いいとこ取りの美しい尾根

昨日の新甲子温泉は日中の気温が20度を下回り、涼しいというよりは肌寒い一日でした。今朝は晴れの予報でしたので、宿から車で30分ほどの大峠から、流石山(1,812m)、大倉山(1,885m)、三倉山(1,888m)の美しい尾根を、週末のトレイルツアーとは逆方向に縦走することにしました。このルートなら稜線にすぐ上がれ、最初のピークである流石山(1,812m)までは駐車場から1時間10分ほどです。標高1,800mクラスの美しい眺めの広がる長大な尾根は今がニッコウキスゲの見ごろで、人の少ないこのルートは縦走のいいとこ取りができます。三倉山までの往復は14.26km、所要時間は3時間33分、累積標高は975mと程よい運動です。

この山域が戊辰戦争の山岳戦の古戦場だったことは最近まで知りませんでした。三斗小屋宿を新政府軍に取られた会津側の防衛線だった大峠には塹壕跡が残ると言われています。戊辰戦争との関係は分かりませんが峠には古い地蔵がいくつもあります。

気分が落ち着く雨の朝

今朝の新甲子温泉は気温15度で冷たい雨が降り続いています。3時過ぎには雷鳴が轟き、明け方の空を青白く染めます。青空が広がる朝は元気をもらえますが、雨の朝も好きです。早朝の温泉に身を沈め、雨音を聞きながらブナの林越しに朝霧にかすむ山を眺めていると深山幽谷の風情です。賑やかだった週末のトレイルツアーも終わり、なにか自分と向き合いたくなるしみじみとした幸せな感覚が気分を落ち着けてくれます。

写真は、昨日の日暮れ前の阿武隈源流です。ヒグラシが鳴く源流の森に佇むとなぜか子供のときの記憶が蘇ります。

サブ3比率6割強!!

甲子高原フジヤホテルを起点としたプロトレイルランナー眞舩孝道さん主催の2日間に渡る那須連山と南会津の山々をめぐるトレイルツアーは無事終了しました。昨日の宿泊者のマラソンサブ3比率は6割強と走りの強者が集結した印象です。今朝は延泊していただいたやはりサブ3の方と朝4時半から朝日岳、茶臼岳をまわりました。強風の名所として知られる峰の茶屋のある稜線にあがると体のバランスを崩すほどの突風です。本来は見晴らしのよい朝日岳(1,896m)山頂は雲のなかで眺望はありません。茶臼岳(1,915m)山頂では雲が消え、那須温泉神社の奥宮である那須嶽神社の鳥居の上に神々しい太陽が輝きます。

南会津の美しい尾根

甲子高原フジヤホテルを起点としたプロトレイルランナーの眞舩孝道さん主催のトレイルツアー2日目は、宿を5時過ぎにスタートして「那須連山最大の急登」とされる三倉山登山口に向かいました。

今日が山開きの三倉山登山口を出発して、三倉山(1,888m)・大倉山(1,885m)・流石山(1,812m)の美しい尾根を縦走するコースです。東京に住んでいたぼくにはなじみのない山域ですが、三本槍岳の山頂から望む長大な尾根は見ているだけで歩きたくなります。写真は昨日のツアーの様子です。

晴天のトレイルツアー

阿武隈川の源流に位置する「甲子高原フジヤホテル」から、甲子山(標高1,549m)~那須岳最高峰の三本槍岳(標高1,917m)~赤面山(標高1,701m)をまわり宿に戻る23kmのトレイルツアーが、プロトレイルランナーの眞舩孝道さん主催で今朝8時にスタートしました。スカイランニング・ユース世界選手権 2016日本代表の池田華子さんがスタッフとして参加するこのツアーは、雨の予想に反して素晴らしい晴天となりました。

明日は南会津の玄関口でもあり、那須連山の西側「裏那須」にあり、ニッコウキスゲの群生が見られる「三倉山(1,888m)・大倉山(1,885m)・流石山(1,812m)」の尾根を縦走するコースで開催される予定です。

田舎の贅沢にお金はいらない

これまでぼくらが信奉してきた価値観は「死ぬほど働き、死ぬほど遊ぶ」だったと思います。仕事という苦役の代償として遊びがある、つまりオンとオフが明確に分かれていました。それゆえ消費においては普段できない、非日常の経験がもてはやされ、多くの商品がこのパラダイムのなかで提供されてきたと思います。しかし健康や幸せの観点から見るとこうした価値観は今の時代には適合していないと思います。

