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誰もがほどほどに幸せ

多くの人が神社に行き日本的な食事をする正月は唯一日本人らしく振舞う機会です。和食や禅が世界で評価される一方、住宅から畳が消えるなど日本的な暮らしをわれわれは捨てています。自然に恵まれ共存してきた日本ほど幸せに近いライフスタイルを持つ国はないと思うのですが、日本の伝統よりアメリカ発のポジティブサイコロジーなどの流行を有難がる風潮もあります。本音と建前の使い分けや遠慮や忖度ばかりが注目され、他人の目を気にする不幸な国民という文脈で語られる日本ですが、何事にも控えめな謙虚さこそが美点でしょう。清貧の思想のように日本の幸せは控えめで決して裕福である必要はありません。高度経済成長期が1980年代に入りハイソカーブームやシーマ現象が起こり、皆で豊かになるのではなく自分だけが豊かになりたいというエゴが頭をもたげ始めた頃から日本人は謙虚さを失ったと思います。日本が世界で評価されるのはトヨタ製品のクオリティばかりでなく、嘘をつかない、約束を守る、人を見下さないといった日本人の美徳に発する信頼にあるのに、人より優位に立ちたいという卑しさが高まっているように感じます。幸福感をもたらすセロトニンの分泌量は一定量で誰の人生もほどほどの幸せという実感に落ち着くのですが、物質的豊かさに執着し消費に意味を見出そうとするほど離欲の幸せという日本の良さは失われていくと思います。

途上国こそ日本人の生きる場所?

年末のビッグニュースはカルロス・ゴーンの不法出国でしょう。ゴーンの言う「不正に操作された司法制度」の日本から公金の横領天国で政治と経済の混乱が続くレバノンへの逃亡はレバノン市民の間にも賛否があるようです。ゴーン事件が投げかける論点の一つは日本的経営の総括だと思います。世界の創業200年以上の企業5千数百社の56%強が日本にあり、日本的経営の最大の特徴は踏襲の文化と老舗経営にあります。間接金融による特有の資本構造も長期的成長を前提に構築され継続性を重視する風土に、バブル崩壊の自信喪失から欧米流の個人主義と収益重視の経営を持ち込んだことが誤りだと思います。終身雇用を志向する日本企業が教育を重視してきたのに対し、80年代以降日本に持ち込まれた経営手法は手順重視の欧米流のものばかりですから適合するはずもありません。明治維新前後に日本を訪れた外国人が一様に驚くのは貧しいながらも卑しさのない暮らしぶりだとされます。ソニーもホンダも松下も戦後の荒廃からスタートして世界有数の企業になりましたが、物不足の時代にこそ日本人は力を発揮すると思います。経済的に豊かになった今の日本は卑しい人が増え、お金がないことを過度に不安に感じる社会になりました。日本人が活躍できる場所はお金になりそうもない途上国なのかもしれません。

一歩一歩前に

あけましておめでとうございます。達成した試しがない今年の目標設定は止めました。人生は無情にも日々短くなっていきますが、そのスピードを加速するのは今に安住する惰性的な生き方です。その流れを止めるのは新たな行動しかなく、一年でどれだけ職業人としてのスキルが向上したかが重要ですが、環境変化に対して十分なものではありません。新たな人生の展開をもたらすきっかけは辛さやストレス、プレッシャーが原動力になり前に進むしかないと思います。安住を求め守りにまわった瞬間から人生は先が見えて坂道を下り始めます。昨年はトレイルレースにほとんど出ずわずか50kmほどを走っただけで、体と心の充足は大きなテーマです。旅館経営の再開は重要課題ですが、トレイルレース同様遠いゴールでも一歩一歩前に進みたいと思います。進歩は常に不安や不快な状態から起こるもので、少しでも行動をすればやがて事態を好転させるチャンスを掴むことができるのでしょう。自分を変える挑戦に積極的に動き前進することだけが不安や悲しみを癒すことができ、あれこれ悩む前に行動する以外に答えを見つける方法がないことをこの3年で学びました。

