
新甲子温泉で暮らすようになりおよそ11ヶ月、身体の変化のひとつは疲労感を感じなくなったことです。仕事の内容が変わったことも理由だと思いますが、20%のエネルギーを脳が消費する原因とされるDMN(Default-mode network)の活動が低下し、脳疲労が軽減されたことが大きいと考えています。
脳全体のエネルギーの60%~80%がDMNの雑念回路で消費されると言われますが、森に暮らしていると深呼吸をする回数が多くなり、それがマインドフルネス状態をつくり脳の雑念回路を構成する部位の活動が低下したのだと思います。
二つの登山口に面した新甲子温泉では時間があれば山で体を動かしますので、ぼんやり過ごす時間もなくなり、これもDMNの活動が過剰にならない理由のひとつです。きれいな空気を吸うという、生きていく上でのもっとも根源的な欲求を満たすことができない都市生活に戻ることはないと思います。
400年の時を生き抜いてきた剣桂神社の森も、厳しい雪の季節を前に葉を落とし始めました。




今朝の新甲子温泉は冷たい雨です。温泉から雨に煙る阿武隈渓谷を眺めていると気分が落ち着きます。連日、赤面山、三本槍岳、三倉山と1,800m級の山に登っていますが、山が雪に閉ざされる季節は目の前ですので、毎朝でも登りたい気持ちです。厳しい雪山に埋もれる前に三本槍岳直下の鏡ヶ沼に行きたいと思います。晩秋の静寂に包まれる森の水辺に身を置けば、心を揺らす執着から開放されて安らぎが訪れることでしょう。
今朝の甲子峠付近の気温は5度で昨日同様の快晴です。7時に隣町の下郷町音金にある正一位稲荷神社の登山口から三倉山(1,888m)にラブラドールと登りました。那須連山最大の急登といわれるだけに前半は急登の連続で、さながら落ち葉のカーペットのトレッドミルです。後ろの山で猟銃の乾いた音が響き、三倉山の方からは鹿の鳴き声が聞こえます。三倉山への往復は距離10.12km、累積標高1,233mで往復に2時間56分を要しました。山頂付近は樹氷のついた山肌が太陽に反射して美しい光景を見せます。三倉山の山開きは7月中旬で、もう一ヶ月もすると長い冬が始まります。