今のぼくの生活にはオンもオフもありません。天気が良ければ山に行き、悪ければたまった仕事をこなします。今朝も明るくなる4時過ぎから那須の朝日岳(1,896m)、茶臼岳(1,916m)に登り、宿に戻って温泉を掃除してごみを出し買い物に行く、そんな生活です。田舎に住むことの良さは身近に贅沢がありお金がかからないことです。朝食前に百名山二座に登ることが日常のなかにあります。ちなみに、この峠の茶屋から朝日岳、茶臼岳を登るコースは全長9.5km、累積標高670m、所要時間2時間と朝の散歩に最適です。

朝の散歩が百名山

昨日は昼過ぎから雷鳴とともに激しい雨が降り続きました。気持ち良いほどの雨の降り方ですが、白河市立図書館の駐車場に停めてあった車は少し開けられた窓から雨が入り込み運転席横のドアポケットには1、2cmの水が溜まっていました。

今朝の新甲子温泉も雨だったのですが、6時頃には雲間から青空が姿を見せるようになり、車で宿から25分の峠の茶屋駐車場からラブラドールと茶臼岳(1,915m)に登りました。ロープウェイを使わずとも山頂まではスピードハイクのペースなら牛首を経由しても1時間、下りは峰の茶屋に直接降りるルートだと駐車場まで30分ほどと、朝の散歩がわりになります。往復1時間半の散歩道ですが、百名山だけあって高山気分を味わえます。

刹那的な都市の快楽

昨日は東京で用事がありました。思えば一年前の今頃はまだ灼熱の東京で働いていました。当時でもこの時期にスーツを着るのは狂気の沙汰だと思っていましたが、いまはこの時期東京にいることそのものが尋常ではないと思います。

しかし、黄昏時の赤坂見附付近を歩いていると、もともと都市の暮らしがそれほど好きではないぼくでも東京はいいな、と思います。しかしその良さはどこか麻薬的な快感です。即物的、刹那的であって、HappyだけどWell‐beingではないのです。それは都市に住む苦痛の代償であって長続きする幸せには思えません。本当の乾きを忘れるためにあてがわれた快楽であって自分の内面を満たすものではないのです。

エアコンも扇風機もいらない新甲子温泉に戻ると外出から帰り手を洗うように、阿武隈源流に森の空気を吸いに行きます。清流を眺めながら佇んでいると余計なものは何も要りません。いま生きていられる、それだけで十分です。

飢えを癒す巨木の森

先日お泊まりいただいたご夫婦は30年来の顧客で年に数度宿泊されていたと言います。宿から続く阿武隈源流の遊歩道や剣桂を見たことがないそうでご案内しました。自然に飢えていたぼくからすると信じがたいことですが、やはり喜んでいただけました。

自然が身近にある暮らしの良さは森林浴の快適さだけではありません。山を日常的に歩くようになってから足首の関節の可動域が広がったらしく足をくじいても怪我をしなくなりました。また普段から山を見て、パソコンをする時間が減ったせいか目も良くなりました。

剣桂の威容な姿は圧倒的ですが、付近の森には樹齢100年を優に超える巨木がたくさん生息しています。

個人も企業も多拠点居住

以前は東南アジアに旅行するとその暑さに驚いたものですが、昨今の日本の都市部のこの時期の気温はそれらと同等かそれ以上だと思います。那須連山の縦走路に上がると6月でも氷点下で池が凍る一方、ひとたび気温が上がると盛夏の気候になります。日本は美しい四季のある国でしたが、これからは夏と冬の二季になってしまうのでしょうか。最近は気候変動のためか紅葉も美しくないと聞きます。

都市部の暑さは身体に良いわけがなく、エネルギーコストをかけて都市に住むことには疑問を感じます。体調を崩しやすい高齢者などは夏場も自然の風だけで暮らせる高原に住むべきでしょう。個人だけでなく企業もサマーオフィスなど多拠点居住を考える時期に来ていると思います。葉が生い茂り昼でも涼しい風が抜ける剣桂神社の森にいると、この時期都市に住むことは異様なことに思えます。

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