真相究明の旅

国際政治学者の三浦瑠麗氏の夫が代表を務める投資会社が家宅捜索を受け、ネット界隈は騒々しくなっています。大半は否定的な意見ですが、起訴・実刑判決は確実で、自身も株式を持ち、妹が役員をしていた経緯からも、夫のビジネスを「一切知り得ない」という釈明は嘘でしょう。原子力利権の暗躍など、背後に渦巻く意図を解説する向きもありますが、検察が存在感をアピールする相手として、瑠麗氏は適任だったのかもしれません。行き過ぎたセレブアピールや幸せアピールに対する反感が、SNSで拡散した印象です。以前講演を聞いた限りでは、マスコミが取り上げたがる一種のカリスマ性は感じるものの、取り立てて感銘は受けませんでした。太陽光発電は好きではありませんが、多くの場合真相は感情的な世論とは逆で、表層下には巨大な見えない力が存在すると思います。真相究明の長い旅は、まだ始まったばかりなのでしょう。

低燃費で走る働き者

一昨年にフルモデルチェンジをしたランドクルーザー300系は、街中で見かけることは稀で、納期は3~5年とされ、現在は受注を止めています。世界で人気を誇り、日本向け割り当てが少ないため、3倍以上の3,000万円で販売されたケースもあるそうです。その人気のため、輸出目的の盗難被害台数ワースト1位と言います。アルファードからの乗り換えが最も多く、アウトドア用途に使われることはなく、希少な高級イメージで売れている車と言えそうです。トヨタ車が世界中で指名買いされることは喜ばしい反面、街で見かけるランクルが厳重な盗難対策を施しているのを見ると、心穏やかに乗れる車ではないのかもしれません。薪やラブラドルを遠慮なく積んで、荒れた林道や雪道もグイグイ登り、道を選ばず低燃費で走る働き者のフィアットに乗ると、幸か不幸か手間と執着の増えそうな高級車に食指が動かなくなります。

安全にリスクを取る

昨日は小雪の舞う白河に行きました。朝の気温は氷点下4度ですが、途中の道路は鏡面状に凍結しています。こんな日はどの車も車間距離を十分に確保してそろそろと走ります。大雪の日に後続車に追突されたことがあり、交差点などで停まるときは後続車をスリップさせないように細心の注意が必要です。雪国でもシーズン始めは運転に不慣れで事故が起きます。雪のない東京から行くと最初は緊張しますが、その日の路面状況を確かめるために、安全な場所を見つけて車を滑らせてみます。どのぐらいの速度や舵角でトラクションが失われるかを確認できると安心して走れます。雪道が不安なのはその日の路面状況が分からないからですから、あえて失敗することでリスクを取れるようになります。アグレッシブな企業が失敗を許容しむしろ奨励するのは、安全にリスクを取ることを覚えさせるためだと思います。

人事制度はシンプルなほど良い

ゴミ収集作業員として働く芸人の滝沢秀一氏の著書を読んでから、街でゴミ収集車を見かけると観察するようになりました。昨日は若い男性2人が追走していて、その走りと引き締まった体はアスリートです。最適な位置に車を停め、きびきびと動いて付近のゴミを効率よく集める姿は芸術的です。他の車両などに注意しながら、あたりに散乱したゴミを片付け、不適切な廃棄物にはシールを貼るなど、そのきめ細やかさは働く誇りにあふれ、新幹線の清掃チーム同様に賞賛されるべきだと思います。雇用形態は様々ながら全員が同じ職務給で働き、能力給などは存在しません。がんばってもがんばらなくても給料は同じですが、3人1組のチームなのでサボる事は難しいと言います。昔から人事制度はシンプルなほど良いと思っていて、作業員のモチベーションの高さを考えるとその仮説は正しいと思います。多くの人がパラレルワークであることも理由の一つでしょう。

先人の知恵と経験を活かす暮らし

寒さが最高潮に達する今の時期ですが、この冬もエアコンを使うのは来客時のみです。消費電力の少ないホットカーペットにビーズソファのYogiboと羽毛布団を組み合わせると、どこへでも持って移動できるこたつになります。昔はどの家庭にもあったこたつの心地良さが再現され、パソコンに向かっているとついウトウトします。省エネモードで温度調節を弱にしても十分に暖かく、無暗に節電を訴えるよりも暖かく過ごす方法をシェアした方が実効性を持つと思います。湯たんぽやハクキンカイロなど、現代に活かせる昔から伝わる暖を取るための生活の知恵はたくさんあります。老子は、知識を得たいなら毎日増やし、知恵を得たいなら毎日取り除きなさい、と言ったとされます。近代西洋の進歩主義的世界観で発展した都市ですが、先人の知恵と経験を活かすことで人間らしい暮らしに近づく気がします。

