
今朝の新甲子温泉は朝霧に包まれ、東京とは別世界の冷涼な気候です。ここで暮らすようになってからよく幸せについて考えるようになりました。都市に暮らしているときは、美味しいものを食べる、海外旅行に行くといった脳が感じる刹那的なHappyを幸福だと思っていましたが、それは持続性のない空虚な幸せだと思います。
日常のなかにある小さな幸せが連続する状態が幸福だと思います。源流の森で沢音を聞きながらパソコン仕事をする、夜明け前に焚火をしながら星空を見上げる、ラブラドールと朝霧の森を歩く、足元に山菜や可憐な花を見つける、温泉から那須連峰に日が沈むのを眺める、阿武隈源流を見下ろす丘で本を読む、早朝のトレイルを駆け降りる、夕暮れ時に友人と薪のパエリア鍋を囲む、誰もいない展望台から朝焼けを眺める、そんなささやかな幸せが連続することが幸福だと思います。他方、都市生活で見出す幸せの多くはお金で得る断片的な幸せです。
さらに言えば健康であることやお金の心配がないことは重要だと思いますが、必ずしもそれが絶対条件だとは思いません。幸せは自己の内面にあると考える人が増えれば、自然に恵まれた過疎地の未来は必ずしも暗澹たるものではないと思います。
昨夜は明るい月が昇っているのに、台風一過のためか満天の星空でした。外に椅子を持ち出し、さわやかな夜風に吹かれながら虫の音を聞いていると、夏が来ないままに秋の気配です。今朝の新甲子温泉は気温15度ほどと寒く、5時前に峠の茶屋から出発して茶臼岳を目指すと秋の空気です。今は廃村となった三斗小屋宿跡へのルート調査も兼ねてラブラドールと25kmほどを歩きました。累積標高は1,693m、消費カロリーは1,311Kcalですが、何も糖分を取らなくても水だけでエネルギーに不足はなくこの倍くらいの距離は歩けそうです。糖質依存の栄養学常識が塗り替えられる日は近いと思います。

明け方の激しい雨があがり、今朝の新甲子温泉は深い霧に包まれています。昨日は同い年の前職の同僚が日本一周の途中に宿泊してくれました。47都道府県に足跡を残す旅のために、宿には昨夜18時半に着き今朝は4時半に出発するあわただしさです。カメラ、スマートフォン、充電器と着替えだけの荷物は驚くほど少なく、長距離トレイルレース並みのストイックさです。旅の魅力はぼくがトレイルレースにはまる理由の一つだと思います。60kmを超えるような長距離レースになるとどこか長旅をする感覚があります。
今日も新甲子温泉は晴れて、泊まりに来てくれた以前の職場の同期夫妻と5時過ぎから茶臼岳に登りました。峠の茶屋からのアクセスは高山感あふれる百名山へのアクセスとしてはきわめて良好で、駐車場から30分ほどで標高1,900m級の那須連山の稜線に出ることができます。茶臼岳の山頂で、美しい雲海の上に昇った朝日を浴びながら大きく深呼吸をすると、全身に山の新鮮な空気が取り込まれるようです。宿に戻り温泉に入ってからパエリアパンで焼いた野菜や卵、フレンチトーストの朝食です。今後はこれを朝食の定番にしようと思います。
今朝は2時半に起きて温泉に入り、火照った体を冷まそうと外に出ると星空が見えます。なぜか焚火がしたくなり、玄関先に椅子を持ち出し、工務店でもらった廃材で焚火をしながら星を眺め紅茶を飲みます。薪の焼ける匂いを嗅ぐとアメリカ西海岸の海沿いの高級リゾートを思い出します。東京では星空も焚火も制約がありますが、ここではごく日常的に楽しめます。都市の豊かさに疑問を覚える人が増えることは不思議ではありません。何もないのにすべてがあるのが田舎だと思います。



