今日の日没時間は一年で一番遅く明日からは逆転し冬に向かいます。今年の前半を振り返ると、早くも感じ、他方で三大ニュースぐらいは選べる程度の変化のあった半年でした。人生は有限ですからもっと焦るべきでしょうが、先を急がず日々のことを粛々と進めて行けば良いと思います。人生で何かを成し遂げねばならないと以前は考えましたが、幸せは常に自分の内側にある問題で、人の成功をうらやむ必要もありません。最も確実に幸せを手に入れる方法は、自分の体を健康に保つことです。美食を追求すると、その先には肥満や生活習慣病が待ち受けており、食事に執着しない人生も同様に幸福だと思います。飢えこそが生命力をかきたてる最大の因子と考えるなら、食を節するほど人生は富みます。人生の後半は何かを手に入れるより、身の回りの雑音を消し、執着を手放すことの方が重要かもしれません。
お知らせ
未来の兆しを感じる都市空間
先週末は、12年の活動を終えた産官学民の共創による街づくりの実験場である、二子玉川のCatalyst BAのファイナルイベントに行きました。まだコワーキングという言葉が使われない2011年4月に始まった先進的な取り組みは、所期の目的を達成したと言えます。都心と郊外の中間に新しいスタイルのコミュニティが生まれ、それが次の都市のモデルに展開される実験場として、二子玉川以上にふさわしい場所はありません。新しい価値を生み出す化学反応のために、人々がリアルに出会う、外に開かれた場の価値は高まっていくはずです。都心と郊外の中間にあるエッジシティがエッジであり続けるためには、閉じられたオフィスとは異なる、個人が素の表情で振る舞える創発・共創スペースが必要です。エッジという感度を失った企業が衰退するように、予定調和の同質感を超えた辺境と異端から、未来の兆しを感じる都市空間が生まれるのでしょう。
語らぬ生き証人
日曜日に松姫峠付近の山中で見かけたボンネットトラックが気になって調べると、第二次世界大戦中のアメリカの軍用トラックのようでした。これほど身近な場所に戦跡とも呼べそうな車両の残骸があるのは驚きです。もちろん米軍の払い下げ品で、荷台には駿河製紙株式会社山梨出張所の文字が読めます。おそらく、アメリカ軍に1941年から配備されたGMC社のCCKW353(ロングホイールベース、ウィンチ装備型)で、重量4.8t、全長6.86m、全幅2.24m、最高速度72 km/h、480 kmの行動距離があったようです。積載量2.5tの6輪駆動軍用トラックは、M2重機関銃を装備可能とされます。第二次世界大戦中にアメリカが生産した2.5tトラック81万両のうち、56万両以上がこのGMC CCKWシリーズで、ジープとして知られるウィリスMBの36万台を超えます。この車がどのような歴史を経て、奥多摩の山中にたどり着いたのか分かりませんが、この語らぬ生き証人に近いうちに会いに行きたいと思います。
気の重い日の特効薬
頭の痛い問題が起こり、昨日は気晴らしのために奥多摩の森に行きました。道の駅こすげから、樹齢数百年の巨樹大トチの木(幹周7.25m、樹高25m)や美しいブナ林を見ながら鶴寝山(1,368m)、奈良倉山(1,348m)まで往復すると、累積標高1,190m、往復17.2km、3時間半ほどの道のりです。木漏れ日の差し込む美しい森を抜けるトレイルですれ違ったのは一人だけで、晴れた割に気温は上がらず、絶好のトレラン日和です。トレーニングパートナーのラブラドールも一緒ですが、悩みを抱えた状態で無暗に走るとろくなことがありません。松姫峠から奈良倉山の登山道に入ると、米軍の払い下げ品なのか左ハンドルのボンネットトラックが打ち捨てられています。昼前には帰宅できるスピードハイクが、気の重い日の特効薬に最適なのは、それが現実逃避ではなく活力を注入してくれるからでしょう。こんな森が身近にある生活なら、悩みはなくなりそうです。
食べ物に気を使う必要はない
WHOが人工甘味料アスパルテームの発がん性を、7月14日に公表すると報道されます。1日の摂取量の範囲内であれば安全との見解が従来示されてきましたが、トランス脂肪酸同様に摂らないに越したことはありません。アスパルテーム非使用のガムを買うと倍ほどの値段になり、一番良いのは止めることですが、心配をし始めると現代社会では生活できなくなります。赤身肉も酒もスマホも太陽光すら発がん性がありますし、大半の野菜も農薬にまみれ空気も汚染されていますから、そのリスクから逃れることは不可能です。幸いなことに飢餓を生き残った人類は、命をつなぐために何を食べても解毒できる機能を備えています。その機能を最大化するのが、究極の解毒装置と言えるオートファジーであり、断食と有酸素運動を定期的に行うのであれば、食べ物にそれほど気を使う必要はないのかもしれません。
