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面子を捨てた業界再編

藤田観光が東の椿山荘と双璧を成す大阪市の太閤園を国内法人に売却し329億円の特別利益を計上すると公表されました。2019年のG20大阪サミットの閣僚会合に使われた同社を代表する施設は会社にとって精神的支柱と言えます。ワシントンホテルの売上が前年比の26.6%に留まったのが致命的で会社再建のための苦渋の決断であったことは想像に難くありません。債務超過は回避したものの大きく毀損した自己資本比率は1.2%に低下しました。しかし、決算説明資料に並ぶ文言はリピーター獲得や高付加価値商品による収益確保など平時と変わらず、徹底したコストカットや資産売却以外に効果のある施策が見られず、経営陣以下どうして良いのか困惑しているのでしょう。一時帰休や処遇変更により中核となる人材の慰留が困難になれば負のスパイラルが止まらなくなります。業界はSARSやテロの影響により客室稼働率が落ち込む困難を乗り切った経験がありますが、今回は供給過剰の市場を前例のない落ち込み幅が襲い、かつての日産が行ったような面子を捨てた業界再編規模の経営の刷新が必要な局面を迎えているように見えます。

コロナ禍がもたらす幸せ

串カツ田中はトレードマークとも言える二度づけ禁止のソースをかける方式に改めてから廃棄ソースが7割減ったと伝えられます。従来は当然とみなしていた習慣のなかにはオフィスでの仕事のように止めて良かったことも少なくありません。厳格な都市封鎖をすることなく国際的には優等生と言えるレベルまで感染を抑え込んだ日本では、コロナ禍に好ましい面を見出すことができます。ウィルス干渉もあって風邪やインフルエンザが激減し総死亡者数は例年より減ったとされ、心がけ次第で人は健康になれることが期せずして証明されたと思います。飲食店には気の毒ですが、ナイトライフが制限されたことでサーカディアン・リズムに沿った健全な生活を多くの人が取り戻し、社会全体の健康は増進されたと見ることもできます。元々衛生環境に優れ意識も高い日本で手洗いや咳エチケットが継続されるなら、感染症予防が徹底され無用な薬を飲む無駄もなくなります。不摂生な生活習慣を改め健康になれば幸せの半分は実現されたのも同然でしょう。

野暮なデザインが低成長の原因

昨日近所の八百屋さんで見かけたラベルに目が止まり結局その店で買い物をすることになりました。菊芋は水溶性の食物繊維イヌリンが多い天然のインスリンと呼ばれ血糖値上昇が穏やかになり、食物繊維量がごぼうの倍とされ腸内環境を改善します。パッケージはマーケティングの5つ目のPとも言われ、とくに消費者関与が低い毎日の買い物においてはパッケージデザインなど商品の性能品質に無関係の要素が購買の引き金となります。他の野菜にも食物繊維豊富といった表記がされ、もう一品多く買わせることに貢献していると思います。飲食店では追加の飲み物一杯を勧めることの重要性を従業員に説きますが、年間売上を何割か上昇させることも可能でしょう。書籍の売上もポップ次第ですが、日本における商品パッケージは野暮なデザインが多く、潜在客を遠ざけています。低成長の続く日本では景気が悪いと他責思考が広がりますが、やるべき簡単なこともせずに売上が上がらないとこぼしている事業者は少なくないと思います。

