初代が伊藤博文、四代目が陸奥宗光という由緒ある兵庫県知事の出直し選挙の投開票日を迎えました。真偽不明の噂を流したマスメディアによって全国の耳目を集めたわりに、前知事の演説に集まる異様な県民の数と熱気をマスメディアは伝えません。おねだりとパワハラ疑惑も、名指しされた企業が嘘だと証言し、第三者委員会がハラスメントはなかったことを認定しています。浮かび上がるのは、百条委員会、議会、マスメディア、県職員組合が結託した、既得権益層の組織票対草の根のSNS型選挙です。公益通報と誹謗中傷を混同させる誘導に疑問を持つ県民が、前知事の演説に集まるのは真相を知りたい切迫感を感じます。利権政治への怒りという地殻変動は、自浄作用が期待できない地方自治の構図を変える力を持ち、2024年は政治に関心がなかった国民が覚醒した年として記憶されるのかもしれません。
制限速度でも楽しい
知人が近所の30km制限の道で移動式オービスに撮影されました。その神出鬼没さからドライバーを恐怖に陥れる移動式オービスですが、警察も日本中のドライバーを敵に回さないように配慮はしているようです。世田谷区に限れば、設置場所に共通するのは一定の交通量がある30km/h制限の生活道路で、近くに学校や病院があり比較的歩行者が多いことのようです。肖像権などの問題から反則行為(青切符)には光らなかった固定式オービスに対して、2018年8月の閣僚会議で導入が決まった移動式オービスは、従来のネズミ捕りと同様に微罪?でも取り締まるようで、運転マナーが全般に改善するなか、予算達成のために速度が厳しくなる可能性もあります。過去にネズミ捕りと覆面パトカーにそれぞれ2回捕まりましたが、今乗るN-VANは制限速度でも運転が楽しめ安全な気がします。
失われた30年の元凶
第二次トランプ政権における最大の目玉とされる、新設の政府効率化省(DOGE)のトップに、イーロン・マスクと実業家のヴィヴェック・ラマスワミが就任しました。税金の使い方を効率化することで巨額の予算を生み出そうとする野心的な試みは、1980年代の初め、財政赤字の急拡大を改善するために設置された土光臨調を思い出させます。428の政府機関を99に統廃合し、官僚の数を75%カットするという野心的な計画は、政府機関の再構築と言えます。増税をしても、結局タックスイーターによって歳出が無限に拡大し、いつまで経っても財政状況が改善することはありません。防衛増税が議論され、官僚は国民へのサービスが低下すると脅しますが、減税により経済を活性化することでしか財政状況を改善することはできないと思います。成長期の利権政治の温存こそが、失われた30年から立ち直れない元凶だと思います。
錯覚させるための巧みな演出
母がお世話になる高齢者施設が徒歩圏にあるので、時間のあるときには立ち寄ります。働いている方には申し訳ないのですが、正直に言えば気の滅入る場所です。食事時に行くことが多いのですが、職員の気を引くために食器をたたく人、うめき声をあげる人、いつも同じ話や自慢をする人を見ると、そこには人間らしい営みを感じることができません。入居金3億超えの超高級老人ホームのルポが出版されましたが、読まなくてもおおよその内容は予想がつきます。お金を別とすれば、幸せの基盤は自由と健康と愛情だと思いますが、残念ながらそのいずれをも期待することはできません。「高級とは、客を錯覚させるための巧みな演出があるかどうかだ」という帯の文章に納得します。いくらお金を積もうとも、監獄というその本質からは離れることができないのかもしれません。
人間に残された最後の仕事
AIはパソコン同様に必携の仕事道具になりつつあります。論点の整理や仮説抽出などの使い方でも大幅に時間が効率化され、ホワイトカラーの9割が不要になるとの議論も、大げさには聞こえません。在宅ワークの普及が、ホワイトカラーの仕事の空虚な側面をクローズアップしたと思います。AI時代に生き残る人間の仕事は、アドバンスドエッセンシャルワーカーと呼ばれる高度現場人材とされますが、付加価値創造の現場に近い、根源的な仕事に回帰するのは好ましい傾向です。年初に亡くなった父は、パソコンを使わなかった最後の世代で、パソコンで仕事をしていると、よくそんなおもちゃで金を稼げるなと非難めいたことを言っていました。人は新しいテクノロジーにアレルギーを示し、それが自分の立場を危うくするものであればなおさらです。実体験に基づく付加価値創造こそが、人間に残された最後の仕事のような気がします。
政治は結果がすべて
