ささやかな幸せは偉大な幸せ

トルコ南東部で起きたマグニチュード7.8の大地震の被害には目を覆いたくなります。地震の多いトルコの耐震基準は日本と同水準で、柱が瞬時に強度を失い、建物全体が真下に折り重なるように崩れるパンケーキクラッシュは他人事ではないようです。ウクライナ戦争が始まる以前に、首都キーウにある美しい住宅の動画を見ていましたが、爆撃を受けた街の被害に胸が痛みます。真冬に住居を失う苦労を理解することはできませんが、暖を取れる寝場所のある幸せに感謝することはできます。水や電気が供給されるささやかな幸せの偉大さは見落としがちで、平和な日本にいると際限ない幸せを追い求めようとします。悲惨な目に合わなくても幸せを実感する方法は、一食抜くことだと思います。食事の量を減らせば健康になるだけではなく、普段の食事が桁違いに美味しくなり、わざわざ美食を追求する必要もなくなります。

サバイバルをエンターテイメント化する

米空軍による中国気球の撃墜は、米ソ冷戦の引き金となった米偵察機U2撃墜事件を彷彿とさせます。中国による偵察用とされる気球ですが、より致命的な脅威は電磁パルス(EMP)攻撃のテストとする説です。成層圏で核兵器を爆発させることにより電気網を麻痺させるEMP攻撃は、米国の電力網の70%を破壊し1年以上にわたって停電を引き起こす可能性があるとされます。電気がなければ瞬く間に100年以上前の世界に逆戻りし、経済活動が停まり社会が崩壊します。現代人の大半は自給自足で暮らした経験もなく、米国のEMP委員会は、生き残れるのは都市から遠く離れた地方に住む1割ほどと試算します。人類の生存を脅かす時代を生きるには、事態を深刻に受け止めるのではなく、脂肪分解により生きられる省エネ型の体に自らを改造するなど、サバイバルをエンターテイメント化する発想が必要かもしれません。

寒さも空腹も味方

立春を過ぎ寒さが緩み始めましたが、あまり嬉しくありません。春めいて来ると花粉の季節が近づくことと、山が最も美しい姿を見せる雪の季節が終わってしまうからです。都会で会社勤めをしている頃の季節の変化は、暑いか寒いかといった生理的な不快でしかありませんが、季節折々の美しさを見せる山に行くようになると、暑さにも寒さにも親しみを覚えます。うだるような暑さは夏山の気分を盛り上げ、厳冬期の寒さはその荘厳な美しさとともに自然の偉大さを感じさせます。人類にとって飢餓に並ぶ脅威であった寒さですが、過酷な環境を生き延びた人体は飢餓も寒さも味方につける進化を遂げました。寒い季節に何も食べずに運動をすることでミトコンドリアが強化され、体は最適の状態にチューニングされます。寒さの効用を認識すれば寒さを別の側面から見ることができ、空腹同様に自分の味方であることが理解できます。

植えるか飢えるか

週末は夏ミカンを貰いに妻の実家に行きました。敷地は広くありませんが、庭の半分ほどが菜園で周りにユズやレモン、柿の木などがあります。無農薬の安全な野菜や果物を口にするには、自給自足をするしかありませんが、郊外の戸建住宅ならそれが可能です。ガンの増加が止まらない日本の現状は、食を人任せにする怖さの現れだと思います。外食を避けたい理由は、健康より美味しさやコストが優先され、古い油や農薬、添加物、塩素消毒のリスクが加わるからです。ウクライナ戦争を契機に食糧危機が叫ばれるようになりましたが、母に聞いた戦時下の買い出しの話を思い出します。人の支えを頼りにせず、身体を動かす自給自足生活なら、実体のない紙切れによる経済支配から離れ、豊かな自然の恵みや、人とのつながりに豊かさを見出すことができそうです。植えるか飢えるか、という選択を、現代人も迫られているのかもしれません。

シズル効果が食欲を呼び覚ます

昨日は相模原市にあるオギノパン本社工場直売店に行きました。経済番組に取り上げられた店であり、前を通ったついでに入りました。アクセスの悪い山間部に立地しながら、工場見学の観光バスを誘致して直売店単独で年商3億円を売り上げます。当初は給食用パンを製造していましたが、少子化やご飯給食が増え、夏休みなど季節需要の偏りが大きいことから直販比率を拡大しました。最盛期には5,000人の来客があり、揚げパンは1日に3,000個以上売れると言います。値段は普通に安く味も普通に美味しいというレベルですが、揚げたてにこだわったコッペパンのフワフワ感と大量の砂糖がまぶされた揚げ物は、最も食べたくないけど最も食べたい菓子パンでしょう。人々の記憶に残る懐かしい味というブランドイメージを確立し、小田急のロマンスカーでの車内販売などプロモーションの巧みさ、工場見学のシズル効果が食欲を呼び覚ますのでしょう。

