで、まさにぼくが理想とする働き方です。実際に鹿の湯の高温浴でがんの進行が止まった人や、歩けなかった人が歩けるようになる姿を見てきたといいます。ぼくも効能はいくつか実感していて、肌あれは治りますし、パエリア作りで火傷をしたあとも早く治ります。何より高温浴槽は脳が快感ならしく、身を沈めるなり思わず声が出ます。交感神経が高まるらしく帰路の那須甲子道路ではいつもより運転がハイペースになります。



今朝は宿の前の阿武隈源流とは違う、赤面山方面から流れ込む沢を歩きました。ここも渓流沿いに長い遊歩道が整備され、紅葉の美しさで有名な場所です。途中にはキャンプ場もあり、宿からは往復9.93km、累積標高450m、消費カロリー499kcalの2時間弱の散歩になります。途中でラブラドールが前足をかばうように歩いていて、昨日の大白森山で肉球を怪我したのかしきりに舐めています。それでもいつも笑顔です。すぐに音を上げ不機嫌になる人間とはできが違います。昼間所在なげに惰眠を貪るラブラドールを見ていると、本当に幸せなのか疑問に思うことがありますが、日々ご機嫌でマインドフルネスな犬こそ、幸せの先生なのだと思います。