言い伝えこそ健康の真実

すぐに覆されるにわか健康常識に対して昔からの言い伝えは色褪せることがなく、「いただきます」「ごちそうさま」といった代々受け継がれる感謝の風習、少食や運動が健康に良いことは近年の科学が解き明かしました。他方で先祖伝来とまでは言えない習慣には疑わしいものがあり、1950年に始まったパンと牛乳の学校給食や朝食をきちんと食べることなどプロパガンダによる習慣はグレーゾーンでしょう。解糖系が優位な成長期の子供は別として、更年期以降の大人にとって朝食はむしろ有害だと思います。ブレックファストの語源が示すように、古来より様々な宗教が重視してきた断食を短く切り上げる必要はありません。フェイスブックの最強コンテンツが食事にまつわるものなのは毎日のイベントでありもっとも身近な欲望の対象だからです。最近は心境が代わり、食事の頻度と量を減らすストイックさが食事を豊かなものにすると思います。一度に口に入れる量を減らし、よく噛み、味わいながら時間をかけて食事をすれば満腹になりお腹が空かなくなります。子供の頃「良く噛みなさい」と言われたもので、言い伝えにこそ真実があるのでしょう。

週休6日で十分?

厚生労働省が9日発表した2020年の毎月勤労統計調査によると、基本給や残業代などを合わせた1人当たりの現金給与総額が2年連続減少し、残業代に当たる所定外給与が12.1%減りリーマン・ショック以来の減少幅になりました。残業代どころか仕事が蒸発する飲食業は産業の成り立ちそのものを見直す局面にあります。2020年は強制的なリモートワークが国家的に推進されたことで、昔なら言い出しにくかったワーケーションなど本音の働き方を主張する雰囲気が生まれました。さらに発展して仕事が自己実現につながるならいくら働いても気にはなりませんし、組織のルールに縛られず仕事に専念できる環境なら週休3日どころか一部の職種は週に1日も働けば十分でしょう。使っても使わなくても減っていく時間は保存することができない最も貴重な資源ですが、18世紀の労働者を想定した硬直化した労働概念は時間をお金に変える発想が時間を失う恐怖を生みます。仕事が立身出世の手段ではなく終わりなき自己実現となれば、成長に向かう根源的モチベーションが生じお金と時間のトレードオフが解消されるのでしょう。

味覚は価格で定義される

三密回避で試食もできない今年のバレンタインチョコ商戦は盛り上がりに欠ける印象です。一年分の多くをこの時期に売る業界にとって痛手でしょう。バレンタインシーズンの輸入チョコレートは大量輸送のために冷凍され、口溶けの滑らかさが悪いとされます。その違いを見出すことはできませんし、意味があるとも思いませんが、あらゆる食品のなかでチョコレートほど味と価格の差にアンバランスを感じるものはないと思います。業務スーパーが売る200g300円ほどの輸入トリフチョコレートとその10倍の値段で売られる高級ブランドチョコは味の違いは分かっても10倍の価格差を正当化する理由を見出すことができません。われわれは意識することなく美味しいという言葉を発しますが、感覚器官への刺激により肉体は感覚情報を自覚し、経験により形成された認知プロセスを通じて感覚情報を意味づけ日々評価判断を行っています。インプットにより意識と認識が生まれるだけでそこに存在するものは物質ではなく外部刺激に真実はないとも言えます。ドットの集合体に過ぎないデジタル画像を見た脳は神経伝達物質の分泌により楽しいとか、悲しいといった感情を持つのも同じで、結局のところ味覚は価格で定義されるだけなのかもしれません。

危機管理なき専門家

各国で政権交代や政変が起こり、ビジネス界でもジャック・マーやジェフ・ベゾス、孫正義氏の引退報道が続くなか、「マックからマックへ」で有名な原田泳幸氏の逮捕に衝撃が走りました。高級路線で失敗し異物混入事件が起きたマクドナルドを去り、国内最悪の個人情報漏洩事件のベネッセでも疫病神と囁かれました。ジョブホッパーが多いIT業界出身の上級サラリーマンに対しては、経営手腕を疑問視する声もあり企業を無茶苦茶にするクラッシャー原田と揶揄されました。華麗な経歴とは裏腹に有名なシンガーソングライターである妻との生活は満たされなかったのかもしれません。DVは発見が困難な上に当事者に罪の意識が欠けるため周囲が気付かないうちにエスカレートします。忖度に慣れた権力者にありがちな傍若無人な態度が自らのキャリアを終焉させたのでしょう。企業の危機管理を専門に多くの講演をしてきた氏だけに、今回も皮肉なコメントがされます。肩書や報酬などの地位財に囲まれ、比較することでしか自分の幸せを確認できなかったのかもしれません。

