世界的なインフレが問題視され日本にもその影響が及びます。食事に関しては自炊が大半ですのでその影響は気にならず、50円で買っていたおからがせいぜい70円になった程度ですからそれほど深刻ではありません。安い食材は、その土地で昔から食べていた食品であり、旬の食材による身土不二の食生活が体調を整えます。葉物野菜は高値が続きますが、一方で大根などは安い価格で店頭に並び、この時期はおでんを作る機会が増えます。さつま揚げなどの練り物が安いときに買い足して加えれば、調理の手間も生じません。贅沢をせず、少量消費を心がけるなら、体も心も豊かになる気がします。贅沢は際限のない欲を生み、そのスパイラルから抜け出せなくなりますが、小さな幸せで満足するならより大きな幸せは必要なく、恐怖や不安の根源であるお金に人生を支配されることもなくなると思います。
お知らせ
アバターが旅行をする時代
昨夜はベルリンを旅行中の娘とLINEでビデオ通話をしました。東西分断の象徴であったベルリンの壁や、東西ベルリンの国境検問所であるチェックポイント・チャーリー跡などのバーチャルツアーは、それなりの臨場感があります。数日前はスウェーデンの凍った海の上からビデオ通話があり真冬の雰囲気が伝わります。今は取り立てて旅行に行きたいとも思わないので、自分のアバターが旅行をする時代を歓迎すべきかもしれません。旅に気が進まない理由はその本質がアウェイだからのような気がします。外食に行って落ち着いて食事ができないのも、初詣に大きな神社に出かけてどこか真実味がないのも、アウェイの環境ではリラックスして自分の内面と向き合えないからだと思います。不慣れな非日常で体調を崩すリスクを冒すより、歩き慣れた山歩きをした方が本心から充実します。暮らすような旅が人気なのもそのためでしょう。
当たり前にこそ感謝
来週にかけて厳しい寒さが戻るようです。ディーゼルエンジンは軽油が凍結して始動できなくなるアクシデントがあると言います。軽油には数種類あり、12月から3月にかけて関東などで売られる「2号」はシャーベット状に凝固する流動点がマイナス7.5度以下に下がり、中部の山岳地帯ではマイナス20度以下の「3号」が、北海道では1月から3月にかけてマイナス30度以下の「特3号」が販売されるそうです。東京から氷点下10度を下回る長野県に行くときは、半分以上の燃料を寒冷地に着いてから補給する必要があるようです。旅館のあった新甲子温泉では氷点下15度以下になる日もありましたが、フィアットはグズることなくいつも一発で始動し、18万km近くをノートラブルです。現代の車なら当たり前のことですが、常に蛇口からきれいな水が出ることも、安全な街に暮らせることも、日本社会の常識は恵まれた環境下での稀なケースであり、そんな当たり前にこそ感謝したくなります。
EV廃止の意義
原油生産量全米8位のワイオミング州で、2035 年までに電気自動車の販売を段階的に廃止する法案が議会に提出されたと伝えられます。EV充電インフラの欠如と、バッテリー内の鉱物がリサイクルまたは廃棄できないことを問題にしています。今から120年前の1900年に米国で生産された自動車4,192台の28%が電気自動車で、その販売総額はガソリン自動車と蒸気自動車の合計額を上回っていました。しかし、ヘンリー・フォードがエンジンを大量生産したことで、ガソリン自動車の価格は電気自動車の4割弱まで下がり、テスラのような革新的な企業が出現する21世紀に至るまで、内燃焼機関の優位性は揺るぎないものとなりました。排ガスや排気音がないEVは一見すると環境にやさしくそのドグマを人々は信奉しますが、温暖化問題にせよ、太陽光発電にせよ、結論の出ていない議論を拙速に進めるレトリックが世界を覆うことは危険でしょう。
FIREでそのまま認知症?
