ためらいのいらないデザート

今朝の新甲子温泉は雨です。山には低くもやが垂れこめ、うっそうと茂った若葉により温泉から眺める景色は深山幽谷の風情です。

昨日は朝宇都宮のメトロで買い物をしてから、午後はデザートを試作しました。一昨日の紫イモに続いて、石川県名産の五郎島金時(さつまいも)とバナナでもムースを作りました。いずれも砂糖不使用でレーズンを使っています。ムースとの相性は地元産の紫イモの方がよく、色も鮮やかな紫です。今後旬の過ぎたイチゴなど地元に出回る果物で試作を繰り返したいとおもいます。私自身甘いものが大好きで、ホテルのデザートブッフェなどには目がないのですが、いずれも砂糖不使用で十分な甘みですので、これなら食べることへのためらいがありません。試作中ですが、今後夕食メニューに加えて行きたいと思います。

今月28日(日曜日)は宿の前から続くトレイルで登れる赤面山(あかづらやま:標高1,701m)の山開きです。600名を超える登山者が集まり、ここ新甲子温泉にある旅館の温泉に300円(もしくは入浴料の半額の高い方)で入浴できます。

期待ほどではなかったMETRO

ぼくが新甲子温泉で暮らし始めてから最大の変化は、料理を作るようになったことかもしれません。自分で作り始めて5カ月、やっと自分の料理のスタイルが定まりつつあります。昨日はデザートを作りました。特産の紫芋を使った豆乳ムースでレーズンを使い砂糖は使用していません。上品な甘さですが、まだ改良の余地があります。

今朝は宇都宮にある業務用卸売り市場のメトロ(METRO)に行きました。開店時間の6時前から駐車場は早くも半分ほどが埋まっています。事前登録が必要で本人の身分証明書、営業許可証、酒販免許、法人の登記簿謄本が必要とかなり厳格で20分近く待たされました。ドイツ発の外資系企業にしては「お客様のサービスは私にお任せください」と書かれた黄色い法被を従業員が着るなどかなりベタな感じです。店内は寒く、冷凍コーナーは氷点下になるので上着を貸してくれます。期待とは裏腹に野菜は割高なものもあり、巨大ロットで買わないぼくの使い方では業務スーパーで十分という印象です。

本能の暴走を許す魔力

東京の街はどこか本能の暴走を許す魔力があって、自分を律することが難しい魅惑の世界だと感じます。東京に戻るといつも食生活が乱れ、一昨日できた吹き出物はいまも消えません。自宅にあった菓子の類も大半が自分の胃袋に消えました。それでも後悔がないのは宿の玄関を出て30秒で始まるトレイルでいくらでもエネルギー消化ができる環境にいるからです。

今朝も2時間ほどトレイルを歩きました。宿を出発する5時頃には気持ちのよい快晴だったのですが、10分もすると雨が降り始め、そして陸上トラックまで山道を下ってくると虹がでました。このあたりでも桜の季節は終わりに近づき、雨が新緑を洗い山は鮮やかに染まります。大自然の懐にいると日本の四季の素晴らしさを毎日感じることができます。

割り切ったゲーム

昨日は東京に行き、渋谷から代官山、恵比寿と夜の街を歩きました。ぼく自身は都会に住みたいと切実に思うことはなくなりましたが、都市的なパラダイムがもたらす魅力はどこか麻薬的な誘惑をしてきます。妖艶な明かりに包まれる夜の代官山を歩くと、えも言えぬ異国情緒が漂い束の間のエトランゼ気分です。ナルシズムに浸る割り切ったゲームとしての都市生活は誘惑の輝きを放ちます。節度なく快楽を享受しようとする偽りの本能による食欲を満たしてしまい、今朝は普段は出ることのない吹き出物が体に現れています。やはり今のぼくの身体と本音により近いのはぶな原生林での隠匿生活です。

造花のような自然

連休が終わりましたが結局今年は花粉症を発症しませんでした。30年以上花粉症に悩まされてきた身としては奇跡的な出来事です。新甲子温泉で暮らすようになり、病気と言うほどではない身体の不調も気にならなくなりました。今は9割の時間をブナの森での暮らし、隔週で東京の仕事をする二拠点居住をしています。離れてみてこれまで気づかなかった良さに気づくものですが、残念ならが都市の暮らしには魅力を感じません。僕自身都市的なパラダイムに何の疑問も持たず都市で生活しその郊外で暮らしてきました。離れてみて見えるのはその負の側面です。息苦しいし、排ガス臭いし、生命力を感じない造花のような自然ばかりで足元に可憐な草花を見つけることもできません。早朝近所の公園を散歩すると、花の香りが漂ってきますが、強烈すぎてかえって胸を悪くなりそうです。住宅街の狭い道路の狭小地に三階建て住宅が隙間なく並び、そこからは狭い空が申し訳程度にのぞくだけです。部分最適で一貫性をもたない日本の都市は、人のエゴがぶつかり合う場にさえ見えます。