正しく食べる
ウクライナ戦争の舞台はロシア国内に移った様相を呈しています。戦争の英雄とも言えるワグネルが、モスクワ200km地点まで攻め上ったことは、クレムリンへのドローン攻撃に続くプーチン政権の失点です。間違いないのは、ロシア経済を疲弊させるウクライナ戦争が、誤った情報によって始められたことです。長い独裁政権の末路が国を巻き添えにした自滅に向かうのは、独裁者が聞きたい情報しか上がらなくなるからです。しかし、聞きたい情報しか聞かないのはわれわれも同じで、その典型は食欲だと思います。大脳新皮質が作り上げた幻想に過ぎない空腹感に騙され、あるいは間違いと知りながらわれわれは日々過食を許します。その結果、多くの現代人は生活習慣病という自滅に向かいます。何世紀にも渡り人々に幻想を与えてきた物質主義の思考から覚醒する以外に、正しく食べる判断はできないのかもしれません。
全てのタンパク質が植物由来
環境問題に関心を持つZ世代を中心に、世界ではベジタリアン化が進むと言います。フィンランドの公共イベントでは肉の使用を止め、オランダの都市でも、肉食を煽る広告は禁止されます。魚、乳製品、卵などの可否によってベジタリアンは6種に分類され、日本では人口の約4%がベジタリアンとされます。原則肉を食べず、乳製品と卵は少々、魚は食べる自分の場合は、どのカテゴリーにも入らない「ゆるベジタリアン」ですが、このような人は4%より多いはずです。農耕食文化を築いてきた日本は、米を主食に豆腐や納豆などの大豆製品からタンパク質を摂る、ゆるベジ先進国と言えます。Netflixの衝撃作「ゲームチェンジャー:スポーツ栄養学の真実」の公開以来、アスリートの世界でも劇的な結果を生むベジタリアン化が進みます。動物性タンパク質を過信する現代栄養学は、全てのタンパク質が植物由来であることを忘れていると思います。
征服か敬意か
久しぶりに山に入った週末の効果は、週初めから表れます。山に行くほど山に行きたくなり、生活全般の意欲が高まり、前向きになれるのは、山が生命エネルギーである気を元に戻す場所だからかもしれません。イギリスの登山家ジョージ・マロリーは、なぜエベレストに登るのかと問われ、「そこにエベレストがあるから」と答えたとされます。この逸話が名言とされる理由が日本人に分かりにくいのは、西欧における山が征服の対象だからでしょう。日本人にとっての山は、神の降り立つ神聖な場所であり、常に敬意が払われてきました。山は精神的な支柱であるのみならず、生きるためのエネルギーを得る場所だと思います。高いエネルギーを帯びる場所に自己を置くことで、五感を通して高揚感を体得でき、普段の生活で失った心身のバランスを取り戻せそうな気がします。
都会のリトリート
昨日は明治神宮に行きました。新宿と渋谷に用事のある日はなるべく明治神宮の森を抜けて歩きます。都内と言わず、全国で最も好きな名所を上げるならここしか思い浮かびません。巨大な鳥居をくぐるとあたりはひんやりと涼しく、都心の蒸し暑さが消えます。全国から献木された13万5千本が植えられ、現在は247種16万7,688本の樹木と2,840種の動植物が生息する世界最高傑作の人工林は、都会の大気汚染とヒートアイランドから身を守るリトリートです。意図された自然林は、100年の時を経た今、特別な力を感じさせるパワースポットになりました。美しく自然豊かな森に続く長い参道を掃き清め、鳥居ではお辞儀をして目に見えないものに敬意を払う日本人の姿は、にわかに増えたインバウンドにはエキゾチックに映るかもしれません。自然を神とみなしてきた日本独特の美しさは、岩や巨木といった神が降臨する清々しい森しかないと思います。
平和で健康な未来は望めない?
モスクワ防衛戦かと世界を震撼させたワグネルのプリゴジンは、ベラルーシに亡命したとされます。気の早い人たちはロシアの解体が現実味を帯びてきたと色めき立ちます。米英により準備されたロシア転覆クーデター説や、ワグネルが直接キーウに侵攻するための陽動作戦説など、様々な憶測が飛び交うのは、あまりに成り行きが劇的かつ不可解なことばかりだからでしょう。間違いないのは、われわれが歴史の転換点に立ち会っていることだけです。戦争にせよ、疫病にせよ、世界に不幸が絶えないのは、それらが巨大なビジネスだからという主張には説得力があります。コロナ騒動がありえない大きさのビジネスが生み出したことは事実で、個々人が幸せを望むことなどお構いなしに、いつもビジネスの中心にあるのは不幸です。金中心の考え方が人々の心を汚す限り、平和で健康な未来は望めないのかもしれません。