国民民主党の玉木代表が不倫報道を認め、謝罪会見を開きました。首班指名の絶妙なタイミングを狙った露骨なスキャンダル報道は、玉木氏本人や党にとっても失点にはならなかったように見えます。SNSのコメントには擁護論が目立ち、むしろ批判の矛先は、党の躍進を一番苦々しく思っているはずの古巣である財務省や、マスメディアに向かっています。謝罪会見も模範的で、肝心なところで転んでしまう人間らしさを印象付けました。家族への思いを語った誠実さもプラス材料で、清々しささえ感じ、リスクマネジメントができることを印象づけました。首班指名当日の話題を、他人を散々批判しながら、自分は全く責任を取らずに居座る首相から奪った格好です。政治家は結果がすべてであり、決して聖人君子を求めていないのは、トランプ氏が熱狂的に支持されることからも証明されているのかもしれません。
ヒッピームーブメント再び
日米で大きな選挙が終わり、週末は日本中が注目した兵庫県知事の出直し選挙が行われます。マスメディアは、ネットメディアが伝える前知事にかけられたパワハラ、おねだり疑惑が虚偽であったことを一切報じませんが、前知事の選挙演説に集まる異様な数の県民と熱気を見れば、マスメディアと利権や議会の癒着構造が真実味を帯びます。衆議院選挙で国民民主党の大きな躍進を支えたのは、SNSを通じた若年層の政治参画意識の高まりとされますが、どこかアメリカ西海岸を中心に起こったヒッピームーブメントの再来を思わせます。東洋思想への傾斜が一時的なブームで終わったのは、結局のところ西洋的な世界認識から抜けきれなかったからだと思います。しかし、国民民主党の掲げる、103万円の壁の引き上げやガソリン減税が実現するなら、若年層の政治参画を起爆剤に、社会は変わり始めるのかもしれません。
人らしく生きる
ラブラドールがお世話になっている近所の動物病院の経営が変わり、不便になりました。夜まで診療をしていていつでも行けるのが便利でしたが、今後は予約が必要になります。経営を成り立たせるためには致し方ないことですが、自分を可愛がってくれる病院に行くのが大好きなラブラドールにとっては大問題です。犬は犬好きの人を一瞬で見抜く能力を持ちますが、同様に自分の好きな場所に行くときは全身で喜びを表現します。動物病院に向かう道を通るとグイグイとリードを引っ張り、目的地に近づくと走り出します。12歳になり、散歩の時の歩くスピードが落ちましたが、ボールをもって公園に行くときは普段が嘘のように早足しです。犬派の人々が魅せられるのは、天真爛漫でいつも人と真剣に向き合うひたむきさだと思います。おそらく人間も、大好きな何かや関心を失えば、人らしく生きているとは言えないのかもしれません。
作り手の論理から自由に
気温が下がりおでんや鍋、湯豆腐の季節になりました。簡単に作れて、食事にライブ感が加わり、体が温まり、食材原価もわずかで、部屋を暖める効果もあります。おでんは具を足せば数日間楽しめ、その後はおからを入れて総菜に変わります。毎日の食事の回数が1、2回に減ったこともあり、外食や中食の機会はサラリーマン時代の10分の1にも満たないと思います。生産と消費を自ら行うメリットは、食材や調味料、油、消毒などによる健康リスクを下げることですが、産業に食を依存しなくなると作り手の論理からも自由になれる気がします。高価格な外食になるほど、調理側の芸術性が強調され、料理表現からコース料理におけるワインペアリングなど、作品としての作り手のこだわりがいつしか押し付けに変わります。食事の本質が健やかに生きるためであるなら、お金を払って不自由を選択することに合理性を見出すことができません。
銀行跡地が街を再活性化する
最寄りの下高井戸駅前にあった三井住友銀行の店舗が、1月前に新コンセプト店舗Olive LOUNGEに刷新されてから、街の表情は一変しました。京王線の高架工事により、駅前の景色は日々変わりますが、夕方にはシャッターが閉まり、閉鎖的な印象を付近に与えていた銀行が、朝7時から22時まで営業し、土日も人が集まる場所になる影響は少なくありません。Olive LOUNGEとしては渋谷店に続く2号店となり、郊外型の1号店と位置づけられ、開業日は関係者で入りきれない状況でした。1階にはスターバックスとATM、2階は三井住友銀行とカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する63席のコワーキングスペースが入居し会議室も用意されます。銀行のサービスがオンラインで完結し、金融サービスが多様化する今、支店閉鎖は世界的なトレンドですが、一等地に店舗を構えていた銀行跡地が街を再活性化する可能性を感じます。