ブランド芋による高級化が浸透するサツマイモですが、大袋に入った不揃いのものなら200円程とリーズナブルで、とくにブランド表記がなくても焼き芋にすると上品なデザートになります。無暗に甘い市販のデザートに辟易していたので、自然の甘味で、かつ重要な栄養素を供給し、食物繊維が多くグリセミック指数が低いために血糖値をそれほどあげない焼き芋は、甘いもの好きの救世主です。オリゴ糖の増した黒バナナと同様に、マクロファージを活性化させるLPS含有量が多く免疫力を向上させます。食べ始めると止まらなくなるスナック菓子やジャンクフードと違い、腹持ちが良い焼き芋は、食べる量を自制できるメリットもあります。食材価格の高騰により、もはや高嶺の花となりつつある洋菓子を買う機会は減りましたが、子供の頃に落ち葉を集めた焚火で焼いた記憶のある焼き芋は、今でも飽きの来ないデザートの定番です。
お知らせ
移動販売ビジネスの可能性
肉や魚、野菜など生鮮食品が入手困難になる「フードデザート=食の砂漠」が地方のみならず、東京都心にも広がっていると日経新聞が伝えます。東京圏における買い物難民の増加が顕著で、手ごろな価格で買えるスーパーや個人商店が撤退し、港区などの高級住宅街では、商品価格が概ね5割ほど高い高級スーパーばかりで買い物がしづらくなったと言います。こうした地域では住民の栄養状態が悪化し、健康を損ねる恐れがありますが、米国でも人口の17%に相当する5,300万人以上が食料品店へのアクセスが困難となり、肥満問題も生じています。自宅から徒歩圏にスーパーは数店ありますが、そのうちの一つが夏に撤退しただけでも不便を感じますので、選択肢を断たれた住民の買い物問題は深刻です。過疎地に限らず、移動販売ビジネスの可能性が今後広がるのかもしれません。
市中の山居?
南会津の敷地にある柿の木は渋柿ですが、いくつか持ち帰りました。渋抜きの方法は一般に干し柿ですが、酒に浸したり、冷凍する方法もあります。最も簡単な方法は常温保存により完熟させることで、柔らかくなった柿は甘柿に変貌します。自宅のドライエリアに干すと、わずかながらも冬の風物詩となり、大げさに言えば市中の山居といった風情が漂います。田舎に行くと軒先にはよく大根が干され、こうした光景がなぜか豊かに感じるのは、食料保存こそが人類文明の発展を支えたからでしょう。一方で工業化された保存料は微生物の増殖を抑制し、腸内細菌に悪影響を及ぼし肝臓に負荷をかけます。世界の都市では保存がきく高密度のデンプンにより肥満が問題になりますが、日本人は保存性の高い醗酵食品を食べてきました。殺菌剤や保存料、食品添加物を減らす理想の生活は、伝統を守る田舎の暮らしにあるのでしょう。
自然と融合し人々が助け合う時代
昨日は栃木県の鹿沼で古民家を見てから、南会津町に行きました。目的は、先週伐採しようとした立木の重さで抜けなくなったチェーンソーの救出ですが、最近のレジャーは古民家を見ることと、藪を払い、雑木を切ることです。自然の地形のなかに置かれた古民家が専ら興味の対象で、街中に残る古民家にはそれほど関心がありません。自然に溶け込むように佇む住まいを見ていると、自然と共存して暮らしていた戦前の日本人の美的感覚に思いをはせることができます。暖かい昨日でも、朝の気温が0度まで下がる南会津に来ると、厳しい自然と対峙する経験を通じて、住まいが洗練されてきたと感じます。集落の中心に集会所があるのは、人々が助け合うことがなしに生き残ることができなかったからでしょう。都市という快適な人工環境により失われた、自然と融合し人々が助け合う時代が再び来るような気がします。
重要なのはネガティブリスト
インフルエンザの流行期に入り、周りでは体調を崩す人が少なくありません。他方で感染しても無症状のまま発症しない人もいます。昨年出版された「新型コロナ発症した人 しなかった人」は、発症リスクの高さと相関関係のある食品の成分データをAI解析し、すでに発表されている膨大な研究報告と照合して因果関係の裏付けを取ったと言います。発症リスクの高いリストには、①甘いもの、②悪い油(酸化)、③乳製品、④小麦製品、⑤添加物、と誰もが知る健康に悪い食品が並びます。これらは体内で炎症を起こし、あらゆる病気と老化を引き起こすと同時に自己免疫力を奪います。データの取り方によりますが、それぞれの発症リスクは6倍から10倍とされます。何が健康に良いと聞けば、世間ではあっという間に品薄になりますが、重要なのは何を食べないか、というネガティブリストだと思います。
新しい自然との関わり方
