事務次官候補の財務省キャリアが夜中の電車で乗客に暴行して逮捕された事件は衝撃的であり、他方で見慣れた光景です。政治との省益争いによるストレスが背景とも伝えられ、そこに酒が入れば事件が起きるのは必然かもしれません。幸せになる確証もないのに、組織のトップを目指す生き方やお金を稼ごうとすることが執着と自己犠牲の上に成り立っていることの左証という見方もできそうです。大きな組織に守られることがコンフォートゾーンであることは失って初めて分かるものでしょう。有難いは「有ること難し」に由来するとされますが、日々心掛けていないと組織にいられることへの感謝も薄れ不平不満を蓄積していきます。発散するつもりの酒で抑制が効かなくなるのは前頭前野が萎縮し判断力を失うからです。厚生労働省の試算した飲酒による社会的損失は4兆2千億円ですが、キャリアを失うことによる逸失利益は含まれないのでしょう。