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生活習慣という全身性の問題

長年の持病は逆流性食道炎と腰痛です。腰痛は激しい運動をしなければ普段は忘れているのですが、逆流性食道炎は常に気になります。10年前は1、2割だった患者は、今では3、4割ともいわれ、国民病の一つです。増加の背景には、胃に負担をかける食生活などがあるとされます。検査をしても異常が見つからず、生活に支障をきたすほどでもないために長年放置してきたのですが、糖質制限を再開したついでに、取り組むことにしました。逆流性食道炎がタイトルにつく書籍は膨大な数にのぼり、悩む人が多いことが分かります。治療法は大半の生活習慣病と同じで、小食にして、胃に長く留まり消化機能に負担を強いる高脂肪食やカフェインなどの刺激物を避け、姿勢を良くして、腹式呼吸で横隔膜を鍛え、寝るときに枕を高くする程度です。あらゆる現代の病気は、生活習慣という全身性の問題であり、対処法もほとんど同じなのでしょう。

幸せをお金で買う

生命力あふれる新緑の季節に入り、戸外を歩くだけで幸せな気持ちになります。感受性を高めると、そこかしこに幸せを見つけることができますが、人はお金を払って幸せを買おうとします。もしかしたら今の日本は、人類が到達しうる最も幸せな国と言えるのかもしれません。基本的人権や自由があり、いつでも飲み水を入手でき、店には新鮮な食材が並び、物価は安く、治安は守られ、医療にアクセスでき、偽金を心配する必要も、手抜き工事でビルが倒壊することもなく、列車の時刻は正確で、街のゴミは片付けられ、何より四季が美しく、年初の日航機事故のようにいざとなれば人々は整然と行動します。少なくない自殺者など負の側面もありますが、世界の標準と比べれば総じて幸せです。さらなる幸せをお金で買おうとする人は、生活のスピードを幾分落とし、心の中から思い込みや執着という貧しさを追い出すとより幸せになるのかもしれません。

水辺のサマーコテージ

先週末にかけて、東名阪+静岡のサウナ施設をまわり、改めてトトノウとは何かを考えました。自分にとってのトトノイの条件は、静寂な環境、冷たい外気と自然、薪ストーブとロウリュの3点にあると感じます。どれほど立派で豪華な施設であれ、人であふれ返るような場所は不適です。都心で急増中の貸切サウナにしても、大半が電気ストーブで自然の心地よさを望むことはできません。記憶をたどってみても、最も整ったのはテントサウナで、自律神経バランスとアドレナリン半減期という身体の条件に加えて、残りの要素はシンプルに大自然のなかで感じる解放感にあるのだと思います。そう考えると、北欧のサウナが水辺のサマーコテージにあることに納得がいきます。補助金の投入もあって、日本中でさらに豪華なサウナ建設が進みますが、本質を見失っているような気がします。

トレードオフのジレンマ

地域て一番安い八百屋を目指す「フルベジ」が近所に開店して行きました。世田谷区の一部にドミナント出店をする店ですが、コモディティで勝負することの難しさ考えさせられます。健康食品の製造販売に行き詰まり、人々が継続して購入し続ける野菜と果物を破格な値段で売るビジネスに転換したと言います。値段は高くはないものの、スーパーの目玉商品に慣れた消費者の心を動かすほどに安いとは言えず、ポーションも微妙に少なく、鮮度も高そうには見えません。安く売るためには大量仕入れが前提となりますが、現在の店舗規模も不十分です。高円寺の高野青果のように、駅前の一等地で回転率を上げるビジネスとも異なり、立地も微妙で営業時間も短く、冷蔵施設もなく、レジは手打ち、支払は現金という、コストダウンを積み上げる方式には限界があります。トレードオフのジレンマから抜け出すにはイノベーションが必要なのでしょう。

個人的三つ星

昨日は遠州の小京都、静岡県の森町にある「精進懐石無庵」に行きました。百年以上昔に建てられた古民家を使った完全予約制で、一日1組しか受けない店ながら、夜咄懐石は7,000円と妥当です。谷崎潤一郎の陰翳礼讃にあるような、まだ電灯がなかった時代、西洋文化との不調和をきたす以前の、生活と自然が一体化した、真に風雅な日本人の美意識に回帰する店です。料理は質素で素朴ながら、生活に根ざした芸術的な感性や美意識の心地よさを感じさせてくれます。夕方に到着すると、ご飯が炊かれる竈の見える囲炉裏で梅茶を出され、庭と周囲の山の見える客間で食事をして、茶室で主人の点てる薄茶をいただき、ほぼ3時間の古き良き生活を体感できます。和蠟燭だけが灯る空間は、夜のとばりが下りるとブランドテストのように舌の味覚と触感に集中できます。炊き立てのかまど飯が主役の、茶事懐石こそが究極の日本料理と思わせる個人的三つ星の店です。

