サウナはディテールが全て

昨日は日本橋に開業したグッドサウナ日本橋に行きました。外気浴テラスの目の前は首都高速と神田川です。85℃が保たれるサウナ室のHARVIA社製電気式サウナストーブは強力ですが、ロウリュを繰り返しても発汗するのは最初だけで、湿度、体感温度が低く薪ストーブのサウナで味わう熱波と滝のような汗が継続しません。ベンチや天井の曲線デザインは良いのですが、座面から天井までが高く、最上段の熱さも物足りません。冷却チラーで13℃まで冷やされた水風呂は快適なのですがタブの深さが足りず、Lafuma mobilierのインフィニティチェアも傾斜角が浅い印象です。どれも一般人にとってはどうでも良い微細なことですが、サウナ総研の調査では一般のサウナーは増えておらず、コロナ禍で急激に増えているのは20代でとくに女性です。本格的なアウトドアサウナを求めるコアな層はこだわりが強く、サウナはディテールが全てだと思います。

冒険へのロマン

福島や長野への移動は車に頼ります。部屋ごと移動できる車はささやかな贅沢で、フィアットなら公共交通機関より少ない交通費で済みます。燃料価格が高騰するたびに、燃料を節約して限界まで遠く走るハイパーマイリングがブームになります。17.5万kmを走ったフィアットの平均燃費は19.1km/Lで、EU基準・複合サイクルのカタログ数値21.3km/Lより悪いものの、一般道で記録した最良燃費は26.9km/Lで普通に走っても軽油1Lで22kmほど走ります。ハイパーマイリングを指南する海外のサイトには109の方法が列挙され、最も良いのは車を使わないことですが、アクセルとブレーキをなるべく踏まない、許容範囲まで空気圧を上げる、荷物を降ろすなどは定番で、ストップ&ゴーの少ない道を選ぶ、窓を閉じて空気抵抗を減らす、エンジンブレーキを使わない、惰性走行する、大型車の後ろを走るなど推奨されないものもあります。人体であれ車であれ、長距離走には冒険へのロマンを感じます。

買い出しドライブは蚤の市

週末に奥会津の金山町に出かけ、野菜や果物を仕入れました。リンゴ3箱、会津みしらず柿1箱、菊芋や大根、葉物野菜など段ボール2箱で、フィアットの後席が占領されます。会津みしらず柿はアマゾンで買うと5,500円ほどするものが900円、リンゴも一箱1,000円とアウトレット価格ですが、見ても食べても悪くありません。大量買いは不合理な消費行動とされますが、今の季節なら屋外に出せば日持ちします。直売所やその土地固有の商店を回ると東京の2分の1から3分の1の値段の野菜や果物を見つけることができ、旅行支援の地域限定クーポンの支払いなら負担感もありません。生産者が自由に値段をつける直売所は総じて割安ですし、地元のスーパーでは見慣れない商品を見つけ刺激的です。産地に出かける買い出しドライブは、蚤の市で宝物を探すワクワク感のある実益を兼ねたレジャーだと思います。

不摂生を無かったことに

株主優待のお菓子やナッツの詰め合わせが届き、いかにも体に悪そうな小麦粉とチョコレートの袋菓子が中心です。ナッツだけ食べてお菓子は人にあげようと思っていたのですが、箱を開封するとそんなささやかな決意は吹き飛び、結局食べてしまいます。来るもの拒まず、出されたものは完食する主義が裏目に出て、腸内環境の悪化は明らかです。欲望を喚起しようと躍起になる食品産業の前では、意思の力など無力でしょう。一方、見方を変えると体調悪化は福音でもあり、健康状況を挽回するための断食や運動を積極的に行うモチベーションになります。断食状態で運動をすれば脂肪が蓄積されることはなく、飢餓環境に体を追い込めば最後は毒素さえ燃焼し尽くして不摂生を無かったことにしてくれます。不健康な食生活を習慣にすれば身の破滅ですが、精神安定のための息抜きであれば、健康を改善するモチベーターとして有益かもしれません。

最強の小皿ダイエット!?

子供の頃から親しんでいた近所のそば屋さんが廃業し何年も経ちますが、店の前を通るとご自由にお持ちくださいとの張り紙があり、漬物をのせていた小皿を貰ってきました。「この店のかつ丼で私の体はできている」と言えるほど、出前の大半はこの店からとっていました。今でこそかつ丼を食べることはなくなりましたが、以前はどこの店に行ってもかつ丼に満足できなかったのは、おふくろの味とも言えるこの店の料理に長年慣れ親しんできたからでしょう。小鉢料理にちょうど良い大きさの皿は、その無骨なフォルムにも温かみを感じます。何より店のロゴを見るだけで懐かしい思い出がよみがえり、プライスレスの皿を今自宅で手にすることが奇跡に思えるほどです。小皿で食事をすると脳が騙されるようで、普段の半分のポーションでも不思議と満腹になり、小皿ダイエットは最も安上がりな最強ダイエットかもしれません。

