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AIに仕事を駆逐される


今月から娘が新社会人となりましたが、新人でもリモートワークが許されるそうです。終身雇用が色濃く残る80年代に就職した世代には会社を辞めるという選択肢はなく、社畜となることで悲劇も生まれました。自分の場合は職業人生活の多くが裁量労働で、90年代からリモートワークをしていますが、誘惑の多い自宅で仕事をすることは今でも苦手です。コロナ禍を契機に働き方は大きく変わり、主体的に仕事に取り組める人にとっては無限の可能性を秘める反面、言われた通りに働く人は、かつてはグローバル競争の荒波にさらされ、今後はAIに仕事を駆逐される二極化を迎えているように見えます。AIと住み分けられるキャリアとして自分が第二の人生で目指すのは、宿の現場仕事をしながら、実務的なコンサルティングができるアドバンスト・エッセンシャルワーカーです。

移動の主体性


3月29日の夜、中国でシャオミ製の自動運転車が高速道路上のガードレールに衝突し、ドアが開かずに火災により乗員3人が死亡しました。障害物を検知し、目的地まで自動走行できる機能が解除された1秒後に事故が起きたと言います。翌30日には山東省青島市の高層マンションの部屋が爆発炎上する事故が発生し、こちらは違法に電圧のリミッターが外された2台の電動スクーターのリチウムイオンバッテリーが原因ですが、その爆発映像の凄まじさは衝撃的でした。日本では4月に入りMT車の免許を最初から取得することができなくなり、AT限定免許を取得後、限定解除として改めてMT車の免許を取得することになります。便利さは常に人間の能力を奪ってきましたが、AT車やEV車の行き着く先は自動運転であり、人類が行き延びた根源的活動とも言える移動の主体性を奪われる社会が、バラ色の未来には見えません。

潜在意識に刷り込まれた人生


人手不足が深刻化する中、自治体が教員確保に苦心していると言います。高知県の今年度採用の小学校教諭合格者の7割が辞退し、全国の採用倍率は2.2倍と過去最低を記録しました。自分が教育実習に行っていた頃は今より狭き門で、当時は学園ドラマ全盛期ということもあり、教員はやりがいのある仕事に見えました。実社会を知らない学生時代に描く夢などあてにならないと思っていましたが、結果として当時なりたかった教員とホテルの仕事を、今になって実現していることは不思議な気がします。人は潜在意識に刷り込まれた人生を、結局はトレースしているだけなのかもしれません。強く願えばその夢が実現するのと同様に、外部から刷り込まれた嘘も、何度も聞くうちに実現します。いずれ年を取ると体は衰え動かなくなる、という呪いが日本人の健康寿命を無用に縮めていると思います。

Googleマップが脳の地図を消す


週末の朝、昔はよく通ったレストランに行こうと車を走らせ始めると、以前ならすぐに店までのルートが脳の地図上に浮かび上がりましたが、脳はフリーズします。昔は地図さえあれば、目的地まで自分の脳の力だけで案内できましたが、Googleマップを使うようになって、脳の機能は劣化しているのがわかります。ナビ依存により空間認知能力が退化し、地図を覚えて運転していた時には活性化されていた海馬が仕事を放棄します。われわれの脳は縮み続けており、便利さの代償をいずれ人類は支払う時が来るはずです。脳も筋肉と同様に、使わない部分が衰える廃用性萎縮が起こります。前頭葉や海馬は機能低下が起こりやすく、体を動かすように脳を使う必要があります。記憶を強化するために、スーパーでの買い物の後、買った商品を思い出すなどしますが、AI時代は脳を鍛える必要性が高まると思います。

デザイン思考


東京大学は5年制の新学部「カレッジ・オブ・デザイン」を2027年9月に開設すると発表しました。薬学部以来70年ぶりに開設される文理融合型学部は、学生が自ら学ぶテーマを決めるのが特徴です。学部長に就くマイルス・ペニントン氏は「デザイン先導イノベーション」を専門とし、1877年の開学以来、初めての外国人になります。秋入学を導入し、1年間全寮制という環境もユニークです。世界最高峰のデザイン・アートスクール、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の流れを組む本学は、デザイン思考によるイノベーションの創出を目指します。20世紀のデザインは、プロダクトの形状や人間工学を意味しましたが、デザイナーがプロダクトを生み出すプロセスが、政策や戦略の分野でも有効とされるようになりました。「共感、定義、概念化」という過程を経ず、手っ取り早く儲かるモノマネ思考が、今日の日本の停滞をもたらした気がします。