サウナをより深く理解する

静岡のしきじから始まり、名古屋のウェルビー栄、大阪のアムザまで2日間に入ったサウナのセット数は数え切れず、体中の水分が全て入れ替わったと思えるほどです。サウナ旅というよりはもはやトライアスロンで、一種の中毒であることも含めてエクストリームスポーツのカテゴリーに入れても良いと思います。ウェルビー栄のアウフグースシアターで行われる12分ほどのショーを3回見ましたが、観客もバカにならない汗をかきます。ドイツ発祥のアウフグースは日本でもにわかに盛り上がりますが、アウフギーサーの華麗なパフォーマンス、ロウリュの香りと蒸発音、大音響の音楽と照明による演出に引き込まれます。最大の魅力は観客も同時に汗をかくショーの一体感でしょう。アウフグースやウィスキングはまだ一般的ではありませんが、サウナをより深く理解する手段になることは間違いないと感じます。

にわかサウナーへの敷居?

昨日はサウナーの聖地として知られるしきじと、ウェルビー栄の中京圏を代表するサウナに行きました。しきじの駐車場は県外ナンバーが目立ち、その威光は今も衰えません。午前9時までは1,000円、以降1,500円という庶民的な価格だけに、健康センターそのものですが、売りはカルシウムとマグネシウムを豊富に含む、弱酸性の飲める湧水の水風呂です。刺青やタトゥーには厳格で、隠すためのサポーター着用も禁じています。ついでにサウナハットも禁止で、公式の理由は浴槽やサウナ内にフェルト素材が落ちることですが、にわかサウナーへの敷居を上げる老舗の意地にも見えます。一方のウェルビーは、こちらもアウフグース世界大会AufgussWM 2023にて優勝した硬派で、60人ほど入れそうなアウフグース専用シアターまで作る過激さです。氷点下25度の冷凍庫にアヴァント風水風呂を作るこだわりは、この施設のためだけに名古屋に行く価値がありそうです。

自炊の簡単さに人々が気づく

栄養バランスの崩れを改善するために、オメガ6系のオリーブオイルの使用を控え、セイロを使った蒸し野菜を食べる頻度が増えました。ご飯の量を半減したことで日中の睡魔と戦う必要もなくなり、毎日ご機嫌とまでは行かなくても体調は目に見えて改善し、そのことが精神状態に影響を及ぼしていることは明らかです。鍋料理は自炊をしない理由がないほど簡単に作ることができる栄養食ですが、蒸し料理はさらにシンプルで、もはや調理とは言えないレベルです。蒸しただけの野菜は食材本来の味をしっかり味わうのに最適で、調味料さえ不要です。彩りを考えれば立派な一品料理になり、ご飯やみそ汁があればもはやご馳走というレベルです。食材を洗って乗せるだけの蒸し料理の飲食店が少ないことは不思議ですが、もしかしたら自炊の簡単さに人々が気づくことを恐れているのかもしれません。

サウナトライアスロン

月曜日に泊まった池袋のサウナかるまるは、泊っているときの印象は微妙でしたが、夜中の2時過ぎに目覚めて、人の気配のないサウナに入ったことで気が変わりました。初日に良い印象がないのは、あまりに人が多かったからで、施設の水準に問題はありません。普段は睡眠を重視しますが、サウナを見に行くときは健康効果無視で、サウナトライアスロンのように様々な入り方を試します。あらゆるサウナランキングの上位常連施設だけに、朝7時からのアウフグースでも滝のような汗をかきます。その後は屋上で天然のレインシャワーを浴びる外気浴が心地よく、後半は好印象でした。至る所にダイソンのドライヤーが置かれ、充実したアメニティや豊富なタオル類にも抜かりはありません。6,000円払いきりで、これ以上の体験を得られるレジャーはなく、混むこととトトノイには不適な温度の水風呂さえ許容できるならおすすめできます。

理想のサウナ

2019年に開業した関東最大級のサウナ施設で、池袋にあるかるまるに泊まりました。施設の水準は高く、23時間滞在で6,000円を切る宿泊料金も妥当ですが、また行くかと言われると微妙です。随所にこだわりを感じ不満がない反面、サウナの成功要因であるトトノイから見ると疑問もあります。セルフロウリュができる100度のケロサウナは十分に汗をかけるのですが、問題は2ヵ所の水風呂の水温が、なぜか6度と25度の両極端で、16度でしっかり冷やすのがベストだと思っているので理解に苦しみます。18時以降に一般開放される薪サウナは14度の水風呂と外気浴スペースが目の前にありトトノウのですが、難点は混むことです。混む心配のない都心の貸切サウナは年々豪華になりますが、都市立地の施設では開放的な外気浴を望めないのが泣き所です。理想のサウナは、薪ストーブと16度以下の水風呂、自然を感じる外気浴スペースがある施設に真冬に行くことです。

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