一人で生きていく

2週間ほどわが家に滞在していたオーストラリアの留学生が昨日帰国しました。志望していたシドニー大学の合格通知は滞在中に届きました。高校1年の時に娘の高校に通うために来日し一緒に暮らしてから2年のブランクがありますが、不思議と離れていた印象がありません。その後今度は娘が留学に行き、家族3人が東京、福島、ニュージーランドと1年間離れて暮らしましたがEメールやSNSを一切禁じられていたのに、気にはかけても寂しいという感情はお互いに持ちませんでした。スカイプやメッセンジャーがあるからどこにいても寂しくないのではなく、一人の時間を楽しめることが重要だと思います。一人で依存せずに生きていくことはハードルが高く、死別や離婚後男性が早く死ぬのは日常生活を女性に依存しているからだと思います。現代の医療が問題なのは、患者が治療に参加する環境になく自分の健康を人に委ね、自ら健康を取り戻す可能性を放棄していることです。介護を含めた社会保障費を押し上げているのは依存を奨励する社会です。脳が報酬を求める習性を利用して企業は消費者を自社商品の依存症にしようとします。人に依存せず異国で一人生活をする高校生の世代が世界を大きく変えて行くことでしょう。

贅沢と無縁の静かな年末

年末になるとスーパーのありがたさを感じます。365日店によっては24時間営業するスーパーほどわれわれの生活に密着するビジネスはありません。便利が当たり前になり、現代人は感謝を忘れがちですが、スーパーやコンビニという補給線なしに都市は存続できません。われわれが生命をつなげるのはスーパーがあるからですが、ビジネスは地味で収益性の面でも決して恵まれたものではありません。日々の品出しなどその手間は大変で、気楽な消費者は日付の新しい商品からピックアップしていきます。年末で混雑する店内を見ていると、この人手不足の時代にスーパー経営をするなど芸術の領域だと思います。大量の品を切らさず、大量の客をさばき、さらにおもてなしまで要求され、被災地では自分の家のことよりも店の営業を優先したと聞きます。生まれたときからある近所のスーパーは正月三が日は休業することを伝統にしていますが、たかだか3日店が閉まる程度で不便に感じる人は都市の生活に毒されていると思います。豪華なおせちや海外旅行などの贅沢と無縁の静かな年末を迎えられるささやかな幸せに感謝するぐらいが、心穏やかでいられると思います。

財政を破壊する思いつき投資

先日、ある自治体の三セク施設に宿泊しました。建設された時代背景もありますがこの手の施設に共通するのは事業収支など全く意に介さない過剰投資です。無意味に長い動線は空調や清掃コストを増やし、何より客や従業員がこの距離を移動する時間がコストです。大浴場までは往復数百メートルありお年寄りには過酷な距離です。かつては自治体に賃料を支払うことで貢献していた施設が、今は逆に助成を受けねばならず民間経営ならとっくに破綻しています。自治体の大きな悩みの一つがこれらの過剰なハコモノの後始末です。バブル崩壊後三セクの経営実態が問題視されましたが、この問題はオリンピックという免罪符で今もハコモノが作られ続ける現在進行形です。ハードばかりでなくソフトにも問題があり、半官半民施設ゆえにターゲット設定がなく利益の見込めない商品力向上に経営資源を投じ、他方で売上減少を加速させるようなコスト削減が行われています。船頭ばかりが多いうえにそれが時々変われば経営責任など無いに等しくなります。今の時代に売上を上げる方法は商品の卓越性しかありませんが、具体的な利用シーンのイメージのないままに思いつきで投資を繰り返しているように見えます。素敵なゲストに出会えることこそ宿泊施設経営の最大の楽しみだと思いますが、それを放棄する経営は愚かなばかりでなく自治体財政まで破壊しかねません。

昭和の空気を今に伝える組織

昨日は運転免許証の更新に行きました。昭和の空気を今に伝える組織は警察署ぐらいだと思います。昨今は役所でもお客様と呼ばれるご時世ですが、昭和の時代は民間企業もひどい状況で、今では考えられませんが路線バスやトラック、タクシーのあおり運転など日常茶飯事でした。規律維持のための批判を許さないコマンドアンドコントロールの組織風土がそうさせるのでしょうが、内部の論理だけで作られた商品が社会に受け入れられることはありません。交通警察の使命は交通安全ですが、免許更新時の啓蒙活動が極めて重要なはずで、せっかくの講習の機会をより効果的なプレゼンテーションにする必要があります。交通事故の悲劇は人々の心を打ちますし、受講者がなるほどと思える役に立つ情報提供をするなどいくらでも改善の余地があります。前例踏襲の昔ながらの退屈な講習で寝る人を注意する前に自分たちの仕事を評価すべきです。普通の市民を相手にする免許更新業務はすべて民間委託すべきで、印紙販売から写真撮影までひどい対応の連続に辟易します。大量の客を的確に笑顔でこなすディズニーリゾートやマクドナルドに見習ってほしいものです。

健康に良いのは恋愛だけ?

