
新甲子温泉はさほど寒くなく、風もない穏やかな朝です。鳥のさえずりが乾いた森の空気に心地よく響きます。旭岳の北斜面の谷筋には雪が残り、おそらく来春まで消えないでしょう。阿武隈源流にはたくさんの魚影が見られます。天国のような阿武隈源流の散策路を歩いていると何か後ろめたい気持ちになります。
もう山岳レースから遠ざかり1年が過ぎます。この宿で出会うアスリートと話していると日々安穏と暮らす生活を改めねばと思います。ぼくがこれまでに出たレースはKobo Trail(弘法大師の道)の55.7kmが最長ですが、いまやトレイルレース界は100マイルレースが主流になりつつあります。短距離のレースでさえいつも走りながらリタイアする理由ばかり考えます。しかし自分の弱さに向き合うことで自分自身との対話ができます。山を走りながらいろいろな自分に出会い、本当の自分に近づける気がします。それは自分の性格がどこかに集約されていくような感覚です。宿の前の阿武隈源流のトレイルが雪で覆われる季節も目の前です。


今朝の甲子峠の気温は1度で会津側から鏡ヶ沼と大峠に登りました。大峠林道の登山口に着くとフィアットの気温計は氷点下を指しています。昨日も鏡ヶ沼に登りましたが、昨夜とは一変して雪景色になりました。落ち葉の上に降り積もった柔らかな新雪を踏む足裏の感覚が心地よいです。早朝トレッキングのリズム運動により、セロトニンが分泌されるのか、ストレスが消され、疲れが癒され、気持ちが安定し、心地よい多幸感をもたらします。この時間帯の木々はフィトンチッドを多く放出しますので、細胞まで活性化されるようです。帰路は大峠を経由して軽いトレランで下り体が温まりました。こうして脳の血流を上げた状態で仕事をするのが最高のパフォーマンスを生むことを多くの人に知ってもらいたいと思います。





