財政を破壊する思いつき投資

先日、ある自治体の三セク施設に宿泊しました。建設された時代背景もありますがこの手の施設に共通するのは事業収支など全く意に介さない過剰投資です。無意味に長い動線は空調や清掃コストを増やし、何より客や従業員がこの距離を移動する時間がコストです。大浴場までは往復数百メートルありお年寄りには過酷な距離です。かつては自治体に賃料を支払うことで貢献していた施設が、今は逆に助成を受けねばならず民間経営ならとっくに破綻しています。自治体の大きな悩みの一つがこれらの過剰なハコモノの後始末です。バブル崩壊後三セクの経営実態が問題視されましたが、この問題はオリンピックという免罪符で今もハコモノが作られ続ける現在進行形です。ハードばかりでなくソフトにも問題があり、半官半民施設ゆえにターゲット設定がなく利益の見込めない商品力向上に経営資源を投じ、他方で売上減少を加速させるようなコスト削減が行われています。船頭ばかりが多いうえにそれが時々変われば経営責任など無いに等しくなります。今の時代に売上を上げる方法は商品の卓越性しかありませんが、具体的な利用シーンのイメージのないままに思いつきで投資を繰り返しているように見えます。素敵なゲストに出会えることこそ宿泊施設経営の最大の楽しみだと思いますが、それを放棄する経営は愚かなばかりでなく自治体財政まで破壊しかねません。

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