一般家庭に育ち、学生時代から政治家の秘書になり32歳で参議院最年少当選したアグレッシブさは政治家に必要な天性の資質かもしれません。鈴木宗男氏以来17年ぶりに収賄容疑で逮捕された秋元議員の上昇志向は常にお金を必要とします。もし彼が学生ベンチャーからそのまま企業社会に身を投じていても大成したことでしょう。金はあってもなくても不幸の原因になります。金を持つと空気のような存在になり、その先の不幸への警戒を解いてしまいます。彼が採決強行した「カジノ法」もやがて同様の不幸をばらまくでしょう。ニコチンやアルコールなど物質に対する依存症はこれまでに治療プログラムも確立されていますが、ギャンブルや食べ物、買い物など物質を介さない行為依存に関する研究は進んでいないのが実態です。依存症にはアルコールなどの物質依存、ギャンブルなどの行為依存、恋愛などの人間関係依存がありますが、このうち健康に良いのは恋愛だけでしょう。ギャンブル依存になる原因の一つはビギナーズラックとされますが、最年少当選というビギナーズラックが彼の人生を狂わせてしまったのかもしれません。

最低価格の最強ブランド

もっとも頻繁に使う外食はマクドナルドです。飲み物しか頼まないので平均消費単価は200円ほどですが出先のオフィス代わりになり、昨日も西那須野と白河の2軒に寄りました。24時間使えて、机と電源とWi-Fiを提供してくれて昨今は居心地も悪くありません。昼時はもちろん、朝早い時間でも人が入り活気があります。いきなり!ステーキや大戸屋など一時期はプライスコンシャス時代の勝ち組と目されていた外食企業の失速が伝えられ、外食ほど栄枯盛衰のはかなさを感じる業界はありません。マクドナルドやスターバックスもその例外ではなく、苦しい時期を乗り越えてきました。人手不足の昨今時間帯によってはサービスレベルが極端に低下することも散見されますが、いつも決まった方法で手早く提供することで顧客の期待に応えるマクドナルドほどブランドに対する信頼感が高い企業はないと思います。日本でもホテルのブランドが頻繁に変わる時代に入り、ブランドが意味を成さなくなりましたが、卓越したブランド力を持つ企業が最低価格帯というのも皮肉な話です。

世紀の金融犯罪?

日本工学院の授業のケーススタディにワークマンを取り上げ、高騰を続ける株価はバブル時代の再来のようだと話していたのは1ヶ月ほど前です。米中政府の株価操作もあって昨日はそこからさらに28%も上昇して、年率換算なら恐ろしい倍率です。昭和の時代は遊ぶと言うと競馬に麻雀、パチンコにゴルフと相場が決まっていてどれも賭けの対象?ですが、株ほどギャンブル性の高いものはない今の時代はいつか来た道です。株式を金融商品ととらえ短期売買で儲けようとする投機的株主と、企業に資金を提供し成長させて配当を受け取る安定株主を一緒にするところに株主至上主義の致命的欠陥があります。ROIを用いると分子の利益が一定なら分母の投資額を減らすと投機的株主は喜びます。日本的経営が想定したのは後者なのに投機的株主が会社を乗っ取ると安定成長や安定雇用を守れなくなります。90年代以降注目されたプロ経営者が胡散臭いのは多義的な企業価値について金儲け以外の尺度を持たなかったからだと思います。会社の時価総額を4年で6分の1以下にしてしまい株券印刷会社と揶揄されても居座る大塚家具の社長はその時代の残滓なのか、それともビジネスモデルに見切りを付けた父娘が大塚家へ高額配当を還元するために仕組んだ自作自演のプロキシーファイトだったのでしょうか。血肉を分けた親子が共犯なら世紀の金融犯罪が暴かれることはないでしょう。

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