庶民の生活から生まれた美意識

週末はサウナの計画地と旅館の跡地を妻に見せるために白河市と西郷村に行き、ついでに奥会津まで足を伸ばしました。600kmほどの一般道を走りましたが、フィアットパンダはカントリーロードの燃費に優れ、総平均は軽油で22km/Lほどと経済的です。このイタリアの大衆車は、本国では陸軍から清貧な生活をする修道女まで、質素な国民の足として広く使われます。働く車は、極めて丈夫で、運転しやすく、燃費が良く、小回りがきき、乗るだけで楽しいことが求められ、それらの条件を満たしていると思います。このフィアットで自分史上最長距離を走るのは、庶民の生活から生まれた美意識とも言える粋を感じるからかもしれません。法定点検以外は洗車もメンテナンスもまるでしないのに、不平など一切言わず、雪道でも荒れた林道でも高い走破力を見せる最小クラスの大衆車と暮らしていると、これみよがしの高級車がいかにも野暮に見えます。

「幸せ」ではなく「最高」

昨日は南会津町の斎藤山(1,278.3m)に登りました。夏山と言えば北アルプスに代表される高山の縦走ですが、初冬の今行くべきは雪化粧した里山だと思います。適度に締まった雪を踏みしめて下るトレイルでは思わず「最高!」という言葉が漏れます。人は幸せだと自らを慰めたいときに「幸せ」と言い、本当に幸せなときは「最高」と言うのかもしれません。お金で買う幸せはいつも条件つきですが、山での幸せは無条件です。花鳥風月を愛でる至福の時間にはたいしたお金はかからず、稼いでは使う現代社会が虚構に見えます。産業化された幸せは執着を生み続け、いつまでたっても心の奥底にある自己とつながることができない気がします。往復2時間半ほどの里山ながらその眺望は侮れず、山頂直下のヘリポートからは南北34kmにわたる会津盆地の全容を把握できます。自然のなかでの運動は最高の健康法であり、余計な欲望や執着を手放すことを教えてくれる最高のメンタルケアであり、最高の喜びを教えてくれるリフレッシュ法でしょう。

抑制された満ちた今

昨日は豪雪地帯で知られる奥会津の金山町にある民宿に泊まりました。福島県の観光特典クーポンに加え町独自のクーポンが出るために、これが平日であれば宿泊すると2千円弱の金券が手元に残る計算になります。ここまでして旅行需要を喚起されなくとも、人の少ない今の季節は旅の風情を感じるベストシーズンだと思います。日照時間の短いこの時期はセロトニンの分泌が減少しウィンターブルーになりがちで、本来脂肪を溜め込む時期のために、体を動かさないでいると筋肉量が減り基礎代謝が低下し肥満しやすくなります。一方で澄んだ冷気を体に取り込める冬の山なら、セロトニン活性に申し分なく、現代の便利な生活のなかで失った心の奥底にある静寂を取り戻せそうです。静寂な時間を持つことで本当の自分とのつながりを回復し、お金で幸せを買う都市生活の真逆に、抑制された満ちた今を感じます。

脳をハッキングするスマホ

階段を登って自分の部屋に行く間に、何を取りに来たのか忘れることがあります。これはスマホ認知症の一種だと思います。スマホ認知症は情報過多による脳疲労が原因とされる物忘れ、集中力、発想力の衰え、意欲が低下します。加えてAIが勧める広告を見ているうちにそのイメージを刷り込まれ、潜在意識が行動を支配するようになります。脳が疲れている状況下ではサブリミナル効果による暗示を受けやすく、ビッグテックがスマホに送りつける情報によりマインドコントロールされます。脳をハッキングされ、作り出された幸せな光景を、いつしか自分の幸せだと錯覚するようになり、人生を振り回されます。人は一日2,600回スマホを手に取ると言われますが、われわれの脳はこのようなライフスタイルに適応していません。スティーブ・ジョブズが子供に触らせなかったのは、危険性を知っていたからでしょう。

[メンタルモンスター]になる。

日本人にとってのワールドカップは終わってしまった印象があります。1982年大会以降、PK戦に突入した決勝トーナメントの試合(20.3%)におけるPK成功確率70.3%に対して日本は25%と悪い成績です。概ね日本のメディアはこの問題に触れず、外国メディアの日本特派員が指摘する程度です。日本では終わってしまったことはしょうがない、といった個人を責めない空気がありますが、問題は原因追及を疎かにすることです。学生と話しても120分の試合で勝てないことが問題でありPKを問題にしなくてよい、これから徹底してPKを練習すると言っているから良いのではないか、といった意見が過半数です。PKの成功確率は1番手が最も高く2番、3番と進むほどに低下していくことが知られ、おそらくその理由はプレッシャーです。日本人最多出場となる長友が「[メンタルモンスター]になる。」のなかで書いた、重圧の捉え方を自分のなかで変換する認知的再評価が必要なのでしょう。

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