昨日は全国のホテルや旅館に投資をする方と会いました。私より一回り以上人生の先輩ですが、初めてお会いした20年ほど前と変わらぬ若々しさでエネルギーに満ち溢れています。他に二回り先輩の経営者ともたまにお会いしますが、独特の鋭い嗅覚と行動力で事業を着実に成長させ、全く年齢を感じさせません。昨今仕事などで知り合う人は自分より若手で、それはそれで刺激的なのですが、先輩経営者にお会いすると自分のような若輩者はまだまだ働けるというエネルギーをもらえます。いくつになっても膨大な仕事をこなし苦とも思わないのは、自分の能力を活かし事業が成長する楽しさに夢中になれるからでしょう。昔は早期リタイアするFIRE(Financial Independence, Retire Early)を夢見ましたが、怠惰な人間ならリラックスし過ぎてそのまま認知症を発症しそうです。いつまでも好きなだけ働けることが幸せなのでしょう。
少量食べるなら贅沢な食事
地下にある我が家のドライエリアは気温の下がる今の時期は食品庫になります。福島や長野で買い込んだ野菜や果物と、災害用に備蓄した水やカセットボンベを使えば、1か月程度なら普通に生活ができそうです。最近はほとんど肉を食べませんので、暑い季節以外なら冷蔵庫なしで暮らすことができます。インフレが叫ばれる昨今でも家計への影響が少ないのは、世間的に粗食と呼ばれる食事が中心だからです。グルメ大国で粗食は不人気ですが、過食、美食、運動不足の食事は健康的とは言えず、少食、粗食、肉体労働が日常だった世代が日本を世界最長の長寿国にしたはずです。百歳を超える人の数が飛び抜けて多い世界の長寿地域の共通点は、一日1,200kcaL前後の少食かつ粗食で、肉体労働に従事してよく体を動かすことです。粗食とは、自然の恵みである旬の食材を活かした飾らない食事であり、空腹で少量食べるなら贅沢な食事になると思います。
ひと手間かける暮らし
昨日は白州町の自給自足で暮らすお住まいに伺わせていただきました。セルフビルドの家は電気、水道、ガスといった公共インフラに頼らず計画停電とも無縁です。食糧の大半が自然栽培か物々交換というスパルタンさで、漬物、自ら解体した猪肉のラーメン、干し柿の昼食はまさにプライスレスの贅沢さです。飼育する鳥骨鶏や名古屋コーチンが食卓に上ることもありバランスの良い理想的な食生活です。少し以前の暮らしは、暖をとるにも食糧を得るにも肉体労働を伴いましたが、都市生活者が半数に達した世界で健康を蝕むのは、運動不足と工業的に作られた食品です。経済成長が見込めなくても、消費社会の支出を疑えば人間本来の暮らしを取り戻せると思います。他人軸の贅沢ではなく、あらゆる自然の恵みに感謝し、他人に依存することなく生活にひと手間かける暮らしこそが本当の豊かさでしょう。
氷河期の記憶
この時期からは日の出時間が早くなり、春が近づくことが残念に思えます。都会に暮らすと寒さは避けたい迷惑でしかありませんが、自然のフィールドでは喜びをもたらします。雪の積もった登山道は歩きやすくなり、雪を踏む柔らかな感触だけで幸せになれます。空が澄み渡り山の景色はどこまでも美しく、星空は感動的で、冬の寒さをありがたく感じます。人類史は空腹と寒さとの闘いであり、過酷な環境下で獲得した防御反応が長寿遺伝子のスイッチを入れます。同様にミトコンドリアは空腹と寒さと運動によって増強され、生きるためのエネルギーを作り出します。人体が最も活力に満ちあふれるのは、現代人が好む環境とは真逆の寒さや飢餓、すなわち死に瀕したときです。健康を保つには冬こそ戸外に出て、氷河期に組み込まれたであろう寒さに対する遺伝子の記憶を蘇らせるべきかもしれません。
自然崇拝の時代の神聖な空間
氷点下とは言え、この時期としては暖かい長野県に来ました。寒さを喜びに変えてくれるのは火の存在です。遠くから漂う焚き火のかすかな匂いにさえ幸せを感じます。火を見るだけの無為がひたすら気持ち良いのは、火を使うことで食べられる食糧が増え、人類が知性を進化させたからかもしれません。古来より火が祭りの中心であったことは、それが最高の高揚をもたらすからでしょう。たき火を囲むと人々のつながりが強まり、揺れる炎に包まれていると、薪の火を眺める休息さえあれば幸せだと思えます。分業により豊かになった現代人が火を起こす方法さえ知らないのは、自分なりの満足の基準を失い受動的に受け入れることに起因するからとも考えたくなります。自分がある種のサウナに入れ込むのも、薪ストーブの燃えるサウナ室が、自然崇拝の時代の神聖な空間に変容するからかもしれません。
製造業こそが次の時代を開く
同年代の車好きにとって、12A、13Bと聞けばそれだけで青春時代の自動車への熱い想いが蘇ります。マツダの欧州部門は1月13日に開幕するブリュッセルモーターショーで、新開発のロータリーエンジンを積むMX-30のプラグインハイブリッド(PHEV)を公開すると発表しました。ロータリーエンジンを発電機として搭載するシリーズ式ハイブリッドながら、一時期は絶滅とさえ思われていたロータリーエンジンが11年ぶりに復活する意義は大きいと思います。電気自動車を礼賛する素人界隈を尻目に、昨年の株式市場ではテスラを始め電気自動車に傾斜したフォルクスワーゲンやGMの株価は半値になりました。一方巷ではEVに乗り遅れたと言われていたマツダは+6%と健闘しています。GAFA的なマネーゲームに走ることなく、「モノづくりは人づくり」という伝統的な日本の製造業こそが、次の時代を開くのだと思います。