貧相な日本の観光地

昨日は大変お世話になっている二組の方にお泊まりいただきました。隣町下郷の八幡の大ケヤキ、大内宿、塔のへつりという宿近隣の定番スポットをまわりました。見る者を圧倒する樹齢950年以上とされる生物とは思えない巨木の存在感は何度みてもインパクトがあります。冬場閉鎖されていて見ていなかった塔のへつりも圧巻の奇岩です。ただ何事も見世物にしてどこに行くにも駐車料金を請求される日本の観光地はとても貧相に見えます。

健康増進のための歩く瞑想

今朝の新甲子温泉は快晴で、日の出前の森の新鮮な空気を吸いに散歩に行きました。陸上トラックまで行くと足元に美しい雲海が広がります。一日で新緑が増すように足元にも草が芽をだして毎日違ったトレイルを歩いているような錯覚を覚えます。毎朝歩いている1時間ほどのトレイルは適度に山に登り、渓谷沿いのアップダウンのある地形のためにそれなりの運動量になります。早朝の森が発する新鮮な空気には不安や悲しみを癒す力があるようで、一周してくると気分がすっきりとします。広葉樹の森を抜ける歩く瞑想は心身の健康増進効果が大きいと実感しています。

都会になくてここにあるもの

今朝も小雨の降るトレイルを散策しました。赤面山(あかづらやま)登山道から阿武隈渓谷に下る変化のあるトレイルでは動物をよく見かけます。今朝は小柄な牛ほどの大きさのカモシカが、源流からトレイルを横切り急傾斜の渓谷を登っていきました。食べられそうもありませんが、トレイルにはキノコも出ています。

宿を経営する人と料理の話をしていると、岩魚も出さないのか?刺身も出さないのか?天ぷらも出さないのか?と一様に驚き、あきれられます。ステレオタイプの旅館像においてはあって当たり前のこうしたアイテムを売りにすることは、今となっては難しいと思います。これまで当たり前と言われてきた業界論理や昔ながらの「旅館はかくあるべき」という思い込みがこの業界を時代から取り残し斜陽化させてきたのでしょう。

飲食店のあふれる都会から食事目当てに人が来るという発想にはどこか無理があると思います。ぼくは食欲を満たす生理的な食事ではなく、健康になるための食事を出したいと思っています。料理は宿半径30km圏の地元西郷村、白河市で収穫された野菜や日本の伝統食材を中心に、米国の国立がんセンターのデザイナーフーズピラミッドを参考に作っています。デザートも一部を除いてドライフルーツなどを使用した砂糖不使用にしています。

ついでに言えば、これもよく聞く「料理に手間を惜しまず」という言葉にも誤解があると思います。新鮮なものになるべく手を加えず自然な状態で提供することに価値があるとぼくは考えます。都会になくてここにあるのは自然だけなのですから。

歩く瞑想で不安が消える

今朝も日の出前からトレイルを1時間ほど歩きました。森のなかのトレイルに入ると猿でもウサギでもない小動物が物凄い勢いで走り去ります。日の出45分前に木々が吐き出す酸素量が増えるという話を本で読んだことがありますが、広葉樹の森は清涼感に包まれそれを実感できます。

朝夕散歩をするようにしていますが、赤面山に続く登山道から阿武隈源流の渓谷に下る変化に富んだトレイルは歩く瞑想に最適です。歩いている間に考えがまとまり不安が消えていきます。散歩の最後に剣桂神社で手を合わせると、今日も一日新しい自分に会おうと思えて清々しい気持ちになります。

昨日は浴室の前にあったつつじ8本を植え替えて温泉からの山の眺望がずいぶんと良くなりました。また、宿から阿武隈源流に下る遊歩道の倒木処理をしていただき格段に歩きやすくなりました。

人間の愚かな性

今朝は日の出前に宿から車で5分ほどの「阿武隈源流西の郷遊歩道」に行きました。全長3.6kmの遊歩道は大自然のなかの庭園といった感じの歩きやすい道です。阿武隈源流は宿の前より水量が増え、表情を変えています。この遊歩道から山に入ると別荘分譲地跡のような広い土地が広がり、人間の愚かな性を象徴するかのようにトラックが打ち捨てられていました。

午前中は行政区の人と宿の前の花壇に花を植えました。一年草ですので、毎年植え替えが必要ですが、一番花持ちのよい種類を選んでいるとのことです。

雨に洗われる鮮やかな新緑

今朝は3日連続の雨です。森のなかのトレイルはひどい雨でなければ木々が傘になってくれますので、昨日はトレイルに行きました。宿の前の全長4.5kmのトレイルは雨に洗われ新緑が鮮やかです。

昨日は会津で渓流釣りをされる方が宿泊されました。一人で泊まれる宿を探していたとのことです。従来の宿泊施設は一人の宿泊を敬遠する傾向が強く料金も高めです。自己の内面と向き合い健康になるためには一人になれる時間がこれからは一層重要になると思います。宿の料金体系を変更して一泊朝食付きのB&Bをベースにして、8,000円(一人一室の一人料金)、7,500円(二人一室)、7,000円(三人一室)で夕食は+2,000円(いずれも消費税、入湯税込み)としています。

