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10㎡あれば暮らせる

留学中の娘が英国から一時帰国し3人とラブラドールの生活が始まりました。70㎡に夫婦とラブラドールでは無駄に余裕がありましたが、3人で暮らすのは最適に思えます。3、4人家族で60㎡から70㎡という業界標準面積を受け入れるなら一人あたり20㎡が必要になります。米国で10㎡を切る客室に2人で泊まったときは、さすがに部屋はベッドだけという印象ながら快適に過ごせました。日本のホテルでは13㎡あたりがミニマムと考えられ、海外の狭小住宅を見ても13㎡あれば一人が快適に暮らせることが分かります。2年前まで住んでいた仮住まいは35㎡に3人とラブラドールでしたのでこの経験則はあながち的外れではありません。仮住まいに引っ越す際の断捨離の結果、すべての持ち物はベッド下の引き出しに納まる程度まで減り、10㎡あれば暮らせそうな今は映画ノマドランドで見たキャンピングカーに住む流浪生活に憧れます。

郷土料理が心地よい

最近の我が家のヒット食品はチーズに似た大豆由来のソイチーズです。イミテーションチーズとも言われる代用品は発酵工程を必要としない為に製造が容易で、原材料も安価です。脂肪分は低脂肪のチーズと同程度でコレステロールを含まず大豆たんぱくやイソフラボンを豊富に含みます。世間でヴィーガンが存在感を増すに従い、我が家の食卓も年々ヴィーガンに近づいています。ヴィーガン化の流れを加速したのはイングランド一部リーグや誰もが知るトップアスリートの影響だと思います。動物性食品が炎症を助長し怪我のリスクを高め、乳製品も止めると疲労回復のスピードも上がると言います。戦後の米国畜産物拡販戦略により日本の食卓風景が変わったように、情報が人々の嗜好を変えます。元禄時代の日本食や地中海食を模範とすべきと指摘する米国の研究にもあるように、伝統的に食べられてきた郷土料理が今は心地よく感じます。

敗北か成長か

人のやることには間違いがつきものであり、悪いことは重なるものです。山口県阿武町で起きた誤送金事件を聞いたとき、支給対象463世帯のうち、よりによってなぜ素行の悪い男に振り込むのかと思いましたが、これは偶然ではなく必然です。振込依頼書は銀行コード順に並べられ、大麻栽培のために移住したともささやかれる容疑者だけがメガバンクの口座を指定したからです。一方、今時フロッピーディスクを使い、世間を騒がせながら「犯人捜しはしない」と言い切る当事者意識も緊張感も欠落した町ならミスは起きて当然でしょう。同時に、現場の負担無視で何かと言えば金を配る政治が招いた必然でもあります。災難のすべては必然でありそこには原因と背景がありますが、日本人は失敗を隠蔽し学ぶ機会を放棄します。災難を運命としてあきらめるなら敗北主義になり、苦い経験から学ぶなら絶好の成長の糧となるのでしょう。

有ること難し

事務次官候補の財務省キャリアが夜中の電車で乗客に暴行して逮捕された事件は衝撃的であり、他方で見慣れた光景です。政治との省益争いによるストレスが背景とも伝えられ、そこに酒が入れば事件が起きるのは必然かもしれません。幸せになる確証もないのに、組織のトップを目指す生き方やお金を稼ごうとすることが執着と自己犠牲の上に成り立っていることの左証という見方もできそうです。大きな組織に守られることがコンフォートゾーンであることは失って初めて分かるものでしょう。有難いは「有ること難し」に由来するとされますが、日々心掛けていないと組織にいられることへの感謝も薄れ不平不満を蓄積していきます。発散するつもりの酒で抑制が効かなくなるのは前頭前野が萎縮し判断力を失うからです。厚生労働省の試算した飲酒による社会的損失は4兆2千億円ですが、キャリアを失うことによる逸失利益は含まれないのでしょう。

20年前より若々しい

日経新聞で見た大村崑さんのライザップの広告は衝撃的でした。誰もが知る芸能人のビフォー・アフター写真のインパクトによって、結果にコミットをアピールしてきたライザップですが、知人の紹介で大村崑さんと生で会ったのは20年ほど前です。失礼ながら、そのときは覇気がなく、さすがに年を取ったなと感じましたが、86歳から筋トレを始めて90歳にして、人生史上最高の体を手に入れたと言います。顔にはしわもなく、90歳とは思えない血色の良さで20年前より若々しい表情は最盛期と変わりません。19歳のとき肺結核で右の肺を切除して以来70年以上も苦しめられてきた息切れからも解放されたそうです。鍛えさえすればいくつになっても体は蘇り、これは奇跡ではなく誰にでも起こることだと思います。もう年だからと自己洗脳したり、ささいなことでも面倒と思わず、希望が持てることに意識をフォーカスすれば、だれでも人生100年時代を享受できるのでしょう。