体を動かして行動する

昨日は八ヶ岳の北横岳(2,480m)に登りました。ロープウェイの動く1時間前ですが600台収容する駐車場は半分ほどが埋まります。登山道を登る人は稀ですが、山頂駅までは意外に近く、始発ロープウェイが到着して人が押し寄せる前の絶景を独占できます。ロープウェイ料金の2,100円がセーブできるのも嬉しいのですが、途中の登山道の八ヶ岳ブルーの景色も素晴らしく、歩くことでセロトニンが分泌し幸せな気分になれ、体も暖まります。待つこととお金を使うことは同じぐらい嫌いで、飲食店や何かを買うために並ぶことはありません。標高差466 mを7分で登るロープウェイに乗るために1時間も待つなど論外です。仕事でやる気が出ないときはやる気が出るのを待つのではなく、作業を始めることで気分が盛り上がる作業興奮が有効とされます。待つ行為は未来への期待ですが、体を動かして今この瞬間に行動をした方が有益でしょう。

日本最強のエネルギー資源は森林

昨夜は小雪の舞う長野県に来ました。冷え切った家を薪ストーブで暖めるには時間がかかりますが、一度暖まると暑いほどで、炎を眺め料理を楽しむことができます。薪ストーブのデメリットは暖まるまでに時間を要することですが、それを風情と感じ寒さを受け入れるならメリットしか残りません。内臓脂肪は深部体温を上げる発熱物質であり、寒さの刺激によって燃焼し、同時に氷河期を経験した人類の防御反応としてミトコンドリアが活性化します。もう一つのデメリットは煙害ですが、乾いた薪を使用すればある程度改善できます。最大のメリットは自分で燃料調達できることで、近年のストーブは針葉樹や建築廃材など何でも燃やせます。日本最強のエネルギー資源は森林であり、植林によりCO2削減効果の高い若木を増やせば、輸入に頼らず完全なカーボンニュートラルを実現できます。

アルバイトは高収益を生む?

自宅から歩いて15分ほどの場所にある知的障がい者施設で、朝だけ迎えのドライバーの仕事を始めました。7時半から始まる朝活は生活にメリハリを与えます。好きな車の運転ができて、天気の良い日は360度の眺望がある屋上で利用者と一緒にランニングをする理想的な環境です。渋滞を避けるルートは対面通行とは思えないほど道が狭く、縁石に乗り上げて対向車と1cmほどの間隔ですれ違うような場所は刺激的です。音に敏感な人が多いために、障害物を検知する警告音をすぐに止める必要があります。忖度する人間関係に慣れていると、ピュアでストレートな反応が新鮮で、一人ひとりの個性が際立ちます。以前お世話になった企業の経営者は社長業のかたわら、地下鉄工事から居酒屋まであらゆる種類のアルバイトを気晴らしにやっていて、その会社は斬新なアイデアを次々と実現して高収益でした。

174億円が飛んだスシロー

回転寿司チェーンのスシローは、店内でレーンを流れる寿司、醤油ボトルや湯呑をなめる動画をSNSで拡散した17歳の高校生と保護者から謝罪を受けたことを発表しました。3,000円を超えていた株価が一夜にして2,850円付近まで落ち、時価総額約174億円が飛んだスシロー側が、謝罪を受け入れず刑事・民事の両面から厳正に対処するとしているのは当然ですが、新手の株価操作かもしれません。性善説に基づく回転ずしのビジネスモデルを破壊するだけではなく、食の安全を脅かす反社会的行為には相応の制裁が必要だと思います。食品テロを完全に防ぐことは困難であり、フードディフェンスに投じる費用は全て消費者が負うことになります。統制された正しさを押し付けられて思考力を奪われたわれわれ世代も問題ですが、社会の縛りが薄れることで良し悪しの分からない人間を生み出す社会は、それ以上に深刻かもしれません。

感度を上げるシンプルな暮らし

普段は外食をしませんが、旅先での食事は楽しみです。先週は安曇野に行きましたが、ここに来ると食べることの意味を考えさせられます。今の時期の自給自足は困難ですが、薪ストーブで調理された野菜中心の料理を、人が集まってシェアするスタイルは魅力的です。人類が火を使い始めて以来、人々は火を囲んで暖を取り、食べ物を調理して分け合い一緒に食べてきたはずです。食べることは社会集団を形成する基本行為であり、個人的な刹那の享楽とは違う美味しさがあると思います。お金を使うことが幸せだと刷り込まれた現代人は、産業的な快楽に喜びを見出しますが、生きるという必然や大義のなかに、本来の喜びはあるものでしょう。外部からの刺激を求める欲望は依存や執着を生み、失う恐怖と表裏一体です。食事の回数や量を減らすと何を食べても美味しく、内面の感度を上げるシンプルな暮らしこそが喜びをもたらすと思います。

Translate »