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一石三鳥の肉体改造


授業のために昨年から大月には20回ほど来ていますが、山に登る気にならなかったのは腰痛が理由でした。持病だった腰の痛みが消え、昨日は授業の後、扇山から権現山に登りました。夏に向かうこの季節になると、脱げる体へのダイエットや筋トレが話題になりますが、腰痛前なら夏山シーズンに向けて肉体改造を始める時期です。しかしその前に取り組むのは、おなかの周りにバームクーヘンのようにまきついた脂肪を落とすことです。サウナに入ると、自分のおなかの脂肪を見るだけでテンションが下がります。脂肪を落とすには、補給なしに行うスピードハイクのような長時間の有酸素運動が効果的だと思います。エネルギーの枯渇によりミトコンドリアが強化され、食事も美味しくなる一石三鳥の効果があります。腰痛を経験したことで、体を自由に動かせる喜びを知ったことは大きな収穫です。

最晩年に最高年収


季節の変わり目に人生について考えるのは、四季の変化が人生を象徴するからだと思います。美味しい料理を残して最後に食べるたちなので、人生の楽しみは最後に残しておきたい主義です。多くの人の誤解は、早く頂点に達することを人生の成功と考える点かもしれません。現役を退き数年で世を去る時代ならともかく、長寿を手に入れた現代人の特権は、第二、第三の人生を楽しめることです。人生は長距離走なのに、第一の人生でエネルギーを使い果たし、何となく落ちぶれていくと感じるなら、心穏やかな晩年とは言えないでしょう。ライフシフトのモラトリアムに数年を使った自分が目指すのは、最晩年に最高年収を得て、最後に贅沢をして良い思い出とともにこの世を去ることです。その点において、無一文の65歳から起業して世界企業を作り上げ、ロールスロイスを乗り回すようになった、カーネル・サンダース以上のロールモデルはありません。

リハビリが逆効果に


達人のストレッチを受けてから腰痛が一気に緩和され、リハビリ第二弾として高尾山に行きました。と言っても高尾山のピークを踏むわけではなく、南高尾から城山(670 m)に登り、堂所山(731 m)から北高尾経由で戻るマイナーなルートのため、ハイカーに会うことはほとんどありません。高尾山口駅から一周27.5kmのラウンドトレイルはトレランレースのショートコース並みで、スパルタンなアップダウンはトレーニングに最適です。しかし病み上がりの体には過酷過ぎたようで、無補給のためか、北高尾の後半はエネルギーが枯渇して失速し、するさしにある峰尾豆腐店で豆腐を食べました。このエイドステーションがなければ、水行道場のある蛇瀧から高尾山駅への標高差280mでさえ登れなかったはずです。最近の腰痛治療は動かして治すが基本ですが、リハビリが逆効果にならないよう、少しづつ強度を上げるべきでしょう。

サウナ室の差別化は限界?


日本最大級のサウナショールームである、Harvia Sauna Studio TOKYOに行きました。サウナブームの急激な拡大によって消費者の目が肥え、もはやサウナ室内での差別化は限界を迎えているのかもしれません。目を引くのは4人から6人が入れる、薪で沸かすホットタブです。冬の屋外サウナの定番で、北欧のサウナ施設でよく見かけますが、南会津で川の近くに置いた魅力的な風景を妄想させます。天井から指向性の高いスポットライトをサウナストーブに落とす照明器具も魅力的です。天井付近の温度は150℃前後まで上昇するために、一般的な照明器具を付けることはできませんが、床に置いた光源からケーブルで光を伝えるもので、ロウリュをしたときの湯気を幻想的に光らせることができそうです。しかし、ハード面の差別化はすぐに模倣されるために、新たなサウナ活用のソフトが求められているのだと思います。

フラット登山


昨日は山梨百名山の秋山二十六夜山(972 m)に登りました。日の出前から登り始めると新緑のトレイルを独り占めでき、8時前には帰宅できます。先日13歳になったラブラドールは、散歩のときの歩くスピードが格段に遅くなりましたが、山に入ると見違えるように俊敏な動きを見せ、山に行くと元気になるのは人だけではなさそうです。人も犬も本来いるべき場所で過ごすと、体が生き生きと喜び活性化されます。日本には1974年に開通した東海自然歩道を皮切りに、全国に10の長距離自然歩道があり、その総延長は27,803kmと長大です。ピークハントを目指さない「フラット登山」が注目され、森林浴と有酸素運動を楽しむ人が増えていると言います。それでも、下山道をゾーン状態で駆け降りることこそ最高の楽しみであり、腰痛が治り再び自由な体を手に入れたことに勝る喜びはありません。