食事は先進国で先駆けて生活習慣病に取り組みガンを減らしてきたアメリカの国立がんセンターのデザイナーフーズピラミッドを参考に地元西郷村、白河市の野菜で作りたいと思います。昨日のごぼうのポタージュに次いで今朝はブロッコリーのポタージュを作りました。都会に暮らしていたぼくにとって自分の住む地域で様々な種類の野菜が作られること自体が新鮮な感覚で、瑞々しい野菜を安価に手に入れることができることは大きなメリットです。

内面から健康を取り戻す

最近朝夕にトレイルを歩くようにしてから一日の歩数は2万歩を超え、食事が一層美味しくなりました。これまでは早朝のトレイルばかり行っていましたが、夜の帳が下りる頃の森は日の出前とは明らかに違う動物性の匂いが漂い、どこか人を不安にさせます。季節により、時間により表情を変えるブナ原生林のトレイルを歩くと素の自分に戻れます。サラリーマン時代はどこか会社の衣を着ていて、それは本当の自分ではなかったと思います。健康というものは自分の心と体の内面と真摯に向き合うことで取り戻すものだと思います。

残念ながら昨日は一日雨でそのトレイルに行けず温泉浴場の清掃をしてから、料理の試作をしました。紫イモ、五郎島金時のムースに続いて作ったチョコレートムース、イチゴムース、ブルーベリームースは個人的にはお金を出しても食べたいレベルで、ごぼうのポタージュスープも定番メニューにできる一品です。自分で作るデザートはいずれも砂糖不使用か最小限ですので安心して甘いものが食べられます。

ためらいのいらないデザート

今朝の新甲子温泉は雨です。山には低くもやが垂れこめ、うっそうと茂った若葉により温泉から眺める景色は深山幽谷の風情です。

昨日は朝宇都宮のメトロで買い物をしてから、午後はデザートを試作しました。一昨日の紫イモに続いて、石川県名産の五郎島金時(さつまいも)とバナナでもムースを作りました。いずれも砂糖不使用でレーズンを使っています。ムースとの相性は地元産の紫イモの方がよく、色も鮮やかな紫です。今後旬の過ぎたイチゴなど地元に出回る果物で試作を繰り返したいとおもいます。私自身甘いものが大好きで、ホテルのデザートブッフェなどには目がないのですが、いずれも砂糖不使用で十分な甘みですので、これなら食べることへのためらいがありません。試作中ですが、今後夕食メニューに加えて行きたいと思います。

今月28日(日曜日)は宿の前から続くトレイルで登れる赤面山(あかづらやま:標高1,701m)の山開きです。600名を超える登山者が集まり、ここ新甲子温泉にある旅館の温泉に300円(もしくは入浴料の半額の高い方)で入浴できます。

期待ほどではなかったMETRO

ぼくが新甲子温泉で暮らし始めてから最大の変化は、料理を作るようになったことかもしれません。自分で作り始めて5カ月、やっと自分の料理のスタイルが定まりつつあります。昨日はデザートを作りました。特産の紫芋を使った豆乳ムースでレーズンを使い砂糖は使用していません。上品な甘さですが、まだ改良の余地があります。

今朝は宇都宮にある業務用卸売り市場のメトロ(METRO)に行きました。開店時間の6時前から駐車場は早くも半分ほどが埋まっています。事前登録が必要で本人の身分証明書、営業許可証、酒販免許、法人の登記簿謄本が必要とかなり厳格で20分近く待たされました。ドイツ発の外資系企業にしては「お客様のサービスは私にお任せください」と書かれた黄色い法被を従業員が着るなどかなりベタな感じです。店内は寒く、冷凍コーナーは氷点下になるので上着を貸してくれます。期待とは裏腹に野菜は割高なものもあり、巨大ロットで買わないぼくの使い方では業務スーパーで十分という印象です。

本能の暴走を許す魔力

東京の街はどこか本能の暴走を許す魔力があって、自分を律することが難しい魅惑の世界だと感じます。東京に戻るといつも食生活が乱れ、一昨日できた吹き出物はいまも消えません。自宅にあった菓子の類も大半が自分の胃袋に消えました。それでも後悔がないのは宿の玄関を出て30秒で始まるトレイルでいくらでもエネルギー消化ができる環境にいるからです。

今朝も2時間ほどトレイルを歩きました。宿を出発する5時頃には気持ちのよい快晴だったのですが、10分もすると雨が降り始め、そして陸上トラックまで山道を下ってくると虹がでました。このあたりでも桜の季節は終わりに近づき、雨が新緑を洗い山は鮮やかに染まります。大自然の懐にいると日本の四季の素晴らしさを毎日感じることができます。

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