moreはその意味を失った

フィアットのデイタイム・ランニングライトが切れました。9年と19.3万kmの間常時点灯している300円の電球が切れるのも無理ありません。新車で購入して以来のトラブルは、これ以外にはヘッドライトの玉切れだけです。自分史上最も長い距離を走りながら、2回の玉切れ以外のトラブルがないことは今の車なら当然としても、過去に乗った車でこれほど信頼性の高い車はありません。最も大量に作られる、最も安い大衆車が最も信頼性が高いという皮肉は、際限のない過剰消費社会のなかでmoreはその意味を失ったことを印象づけます。ヘンリー・フォードは「自動車を民主化すること」を自分の使命と考え、フォードシステムによって生産量を増やし、単位コストを下げ、消費の拡大を招く上昇スパイラルが大量消費社会を生み出しました。製品固有の特性よりも意味を付与された記号が評価される消費社会は、結局振り出しに戻る気がします。

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