この時期からは日の出時間が早くなり、春が近づくことが残念に思えます。都会に暮らすと寒さは避けたい迷惑でしかありませんが、自然のフィールドでは喜びをもたらします。雪の積もった登山道は歩きやすくなり、雪を踏む柔らかな感触だけで幸せになれます。空が澄み渡り山の景色はどこまでも美しく、星空は感動的で、冬の寒さをありがたく感じます。人類史は空腹と寒さとの闘いであり、過酷な環境下で獲得した防御反応が長寿遺伝子のスイッチを入れます。同様にミトコンドリアは空腹と寒さと運動によって増強され、生きるためのエネルギーを作り出します。人体が最も活力に満ちあふれるのは、現代人が好む環境とは真逆の寒さや飢餓、すなわち死に瀕したときです。健康を保つには冬こそ戸外に出て、氷河期に組み込まれたであろう寒さに対する遺伝子の記憶を蘇らせるべきかもしれません。