昨日は尾瀬の燧ヶ岳(ひうちがたけ)に登りました。標高2,356mは、東北、北海道の最高峰であり、至仏山とともに尾瀬を代表する日本百名山です。山頂は福島県の檜枝岐村にあり首都圏側からはアクセスが難しい山ですが、福島県側の御池ロッジからのルートは最短で登頂でき、スピードハイクなら3時間かからずに往復できます。尾瀬と言えば思い出すのは木道の渋滞と、駐車する車の長い列ですが、それは群馬側からアクセスした場合の話であって、晴れた三連休にも関わらずこのルートを使う人はわずかです。福島県に縁が薄かった頃は尾瀬に入るのは群馬側のルートしかないと勘違いをしていましたが、福島県の登山口も実は群馬側の所要時間と大して変わりません。福島県は遠い割に通過されてしまうマイナーなイメージがありますが、実は意外に近い割に大自然が残っている穴場だと思います。
お知らせ
三流観光地の時代
ガウディの街として毎年2,300万人以上の観光客が訪れるバルセロナ市内の各地で、市民3,000人が集まり観光反対の集会が開かれました。有名なレストランで席を取った観光客に水を浴びせ、「観光客は帰れ」と叫ぶ直接的な抗議に発展したと伝えられます。コロナ禍以降、観光客であふれかえる世界各地でオーバーツーリズムが問題視され、スペインの有名なリゾート地であるマヨルカ島やマラガでも同様の抗議が行われました。環境汚染や水不足、医療システムの過負荷など、観光によって街が死んで行きます。とくに10年間で68%上昇したバルセロナの住宅の賃料は深刻で、バルセロナ市議会は2028年下半期までAirbnbなどの住宅施設に対する短期賃貸業を禁じることを決定しました。持続可能な観光のあり方を模索するなかで、サウナを開業する予定の白河のような二流、三流観光地にとっては千載一遇のチャンスが始まるのかもしれません。
今年最良のバイオハック法
「脳と身体を最適化せよ!」を読みました。明晰な頭脳、疲れない肉体、不老長寿のためのバイオハック法を示します。ミトコンドリアを軸としたエネルギー産生を最大化するために、運動不足、食べ過ぎと栄養不足、ストレス過多に焦点をあてます。主張の内容は常識的で目新しくない反面、指標を示している点が新鮮です。たとえば、リアルタイムで血糖値の動きを把握できる持続グルコースモニターの装着を推奨し、血糖値が85mg/dLに低下するまで再び食べ始めないなど具体的です。空腹感や時間で食事を始めることに疑問を持っていたので、参考になります。印象的だったのは、水風呂入浴がストレッサーでサウナはホルミシス効果に欠かせない回復のために入るというくだりで、これは最近のサウナに関する自身の心境変化と一致します。かねてから疑問に思っていた女性に糖質制限が効かない理由への言及もあり、今年最良の一冊でした。
新しいカリスマ
現職が負けたことのない都知事選の勝者は、投票率が5.62%上がりながら743千票も失った小池氏ではなく、メディア露出により一躍全国区の知名度になった前安芸高田市長の石丸氏でしょう。質問に答えない石丸構文をネガティブにとらえる人もいますが、マスメディアとネットメディアで対応を変えている点において確信犯です。相手を怒らせて切り取りやすい失言を狙う、旧態依然とした炎上狙いのインタビュアーが相手ならなおさらでしょう。広島一区への出馬発言で政治界隈をざわつかせ、テレビへの塩対応をするのも話題性を狙った石丸劇場の目論見通りです。一方で、争点が比較的シンプルな2つの訴訟で、敗訴判決を受けた無理筋の主張は、弁舌さわやかい新しいカリスマの姿とは重なりません。知名度勝負の政治家にとっては悪評も評のうちであり、来年11月の広島県知事選に注目が集まりそうです。
日本観光の潜在力
都心で見かける外国人観光客は、日本経済に貢献してくれる有難さとともに、オーバーツーリズムという観光公害の原因にもなります。観光業が持続的に発展をするには人の流れを分散化することが必要で、日本の名もなき田舎に観光客を呼ぶべきだと思います。日本の生態系は複雑で、四季を通じた自然のポテンシャルは観光誘致に生かされていないと思います。加えて、どの地方にも語るべき歴史や文化といった風物があります。昨日YouTubeのおすすめ動画に上がった白河の小峰城の歴史を見ると、700年に及ぶ歴史や忠実に再現された三重櫓や城郭遺構、築城年代により異なる表情を見せる石垣など興味深い観光名所であることが分かります。白河市も観光には力を入れていますが、何度も前を通る自分でさえ訪れていないように、観光資産の編集とアピールには課題が多く、まだまだ日本の観光は伸ばせる潜在力を持つと感じます。