自分の本音で生きる

近所の公園に行くとすっかり春の風情です。昔は夏が好きでしたが今はどの季節も好きです。特にトレイルに程よく雪がついた降雪期の山の魅力を知ると冬が過ぎ去る気配に寂しさを感じます。人生は四季に例えられますが、人生100年時代なら四半世紀ごとに季節が移り変わることになります。日本人は若さへの信仰が根強いとされますが、どの季節にも魅力があるようにどの年代にも喜びを見出すことができます。これまでは成人前後まで教育を受け、65歳までひたすら働き、その後は引退して余生を楽しむ3つのステージの単線的な人生を送るのが常でした。昨今は「自分はどう生きたいのか」という問と向き合うマルチステージの人生、すなわち仕事一辺倒、キャリア一筋で自分をすり減らす働き方を避け、柔軟に自分らしい人生を組み立てる生き方が奨励されます。一方で長い人生を貯蓄で賄うことが難しく会社も年金もあてにならない時代は、できる限り健康に過ごし、より長く働くことが求められます。第一の人生がお金のためにピークを目指す働き方なら、第二の人生の働く意味は、時間という保存できない日常を自分の本音で生きることでしょう。

エキセントリックな日本人

外資による不動産開発が活況を呈する富良野では、ポストコロナを見据え100平米2億円のコンドミニアムが投資目的で買われていると伝えられます。一方で富士山や海一望で温泉のついた70平米ほどのそれほど築年の古くないリゾートマンションが100万円を切る価格で売られる二極化現象が見られます。優勝劣敗の鮮明化と考えるより、冷静にビジネスチャンスを捉える必要がありそうです。インバウンドバブルの熱狂に加わった人はしばらくその言葉さえ聞きたくないでしょうが、やり方次第では再び高い成長が狙えるのでしょう。マスクの有効性は未だ確かでないのに、マスク警察は進化して布製やウレタン製のマスク着用を攻撃する不織布マスク警察が注目されます。感染は1月の第一週にピークアウトしているのに、感情に突き動かされる日本人は世界最大の飲食街を抱える東京の外食産業の破壊に加担します。批判されて然るべきとは言え森会長の発言へのポリコレ全体主義的な容赦ない一斉攻撃にも違和感を覚え、振れ幅の大きいエキセントリックな国民が増えた日本は冷静さを欠いた物言えぬ国に向かっていると思います。

時間は意志で変えられる

2021年は激動の1月が終わりました。下一桁が1の西暦には不吉な出来事が起こると信じる人もいて、10年前は大震災が東北を襲い、その10年前にはニューヨークがテロ攻撃を受け、さらに前は湾岸戦争が始まりました。遠い古来に起源を持つ十二支や60年周期説など天体の動きが人間社会に及ぼす影響を信じる人も少なくありません。人体が月の周期の影響を受けるように、時の制約に人は運命づけられます。もし時間の束縛から自由になれるとすればそれは意志の力でしょう。スティーブ・ジョブズは毎日が人生最後の日と思えるほど苛烈な生活と引き換えに短い人生を終えました。使い切れないほどのお金をつぎ込んでも時間を止めることはできませんでしたが、人々の生活を一変させる悠久の時を生きたと思います。百寿者の多くは自分の年齢がたいそうな歳だとは思っておらず、身体の機能バランスや酸化ストレスへの抗酸化防御には個人差があります。同じ年齢でも相応以上に老ける人もいれば若々しい人もいて、高齢者というレッテル貼りやリタイアという人生イベントなど、歳を意識させる習慣はなくすべきでしょう。生物学的な年齢は歳月の力ではなく自分の意志によって変えることができると思います。

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