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プリミティブな道具としての潔さ

三菱自動車が国内向け乗用車の車台開発をやめて、日産自動車との車台共通化をすると伝えられます。自動車メーカー単独の生き残りが難しい時代に目くじらを立てる問題ではないのかもしれませんが、1917年に日本初の量産乗用車を作った名門企業の決断には寂しさを感じます。最初に運転したのが叔父からもらった初代の三菱コルトギャランで三菱車には思い入れがあります。ラリーでの活躍など、三菱車の魅力はスパルタンな車作りだと思います。今でも納車一年待ちのジムニーがJeep伝来のラダーフレームにこだわるのは、プロの仕事を支える道具としての悪路走破性と、過酷な条件下での耐久性を譲らないからとされます。ホンダのN-VANもプロユースの商用車ですが、実際には乗用車的な上級グレードも売れています。ジムニーとN-VANは唯一買う可能性のある国産車ですが、その魅力はプリミティブな道具としての潔さを持つからだと思います。豪雪地帯なら雪道の走破性は命に関わる問題ですが、車の最後に残された魅力は、軍用機が機能美を帯びるような実用性がもたらすと思います。

現代消費は被害者なき犯罪?

怪しげな外国人の写真を貼ったフェイスブックの友達申請は今でもありますが、最近は日本人らしき名前で五毛党なのか少し変な日本語でコメントや動画、写真を送りつけてきます。この手のアプローチが絶えない理由はそれでも彼らの目的が達成できるからでしょう。不動産営業の電話も頻繁にありますが、いつも同じパターンです。騒々しい電話の背景音と裏返った声で落ち着き無く「永野さんの携帯でよろしいでしょうか?」と聞けばほぼ確定なのですが、以前ここで切ろうとして本当の用事だったこともあり一応会社名を聞いてから切ります。こうもワンパターンなのは、それでも成功する可能性があって電話をかけるコストが割に合うからで、誰しも魔が差すことはあるのでしょう。詐欺は心の隙間を狙いますが寂しい人と欲に目がくらんだ人だけがターゲットではありません。不用品を売りつけることでしか成立しない過剰消費社会においては、どこまでが商行為でどこからが詐欺なのかは判然としません。それが問題視されないのは、売り手ばかりでなく買い手も共犯関係にある被害者なき犯罪だからでしょう。

最強のアンチエイジング法

屋外で行う山岳競技まで中止に追い込まれる世の中ですが、一人ひとりが勝手にトレイルのコースレコードを計測するFKT(Fastest Known Time)は新たな競技として根付くと思います。今や高額なGPSウォッチがなくてもスマホで簡単にコースタイムをクラウド上に記録でき、区間ラップも教えてくれるので反省材料を見つけることもできます。アドレナリンが出るレースならではの雰囲気は代えがたいものがありますが、一方で無理をして転倒などのリスクを取りたくないので、体調を見ながら好きな時に計測できるFKTにはメリットがあります。昨日は西岳と編笠山を2時間半ほどで回りましたが、肥満していた20年前なら、休み休み半日以上かけて歩いたコースです。所詮素人のお遊びとは言えその記録が年々早くなり身体能力が今も向上していることを考えると、アンチエイジングは部分的とは言え現実に起こると思います。アンチエイジング医学が本当の病人より効率よく儲ける手段になっていることとは逆に、必要なのは少食と運動と挑戦することだけで、朝食を摂らずに山に入るFKTは最強のアンチエイジング法だと思います。