旅の目的は自己投資
東京では35℃を超える本格的な猛暑が始まり、同時に旅行シーズンを迎えます。コロナ禍ではバーチャルツアーが流行しましたが、YouTubeの旅行チャンネルは、自転車で京都に行く、ハワイに日帰りする、ファーストクラスのさらに上級個室で海外に行くといった、興味深い旅行をただで追体験させてくれます。過去の旅行体験と照らし合わせると、おおよその旅行は日常化し、良くも悪くも客観視できるようになります。旅の魅力は幸福を感じることだと思いますが、バーチャル・リアルが混在した刺激による中毒症状になり、新しい刺激を受けても満足できなくなります。感受性を豊かにして、想像力や創造性を高め、自分の価値観を変えるほどの自己成長を旅に求めるなら、もはやありきたりの旅では満足できません。結局のところ旅の目的は、視察のようなビジネストリップか、健康増進目的のスパに行く自己投資ぐらいしか思いつかなくなります。
政治の潮目が変わる
過去最多の56人が出馬した東京都知事選は、盛り上がりの割には、予想を覆し8時の時報とともに現職の当確が出されました。与野党対決のはずが、自民、維新、立憲などの既成政党はいずれも精彩を欠き、政治の潮目の変化を感じさせます。一方で政治屋の一掃を掲げ次点となった石丸氏の後継者をめぐる安芸高田市長選挙では、反石丸派が当選するなど改革に逆行する動きもあります。民主主義は何をするにも時間がかかり、民度が低ければ政治家はポピュリズムに走り国を破滅させます。一方で市民が自由に投票できない世界では、国が一定レベルを超えて豊かにはなりません。世界に目を向けると、マスメディアが極右と呼ぶ保守勢力が復権を始め、イランの大統領選で親米派が勝利したことも大きなニュースです。米国大統領選挙が行われる2024年は、政治の潮目が変わる年として記憶されることになるのでしょう。
自分で作り自分で食べる
先日は南会津に移住した人の家に行きました。冬の気候の厳しさはあるものの、この季節に行くと幸せを実感できます。地方創生が叫ばれ始めたのは10年ほど前ですが、地方で暮らす選択肢は、必ずしもリタイア後に限定されなくなったと感じます。都会での贅沢な暮らしこそが最良の人生だと決めつけなければ、生き方の可能性は広がります。掘ったばかりの浅井戸からは冷たい水があふれ出し、最近買い足した隣地の土地は200坪で1円という考えられない値段です。田舎には何もないという人もいますが、自然ほど豊かで変化に富み、生命力を感じる場所はありません。飲食店の多い都会に人生の豊かさを感じる人もいますが、都会的な贅沢を覚えるほど人生はつまらなくなるのかもしれません。より強い刺激を求めるようになり、感受性が衰えるからです。田舎の豊かさは、自分で作り自分で食べる贅沢さにあるのでしょう。
七夕革命
東京都知事選挙の最終日になりました。人間関係を壊すリスクを避けるため、人は政治向きの話を避けます。しかし、自己の考えの表明を許さない一部の風潮は不健全だと思います。政治不信を払しょくする希望として、人口2万5千人の市議会に全国から衆目を集めた、前安芸高田市長の石丸陣営のまわりでは七夕革命が囁かれます。中国経済の低迷原因が失政なら、日本を覆う閉塞感も同様でしょう。政治が大半の国民の関心の外にあり、税金の使い道すら興味を持たないのは、失望の現れかもしれません。都知事選は国政の代理戦争とも言われますが、形骸化した政党政治の負の側面が、不透明な資金や利権の温床になっている気がします。知名度やイメージだけで投票先を決める有権者が多数派の日本は、「愚民の上に苛き政府あり」と言われるように自ら禍を招くのでしょう。一方で関心の無さは不満の無さでもあり、幸せの現れと言えるのかもしれません。
退屈な話し方の原因
昨年末に改正された改正旅館業法の説明会に行きました。不当な割引、過剰なサービスの要求や実現のための攻撃的な手段を取る迷惑客の宿泊拒否ができるようになった点が注目されます。一棟貸の民泊などが増えた昨今は、従来想定していないタイプの迷惑行為が増えており関心がありましたが、質問への回答はあいまいで今後県のホームページ等に掲載するとのことでした。ついでに言えば、保守的な組織の人は概して話すのが下手な印象があります。最前列に座っても聞き取れないぐらい声が小さく、活舌が悪く、棒読みなので聞こうという意欲が削がれます。常識で分かることを長々と説明する割に、一番聞きたいことは資料をお読みくださいと流すのであれば、通信教育やAIチャットボットにした方が効果的だと思います。上場企業の役員でも話が退屈な人が多いのは、自分の意見を言う必要がない組織だからかもしれません。