犬と花に囲まれる生活


近所にバラが美しく咲く庭があり、この季節になるとその家の前を通る機会が増えます。ホテル業界では造花を置くと倒産するという、都市伝説的ジンクスがありますが、美しく咲く花はポジティブな感情と生命力を人に与えるはずです。高齢者施設に入る母を訪ねスマホで写真を見せると、一番喜ぶのは犬の写真と花の写真で、これらは無条件に人を幸せにすると思います。3万年以上の歴史において人間とともに共同進化した犬との絆は深く、ふれあいにより人間と犬双方にオキシトシンが分泌されることが知られます。他方で猫は効果の一貫性がないものの、信頼関係が築かれた動物であれば、種を問わず相互のポジティブな生理反応が期待できるとされます。一方生花は、副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの低下が確認されていますが、香気成分や自然とのつながりが感じられない造花には、ストレス軽減効果は期待できないようです。

夢を見させ続ける演出


N-VANがリコールになりディーラーに行きました。旅館の軽トラを除くと、N-VANは初めて買う国産車で、国産車ディーラーに行くのも親の車に乗っていた学生時代以来です。CIでデザインされた今時の店舗とは違い、ホンダの店は庶民的ですが、車寄せに停めれば、あとはフリードリンクとWi-Fi完備の席で待つだけで、時々スタッフが構いに来てくれるのもポルシェのディーラーと同じです。軽の商用車なのに、室内外がきれいに清掃、洗車されて戻ってくるのは過剰品質にさえ思えます。自動車好きを自負する自分にとって、唯一の存在理由は国産車には乗らないという偏狭なこだわりでしたが、ポルシェの工業製品としての信頼性にはがっかりすることが多く、現実はN-VAN以下だと思います。日本の公道ではストレスをためるだけの性能や、人に自慢できるステイタス性を悪趣味と思えるなら、両者の違いは夢を見させ続ける演出だけなのかもしれません。

最後のフロンティア山小屋


星野リゾートが山岳観光に特化した、6番目となる新ブランド「LUCY」を立ち上げました。9月1日に開業する尾瀬鳩待を皮切りに、立山を含む全国の山岳観光地に展開する予定です。世界有数の山岳地域を擁する日本は、豊かな自然環境を活用した観光で出遅れていると思います。ヨーロッパのアルプスには、洗練されたサービスとデザインの山小屋があるようですが、貧しい時代を色濃く残す日本とは異なります。初めて山小屋に泊まったのは中学生の時ですが、当時は布団1枚に3人が寝る劣悪な環境でした。コロナ禍を経て宿泊定員が減らされ幾分快適にはなりましたが、それでも山小屋の宿泊機能は快適とは言えず、テント場があればテントを選びます。年間スキー滑走日数80日のKPIを掲げる星野佳路氏が最もやりたいのは、おそらく山岳ホテルであり、最後のフロンティアである山小屋に、イノベーションを持ち込んでほしいものです。

外付けの脳


毎朝400字未満の文章を書く習慣は、2017年の元旦に始めました。知能を超える勢いの生成系AIが洗練された文章を書く時代になると、書くことは人に伝えるだけではなく、脳を守る習慣になると思います。かつて走る行為は狩猟のための必然でしたが、現代人は健康のためにトレッドミルの上を走ります。脳を守るためにデジタルデトックスが必要なように、文章を書くことはAIデトックスとして意味を持つはずです。いくつかの文章をChatGPTに採点してもらうと、構成力:B+、表現力・言葉選び:A-、思考の深さ・独自性:A、総合評価:A-、と評価し、これが自分の文章スタイルのようで、具体的な改善点も分かります。TEDが世界の賢人の声を届け、Duolingoが言語能力を高めるのは、機械が農業の生産性を飛躍的に高め、車により遠くへ行けるようになったのと同じです。外付けの脳を最大限生かすことなしに、ビジネスで生き残ることは難しいのかもしれません。

都市と地方のすれ違い


連休中に外出し自宅に戻ると、生ものの配達の不在通知が届いており、インターフォンには配達員が訪れた2度の画像が残っていました。ゴールデンウィークという行楽シーズン真っ只中に、生ものを人の家へ送るべきではない、と考えてしまうのは、ある種の“都会的な感覚”なのかもしれません。都市部では、普段から時間に追われ、週末くらいは遠出したいと考えるのが自然です。しかし地方に目を向けると、事情は異なります。白河で古民家サウナの工事を始める際、近隣の約20世帯に土曜日の昼間に挨拶へ伺いましたが、ほとんどの家で在宅されており、休日の過ごし方でも、都会の感覚が通用しないことを実感しました。私たちはつい、自分の常識を絶対視し、他人を判断しがちです。しかし、相手を思いやるのであれば、自分とは全く異なる価値観で暮らす人々が大勢いることを、常に心に留めておく必要があるでしょう。

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