最近の趣味は庭仕事です。よく行く南会津町の土地は、大半がしばらく放置されていた農地で、雑木を切り藪を払うと起伏のある地形が現れ、日の光が差し込む明るい林になります。人間が関わり自然に最小限の手を加えることで生まれる空間は美しく、改変されて作られた庭に負けず劣らず癒される場所になります。手つかずの自然も魅力的ですが、程よく人の手の入った自然に近い庭を持つことは、都市の猥雑さを避けたい人間にとって理想の暮らしに見えます。自然の素晴らしさに大小、濃淡の違いはなく、遠く海外や山の奥地まで行かなくても、自分の家の小さな庭にも同様に感動がある気がします。日本では日々限界集落が消えゆき、廃村化しています。こうした土地が再野生化し自然に埋もれて行くのも悪くありませんが、コンパクトシティ化する都市部に対し、オフグリッド化することで新しい自然との関わり方に可能性を感じます。
理想を失うとき人は老いる
OECDが世界81カ国・地域の15歳69万人を対象に実施した学習到達度調査によると、日本は読解力で3位、数学的応用力は5位、科学的応用力は2位と、いずれも前年より大きく回復したと言います。経済面でも明るいニュースが続き、岸田首相と面会した米半導体大手エヌビディアのCEOが、日本にAIの研究開発拠点を設ける考えを明らかにしたことも、国産の生成AI開発の後押しにつながり、日本社会には明るい兆しが見え始めたように映ります。1980年代のバブル時代をもう一度と淡い期待を抱いた人たちが労働市場から退出を始める今になって、希望の持てる大波がやって来たのかもしれません。希望は人生にとって欠かせない永遠の真理であり、仮に今時間やお金がなかったとしても、希望があれば理想を失わずに済みます。年を重ねただけでは人は老いず、理想を失うとき初めて人は老いる、という詩人の言葉を思い出します。
バブルか実需か
国際的なスノーリゾートとして知られるニセコ地域は、相変わらず活況を呈しているようです。有効求人倍率は10倍に近づき、ホテルやコンドミニアムの清掃アルバイトの時給は1,800円から2,200円と昨年に比べ1割ほど引き上げられたと言います。俱知安町などの基準地価も、海外から投資マネーが流入したことで、バブル期を大幅に超えています。バブル崩壊を経験した日本人は、膨らんだものはどこかで萎むと冷ややかに考え、一方で喉元過ぎれば熱さを忘れるで、浮き立つ人も少なくありません。戦後の日本では米国的な高額消費を礼賛する風潮が広がり、それが世界第二位の経済大国に押し上げた原動力でしたが、他方で消費至上主義の蔓延は嫉妬、執着、復讐心といったある種の心の毒を産み付けたと思います。消費という外部の力を借りて幸せを実現しようとする考えは、やがて人々から主体性を奪い、自分とは何者かを考える余裕さえ失った気がします。
無知を知らない
週末に南会津で樹高7、8メートルの枯れ木を切ろうとチェーンソーを入れたところ、もう少しという所で止まり抜けなくなりました。地元の人に聞くと、くさびを打ち込みながらチェーンソーを使うようですが、野良仕事に不慣れな都会人は無知です。思えば山の事故の大半も無知により起こるもので、2019年に、雪に覆われた富士山の山頂からの滑落に至る一部始終を生配信した男性が履いていた靴はスニーカーとされます。山に登る人であれば10月末の富士山がどれほど危険な場所かを知っていますが、この世界に突然紛れ込んでしまった人は信じ難い行動をとります。自然の脅威に触れる機会の少ない都会人は、無知がリスク感度を下げ、ときには命を失います。勉強をするほど、新しい世界に関心を持つほど、知らないことが山ほどあることに気づき、無知になっていきますが、最大のリスクは自分の無知を知らないことかもしれません。
贅沢すべき必需品
週末はスタッドレスタイヤの交換で栃木県に行きました。ブリジストンの主力工場が近くにあるためか、馴染みの店はスタッドレスタイヤの値段が東京より2万円は安く、毎年ウィンターシーズン直前に交換します。スタッドレスタイヤがドライ路面をまともに走れない時代はサマータイヤを併用しましたが、昨今のスタッドレスタイヤはオールシーズンをうたってなくても問題なく通年使えます。厳密に言えば問題でしょうが、高速で飛ばすこともありませんし、むしろ乗り心地は良く、燃費も変わりません。年間2.5万kmから3万km走りますので、サマータイヤと併用して何シーズンも使いゴムが劣化するよりは毎年交換した方が性能を維持できます。深い雪に埋もれて動けなくなることや、カーブ直後の橋の上でスリップして怖い思いをしたこともありますが、冬の豪雪地帯の移動を可能にするスタッドレスタイヤは、贅沢すべき必需品だと思います。