年末のビッグニュースはカルロス・ゴーンの不法出国でしょう。ゴーンの言う「不正に操作された司法制度」の日本から公金の横領天国で政治と経済の混乱が続くレバノンへの逃亡はレバノン市民の間にも賛否があるようです。ゴーン事件が投げかける論点の一つは日本的経営の総括だと思います。世界の創業200年以上の企業5千数百社の56%強が日本にあり、日本的経営の最大の特徴は踏襲の文化と老舗経営にあります。間接金融による特有の資本構造も長期的成長を前提に構築され継続性を重視する風土に、バブル崩壊の自信喪失から欧米流の個人主義と収益重視の経営を持ち込んだことが誤りだと思います。終身雇用を志向する日本企業が教育を重視してきたのに対し、80年代以降日本に持ち込まれた経営手法は手順重視の欧米流のものばかりですから適合するはずもありません。明治維新前後に日本を訪れた外国人が一様に驚くのは貧しいながらも卑しさのない暮らしぶりだとされます。ソニーもホンダも松下も戦後の荒廃からスタートして世界有数の企業になりましたが、物不足の時代にこそ日本人は力を発揮すると思います。経済的に豊かになった今の日本は卑しい人が増え、お金がないことを過度に不安に感じる社会になりました。日本人が活躍できる場所はお金になりそうもない途上国なのかもしれません。