宿の近くの剣桂はいっせいに若葉をしげらせ、今の季節の巨樹の森は生命力にあふれています。

トレイルまで50メートルの夢の環境

昨日は公私ともにお世話になっている二家族にお越しいただきました。20人の団体二組の受け入れなど、開業直後の嵐のようなゴールデンウィークが過ぎ去り新甲子温泉は普段の静けさを取り戻しています。ゴールデンウィークの途中から食事の提供方法をブッフェ方式に切り替えました。料理内容は従来と大きくは変わりませんが、朝食には天然酵母パンを出すようにしました。

以前は糖質制限派で朝食から糖質を削っていたのですが今は食事が美味しく無制限に食べています。それでも体重が変わらないのはここが運動に最適な環境だからだと思います。トレイルの雪がとけた今、この宿のある立地はトレイルランニングやスカイランニングに最適の環境です。玄関を出ればトレイルまでは50メートルほどですから、仕事の合間の気分転換に小一時間トレイルを歩いたり走ったりできる、以前の私にとっては夢の環境です。

今朝も風のない穏やかの快晴のなか4時過ぎから2時間ほど山歩きをしました。赤面山登山道から阿武隈源流に下る変化のあるトレイルの途中では鹿の群れを見たり、陸上トラックで持参した小菓子でティーブレイクをしました。

難題の続く日々

新甲子温泉で生活を始めるようになって5カ月が過ぎました。宿の経営としてはまったく軌道に乗ったと言えるレベルではありませんけれども、営業らしきことができる状態になりました。その一方で昨日の給湯ボイラーに続き今日は冷蔵庫までが故障し、普段稼働させていない冷凍庫を急遽運転させました。日々次々と問題が起こりながらも多くの人に助けられ、ここまでこられたという印象で感謝に堪えません。思えばぼく自身、人への感謝の気持ちが希薄だったと思います。とりわけ身近にいる、家族への感謝の気持ちはほとんどありませんでした。

この宿では来た人が自己変革できる場所を目指していますが、ぼく自身サラリーマン生活に区切りをつけてここで生活を始めるようになり、大きく変わりました。感謝の気持ちを持つことは幸せへの第一歩だと今は思えます。

平静を取り戻すための源流散歩

怒涛の勢いで過ぎていった?「フジヤホテルの未来を考えるワークショップ」より一晩が過ぎ、昨日は中学の同級生のご家族を始め11名のゲストに宿泊いただきました。20名程度の料理提供には慣れてきましたので、あせることも少なくなりましたが、昨夜は旅館の生命線である、温泉の加温とシャワー用のボイラーが突然故障しました。前のオーナーご夫妻に夜遅くまで対応していただきましたが、それでも直りません。今朝、設備工事の方に見てもらったところ、ボイラーに燃料を噴射するポンプの故障で連休明けまではこの状態です。水道管の破裂など日々色々なことが起こるからこそ平常心を保つための阿武隈源流散歩と屋外での賄いメシは欠かせません。

会えなかった自分

20名ほどの方にお集まりいただいた感動のワークショップから一夜が明け、今も高揚感が余韻として残ります。幸せの四原則?やスウェーデントーチ、西郷村にある西郷村アンテナショップなどやりたいことばかりです。まずは宿の名称変更から着手したいと思います。

そもそも30年に及ぶサラリーマン生活に区切りをつけたのは、惰性で生きる自分が無性にいやになったからです。そんな自分を変えるために始めたはずの宿や会社の運営に忙殺されて、目指していた本質からはずれた日々を送る自分の姿に気づく2日間でした。そして人との出会いこそが小規模の宿が提供できる一番の素晴らしさだと考えさせられました。見たことのない施設を作ることで会えなかった自分に会いたいと思います。

見たことのないものを作る

昨日は20名ほどの方にお泊まりいただき、深夜までこの宿の将来像についてのWSをしていただきました。昨年12月から一人で思考していても見つからなかった納得のいく答えがわずか1泊2日(実質数時間)で見つかるあたりに、今回お集まりの20名ほどの皆さんの非凡さがあります。人との出会い以上に大切なものはないと実感しました。見たこともないものを作りあげるために、あとはいただいた提言を実行するのみです。皆さん、この宿の成長をこれからも見守ってください。ありがとうございました!!

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