起こることは全てがベスト

社会人になって最初に入社した会社の同期が勤続35年表彰されたとのフェイスブック投稿を見ると感慨深いものがあります。選択はいつも非対称であり定年まで勤め上げる自分の姿を想像することはできません。結局4回会社を辞めましたが、どの会社でもそれぞれに得難い経験ができ感謝の気持ちしかありません。鉄道系、銀行系の保守的風土は何とも居心地が良くそれぞれ14年もお世話になり、外資系とオーナー系は走り続けないと居場所がなくなるシビアさもあり2年、8ヶ月と短いのは世間相場でしょう。辞めた理由はだいたい同じで、このまま定年まで同じ仕事を繰り返すことが絶望的に思え、とにかく自分を変えなくてはと思い込む発作が起きます。しかし皮肉なことに、自分がどれほど恵まれていたかが分かるのはいつも辞めた後です。経験的には14年がキャリアを変えるタイミングのようで、次の14年をどのようにキャリア形成するかが目下の課題です。辞めグセがついていなければ旅館を買うなどという常軌を逸した経験もしなかったはずで、その選択も含めて人生に起こることは全てがベストだと確信することが心穏やかでいる秘訣だと思います。

人生の時間は無尽蔵?

911からあっという間に20年が過ぎた印象ですが、他方であの日から2回会社を変わり3度目は独立して今に至ることを考えると遠い昔のようにも思えます。同じ20年でも自分が経験していない生まれる前の20年は途方もなく遠い時間に感じます。自分が生まれる20年前の日本は戦時下でした。戦争など無縁の世界だと思っていましたが、成人したときに自分が生まれてからの時間を巻き戻すと、日本とアメリカが血みどろの戦いをしていたことに愕然とした記憶があります。学生と話した後に後悔するのが、彼らの生まれる20年前のバブル景気の頃を昨日のことのように話してしまうことです。20年前の今日がまさにそうであるように印象的なエピソードを伴う記憶は、生涯その鮮度は変わらないと思います。311や日航123便墜落、ホテルニュージャパン火災、浅間山荘、三島由紀夫自決など子供時代も含めていずれの記憶も鮮明です。人生の時間は無尽蔵にあると錯覚できることが若さの特権なら、過去の時間を瞬時に行き来できることは歳を重ねた人の特権でしょう。しかし、生涯健康であれば人生の時間は無尽蔵と錯覚し続けることができると思います。

何よりのコロナ対策

昨日長野県に来ました。東京から車で2時間ほどの距離ですが、気温差は10度以上あり、早くも今シーズン初めてストーブを点けました。寒がりではなく普段から薄着ですが、時節柄体調を絶対に崩したくないので、少しでも寒いと感じれば念の為一枚多く着るなど用心するようになったのは怪我の功名です。日本中で誰もが感染症対策を取り、深酒をしなくなった結果、昨年の死者は前例のないことですが減少しました。手すり、ドアノブなど接触感染の可能性のある場所には触れない、こまめに手洗いをする、顔を触らない、家族のタオルも触らない、コロナウィルスを無力化するとされるお茶を飲むなど徹底するようになり、今のような季節の変わり目でも体調を崩す気配さえなくなりました。なるべく屋外で太陽にあたり、お風呂で体温を上げることも大切でしょう。一方で、マスクの効果的な使い方を実行している人は、医療関係者を除けば100人に1人もいないでしょう。くしゃみをするときにわざわざマスクを外す人を何回か見ましたが、マスクを強要する前に正しい使い方を教えるべきです。しかし何よりのコロナ対策は危機を煽り続けるマスメディアを遠ざけることでしょう。

最も高い利回り

自民党政権の安定化を折込み株価の終値が3万円台となりました。誰もが儲け話には敏感ですが、最も割に合う投資は教育と健康と言われます。学ぶ機会として教育を広く捉えるなら、今の時代は無料教材があふれお金はそれほどかかりませんのでその利回りはさらに上昇します。一方で健康への投資と言うと最先端の機器を使った人間ドッグや精密検査、オーガニックフードや高額なサプリメントやスパ施設での施術などを思い浮かべます。しかし、ほとんど資金を投じることなしに健康は実現でき、むしろお金を払ってやっていた体に悪いことを止めるだけですので節約になり、その利回りは最も高いものになるはずです。健康の秘訣はなるべく食べず、なるべく体を動かし、いつも心穏やかに過ごすことに尽きます。もしお金を投じるなら、正しい情報を仕入れることに対してでしょう。現代は情報が命を救う時代ですが、すぐに撤回される最先端の医療情報には飛びつかないことが賢明でしょう。そして最も大切な健康情報は自分の体で臨床試験をしたことであり、自分が確信した健康法はプラシーボ効果もあって最強だと思います。