レジリエンスを高める生活

屋外マスクの緩和が議論されますが、日本人がコロナによる一人の命を守るために毀損した経済損失は米国の20倍、イギリスの40倍と試算されます。命が大切だと騒ぐポリコレは経済破壊が人を殺すことに気づきません。卒業式で初めて友達の素顔を見たと言う笑えない影響を子供や若者に及ぼします。繁華街への外出や外食をほとんどしない我が家への影響は最小限で、マスクをするときは高地トレーニングだと思うようにしています。疫病、戦争と立て続けに起こる災難へのレジリエンスを高める生活は、なるべく食べず、消費をせず、持たない暮らしでしょう。もう一品買わせようとする誘いに乗らず、どうすればもう一品を生活から減らせるかを考えます。食事の回数を減らすと単に安上がりなだけでなく、次の食事が楽しみになり幸せが長く続きます。食べ過ぎの上に食べる非日常より、普段のささやかな暮らしに豊かさを見出すことが精神衛生上良さそうです。

必要な家電は扇風機だけ?

電気料金上昇が家計を圧迫する昨今、家電の必要性について考えます。元々テレビは見ませんし、ほうきと雑巾があれば掃除機は要りません。はるかに美味しく炊けるメスティンがあれば炊飯器も不要ですし、我が家の冷蔵庫の稼働率は3割程度ですから、毎日買い物をする前提なら冷蔵庫も要りません。太陽とともに暮らすのが理想なので家族は許さないでしょうがろうそくで暮らすのも悪くありません。旅先では洗面器で洗濯をしますから洗濯機も微妙です。そう考えていくと最後に残る家電は、暑過ぎる東京では必要な扇風機だけだと思います。モノを減らして気に入ったものだけで暮らす「ゆるミニマリスト」がブームのようですが、ストイックにモノを減らすことで、洗脳により売りつけられた商品に囲まれて暮らしていることが分かります。人は欲に駆られて不要不急を抱え込み、自ら人生を複雑にしているのかもしれません。

階段の健康効果

2年前に地下住戸に引っ越して以来30年ぶりに屋内階段のある生活になりました。住宅のなかではわき役の存在ですが、単に地下と1階をつなぐ動線というだけでなく、居ながらにして体を動かし、チェックする貴重な空間だと思います。地下のリビングにいる時間が長いのですが、自室のある1階との間を行き来する回数が多く一定の運動になります。ロンドンバスの運転手と車掌を比較すると、バスの1、2階を往復して運動量の多い車掌は、運転手より冠動脈疾患の発生率が3割少ないという研究があります。動かす筋肉を意識することで、ホテルのメイドさんのような清掃の仕事が体を健康にすることも示されています。運動に加え、寝起きに階段を下る際の筋肉の複雑な動きのスムーズさを見ることで睡眠の質を知ることもでき、階段の健康効果にはもっと注目すべきかもしれません。

炊飯器もブランド米もいらない

我が家では玄米、白米、もち米の3種類を食べていますが、最近のトピックはメスティンで炊く白米の美味しさです。メスティンはキャンパー定番のクッカーで、ダイソーなら500円で買えますが、短時間で簡単に炊ける上に高性能炊飯器もブランド米もいらないほどの美味しさです。元々は軍用のブリキ飯盒ですが、iPhoneほどの面積しかないこの万能調理器は密閉力が高く、熱伝導が良く、熱ムラを最小限に抑え、あらゆる方向から加熱できます。煮る、蒸す、揚げる、炒める以外にオーブンに入れればグラタン皿になり燻製まで作れて、おかずをのせれば、そのまま弁当箱として持って行ける美点もあります。昔から好きな赤飯や味わい深い玄米の陰に隠れて、我が家では長年わき役だった白米ですが、短時間でむらなくふっくらと仕上がる炊き方革命により突然スターに躍り出た印象です。

ワンルームこそ理想の間取?

海外の狭小住宅のYouTubeを見ていて不思議なのは、同じ面積の日本の住宅よりも住みやすそうなことです。同じ20㎡でもユニットバスとワードローブの間のデッドスペースを持たない海外のホテルの客室を広く感じるのと同じ理由だと思います。その原因は廊下の存在でしょう。戦後、日本の住宅の間取りは玄関から伸びる中廊下を中心にドアを隔てて個室を作り、中廊下は家の風通しと太陽光を分断し、〇LDKといった個人空間の確保により家庭内別居をもたらしました。廊下の最小化を考慮した我が家の間取は、引き戸で居室を区切った結果以前の日本家屋のような巨大なワンルームになり、玄関は階段の踊り場と自転車置き場を兼ねます。壁により分断をするドアではなく、動く壁である引き戸による空間の可変化こそ究極の省スペースであり、家庭内の「つかずはなれず」を実現すると思います。

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