復讐心が原動力


近所の図書館に行くと、接客に問題のある男性職員がいます。自分と同年配で、身ぎれいにしていて、いかにも一流企業を最近退職したという雰囲気ですが、態度と要領が悪く、いつもため息をついています。「俺は部長で〇億動かしていたんだ」とか言いそうなタイプで、短時間接するだけで不快になります。自由になれるはずの第二の人生を、いやいや仕事をして過ごすのは不幸ですし、まわりも迷惑です。長年言われるままに働いてきた人は仕事が嫌いで、ライフシフトを理解できず、仕事の主体性を放棄します。問題は、人生の切り替えには一定の時間と準備を要することで、老後はのんびりなどと悠長に構えていると、体も心も錆びついてしまいます。自分のように、第一の人生でたいした成功も達成感もない人間はむしろ有利で、失うものに執着することなく、そのコンプレックスと復讐心が第二の人生を生きる原動力になる気がします。

社員が辞めない会社


新社会人を見かける新年度が始まると、職業と人生について考えます。夢に胸を膨らませて、社会人生活をスタートする人がどの程度の割合か分かりませんが、他方で退職代行サービスの「モームリ」は盛況のようです。この会社だけで、年度末の3/31は150名、新卒初日は134名の退職が確定したといいます。労働組合法適合の労働環境改善組合と提携する当社は、団体交渉権を持って、組合に加入した依頼者に代わり交渉を行うため、会社側はこれを拒否することができません。正社員・契約・派遣は22,000円、パート・アルバイトは12,000円の成功報酬で、退職成功率100%を継続中と言います。無料で転職支援を行い、メンタルクリニックの紹介、企業に対しては「社員が辞めない会社」への助言をしています。企業と従業員双方を消耗させる雇用のミスマッチを防ぐには、最初からお互いが誠実に向き合うしかないのでしょう。

インフラの整備された日本


先日伊豆に行った目的の一つは、オフグリッド・キャビンを見るためです。隔絶された自然環境に、公共インフラから独立するラグジュアリーな宿は、テクノロジーが実現したさらに豪華なグランピングです。沼津市戸田にあるWEAZER 西伊豆は、76㎡の客室面積で、駿河湾を望む露天風呂やテラスがあります。テスラのバッテリーシステムと、控えめな屋根のソーラーパネルは多少未来的ですが、いずれ量産化されるはずです。建築コストは2億前後とされ、あくまでも実験施設でありショールームだと思います。この施設がインフラのある集落に立地するのはやや興ざめですが、南伊豆町にガラス張りのモダンな別荘として1971年に建てられたIzu Cliff Houseは、まさに絶景の隔絶されたロケーションにあります。隅々までインフラの整備された日本で、現代的なテクノロジーを使う必要があるのか考えさせられます。

少し親しい同居人


娘が就職し、肌寒い昨日は初出勤日でした。互いにあまり干渉をしない家族で、娘は海外にいた時間が長く、そのためか感慨深いこともありません。思い返すと娘は手を煩わせることがなく、子供の頃にぐずって親を困らせた記憶もありません。女子校を退学して自分で区立中学に転校を決め、海外留学先などの進路も親に相談することはなく、親よりはるかに世渡り上手で、就職先も事後報告です。お互いの誕生日に家族が揃うことはほとんどなく、35年目の結婚記念日も過ぎてから思い出す程度です。つかず離れずの、少し親しい同居人といった感覚で、それぞれが好きなように過ごす距離感は悪くない気がします。家族という呪縛にとらわれ過ぎればかえって摩擦が生じ、一人一人が自立し尊重することが先で、結局は結束力を強いものにするのかもしれません。

コストプッシュのあだ花


週末は伊豆・雲見温泉の民宿に泊まりました。充実した刺身の付いた夕食、夜通し入れる2つの貸切温泉、清潔な客室と寝具が揃って、土曜日に二食付き9千円少々で泊まれ、しかも部屋の売り止めをしているのかほぼ貸切状態でくつろげます。リーマンショックの頃は今では考えられないほど安かった高級ホテルに行きましたが、当時の4、5倍の値札をつける今は、高級ホテルや旅館にお金を使う気がしません。商品性の評価において価格は外せない要素であり、「金はいいから最高のものを持って来い」という考え方は、マーケット感覚をマヒさせビジネス人として不適格だと思います。インバウンドで賑わう一部の観光地は相変わらず物価高騰中ですが、そこで売り抜けて儲けられる事業者はわずかだと思います。夕食なら4、5万円、室料なら10万円が当たり前というコストプッシュ型の高額宿泊施設は、あだ花に見えます。

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