ランニングハイの季節

山では平年より1ヶ月早く初冠雪が記録され、突然秋が深まった印象です。夏山は言うに及ばず、天高く澄み切った空気の秋の山も、生命力あふれる新緑の初夏も、山の楽しさは尽きません。歩く楽しさのベストシーズンなら、あたり一面が白一色の世界で覆われ険しいトレイルが走りやすくなる冬です。夏と冬が半年おきにやってくる日本に生まれた幸せを感じます。自然の中を走ることの醍醐味はリラックスと緊張を同時に感じることです。自然という多様な条件下で、風を受ける頬の感触や木々の香り、小鳥のさえずりや森の美しさを感じるリラックスと、一歩一歩の着地に集中する緊張は、人間が本来の状態に近づく幸せを体感できます。夏山が近づくときの興奮と同じように、スノートレイルが待ち遠しい季節になります。βエンドルフィンの分泌によるランニングハイと糖質中毒のシュガーハイは、モルヒネ同様の作用を示す脳内麻薬という点ではおそらく同じだと思います。シュガーハイは血糖値上昇とインスリン大量分泌で代謝を乱し酸化ストレスを増やしあらゆる慢性疾患を生みますが、ランニングハイの副作用はほどほどに楽しむ程度ならほぼ無害で健康と幸福を手に入れられます。

共産圏は医療先進国?

タリバンが政権を掌握したアフガニスタンの映像を見る誰もマスクをしていません。ロイターのデータによると新規感染者はピーク時の2%とされ、国の混乱によりそもそもデータが取れていない可能性もありますが、先進国でも収束の兆しが見え難いのとは対照的です。以前、共産主義国キューバの医療制度の先進性が日本でも取り上げられた時期がありますが、政治制度と医療の間には一定の関係が見られると思います。科学的根拠が曖昧とされる東洋医学の有効性を最先端の量子力学が解き明かし始めていますが、この分野で先行していたのは1950年代以降のソ連です。その理由は軍拡に突き進むために医療にあまりお金をかけられず最短で人を健康にする方法を研究したからだともされます。一方で120年ほど前に医学部が制度化され、化学と統計学を使い薬による治療を中心とするアロパシー医学が世界の主流になると、医療は巨大産業となり、一方で数千年かけた膨大な蓄積のある伝承医学は廃れていきます。医師が増えると病気も増え、夕張のように病院が縮小すると病人も減る傾向については再考が必要だと感じます。

眠りは予約できる?

涼しくなりよく寝られる季節になりました。睡眠は、食事、運動、ストレス対処と並ぶ健康の要因です。若い頃はいくら寝ても足りないほどよく寝られましたが、もう記憶にないほど目覚まし時計を使ったことがありません。一種の特技の領域になり、4時に起きたいと思えば4時以前に目が覚め、2時に起きたいと思えばたとえ睡眠時間が1、2時間でも起きることができ、不思議なことに寝不足にはなりません。自己暗示なのか意識をすると自分の身体がそれに反応し睡眠時間を予約できます。30代で転職をした頃、2時起きブームがあり、以降どちらかと言えばショートスリーパーになり平均睡眠時間は健康に良いとされる7時間より2時間ほど少ないのですが、平均値には意味がないと思います。昔は食べることを善と考えましたが、今は食べないことを善と考えるように、眠りも良い面だけではありません。少食になると睡眠時間は比例して短くなり、睡眠が必要なのはそれだけ身体の回復が必要ということで健全とは言えないのでしょう。短時間睡眠の最大のメリットは近所の神社に行くにしても山に行くにしても、誰も起き出さない時間帯を独り占めできる贅沢だと思います。

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