心穏やかな幸福

昨夜は、去年の10月にもお世話になった安曇野の設計事務所兼民泊に宿泊しました。10年に一度と言われる寒波の朝、古民家の太い梁が組まれる吹抜けの下で、薪ストーブの窓に揺れる炎を眺め、薪が弾ける音に癒されます。オーナーの弾くグランドピアノの旋律に、コーヒーの香りが漂うと、心穏やかな幸福に浸れます。贅沢、至福、ラグジュアリーといった、手垢のついた言葉が似つかわしくない豊かさは本質だと思います。刹那的な贅沢に自分の居場所は見つかりません。作り物に見えるお仕着せの価値観を離れるなら、人生を豊にしてくれる安らぎが手に入り、あくせく働いて稼ぐ必要もないのでしょう。こうしていると自分が人生で何をしたいのか、直観的な答が降りてきます。ガツガツ働きガツガツ稼ぐことは人生の華であり、最も輝かしい時間に見えて、結局はお金に支配されて自分らしさを失うだけなのかもしれません。

義務は喜びに

干支が5周した朝を、最強寒波で氷点下13度の安曇野で迎えました。自分史上最も嬉しくない誕生日であり、祝いたい気など毛頭ありませんが、ここまで生きて来られたことと支えてくれた人に感謝すべきでしょう。いくら強弁しようとも人生が後半に入ったことを認めざるを得ませんが、第二の人生のスタートラインに立ったと思うと気が楽です。2023年は波乱の一年が予想されますが、外部の雑音に惑わされず悔いの残らない日々を心がけたいものです。40代の後半で体調を崩したことが幸いして、以来小食と運動を始めた成果が実ったのか、体力低下を実感することもなく、あと30年ぐらいは働く予定です。第一の人生と今後の生活の大きな違いは働くことに対する意識で、義務は喜びに変え得ると思います。余生や老後といった不吉な言葉を使わず、かといって永遠に青春という不自然さでもない、自分らしさを探求する日々は続きます。

銭湯の近くのワンルーム

自宅から歩いて10分ほどの銭湯が来月で営業を止めると張り紙が貼られていました。徒歩5分の場所に別の銭湯がありましたが、20年ほど前に廃業しました。昨今、銭湯の良さが見直される反面、売上目途の立たない施設で老朽化に抗うことは困難かもしれません。最小限で暮らすミニマルライフの強い味方である銭湯は、サウナを取り入れたリノベーション事例も少なくありませんが、淘汰の流れに逆らうことはできないのでしょう。日本で入浴が一般化したのは江戸時代中期とされますが、銭湯こそ日本人の健康長寿を担って来たと思います。大きな浴槽で体を温めるとリラックスでき、血液循環が促され、副交感神経が優位になり、生活習慣病の予防にもなります。独特の建築様式を伝承する銭湯が近所にあれば、毎日が温泉旅館気分になれそうで、最も潔い都市生活は、銭湯の近くの風呂なしワンルームに暮らすことのような気がします。

突き抜けることの一択

コロナ禍開業した近所の惣菜店が閉店しました。店の新陳代謝は見慣れた光景ですが、当事者にとっては大問題です。少し高価格帯の惣菜店は、店舗の作りもホテルのデリカテッセン風でスタッフの数も多く、コック帽をかぶった調理人が接客していました。昔で言うところのアフォーダブル・ラグジュアリーで、店の作りやロゴもプロの仕事を思わせるものでした。学生街の立地ながら、客筋が悪いわけではなく、並びのカフェや向かいの洒落た立ち飲み店は賑わっています。店頭のメニューを見る人は多いのに店内に入る人を見かけることは稀で、買いやすい値段の目玉商品などで敷居を下げる必要があったと思います。一方で繁盛する店は高値を設定しても客はついて行き、卓越した何かを持ち、突き抜けることが成功の条件でしょう。最も安全な選択肢は、突き抜けることの一択かもしれません。

日本版ノマドランド

近所の昭和女子大学にはキャンピングカーで生活をする学生がいるそうです。大学近くの車中泊スポットに車を停め、多くの時間をキャンピングカーで過ごす究極のミニマルライフです。60万円で購入した2007年式日産NV350キャラバンの福祉車両を半年かけてDIYし、IKEAの家具を流用したキッチンや、日本と北欧が融合したインテリアスタイル「ジャパンディ」(Japandi「Japanese+Scandinavian」)を取り入れたそうです。クラウドファンディングで120万円を集め、食事やシャワーは近くのシェアスペースを使うシェアエコ時代の生き方です。大学に行かない時は千葉や山梨などでキャンプをして、ほとんどが車上生活ながら不便はないと言います。就職活動を止めて、キャンピングカーを使ったツアー会社やキャンピングカーのデザイン会社の起業を決め、日本版ノマドランドは都市生活者の新境地を切り開くのかもしれません。

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